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その候補、国会で何してました? 議員活動が丸わかりのDB

衆院選の期日前投票が始まり、まもなく投開票日を迎えます。投票先は決めましたか?悩んでいたら、こちらも参考にしてみてはいかがでしょう。

衆院議員の国会での活動がデータベース化されている
衆院議員の国会での活動がデータベース化されている 出典: 「46期衆議院議員活動統計」

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 期日前投票が始まり、14日に投開票日を迎える衆院選。どの候補を選ぶか迷っていませんか。そもそも、選挙ポスターやチラシだけでは、どんな人物か判断するのは難しい。「どういう活動をしてきた人なのか、わかれば良いのに」という人にお勧めのサイトがあります。

国会での発言、質問、出席数など一覧に

 東京大の菅原琢客員研究員(政治過程論)が公開している「46期衆議院議員活動統計」。全衆議員の国会本会議、委員会での発言数、発言文字数などが一覧できます。名前順や発言数順などに並び替えることもでき、実際にどういう発言をしたかは、国会会議録へのリンクで確認できます。

 例えば、本会議での発言数がゼロの議員、委員会での発言もゼロの議員も簡単に探せます。政党や当選回数が同じ議員の中でも、発言数や内容に差があることがわかります。

発言数、発言文字数順などに並べ替えることもできる
発言数、発言文字数順などに並べ替えることもできる 出典:46期衆議院議員活動統計

 菅原客員研究員にサイト公開の目的や意義について聞きました。

「議員の活動は知られていない」

――なぜ、これらのデータをまとめ、公開しているのでしょうか。

 「国会議員の仕事は、その名前の通り国会で働くことです。しかし、だいたいの有権者は、自分の選挙区の国会議員が国会でどのような仕事をしているのかを知りません。国会議員の活動を知る手掛かりとして役立つよう、このサイトを公開しています」

 「国会議員の活動がネットに公開されるようになってきたのに、それらはバラバラに存在するだけで、一人の議員の活動を調べるためにぐるぐる回らなければいけないのが現状でした。そのため、議員同士を比べたりすることも難しいのです。一カ所で複数の情報にアクセスでき、他の議員と比較できるようなサイトがあれば便利です。これらのデータやリンク先を見ていけば、ある議員がどのような活動を行ってきたかを把握することが簡単になります」

 「また、こうして自分の活動が見られているのだと議員も意識するようになれば、『怠け』を抑制する効果がありますし、励みにもなるのではないかと期待しています。いずれにしても、有権者と国会議員の距離を縮めることができれば幸いだと思います」

衆議院が解散され、万歳三唱する議員たち=11月21日、西畑志朗撮影
衆議院が解散され、万歳三唱する議員たち=11月21日、西畑志朗撮影 出典:朝日新聞

――これらのデータから何を読み取ることができるのでしょうか。
 
 「散在する情報を要約し、入り口を作るというのが基本的なこのサイトの役割なので、使い方は自由です。したがって、『読み取り』は利用者が適宜していただければよいと思いますが、そのためには国会での活動に関してのある程度の知識が必要で、留意すべき点があります。野党議員に比べ与党議員は質問の機会と時間が制限され、質問主意書も原則として提出しませんから、本会議や委員会の発言の統計は同じ党・会派内で比較するのがよいでしょう。政府や国会の役職に就任していれば、統計や活動自体が一般の議員とは異なるものになります」

 「そうした目を持ったうえで見ると、たとえば同じ党の若手議員の中で、この人は全く発言機会をもらっていないとか、即戦力として働いているようだ、といったことがデータから見えてきたりします。特に役職もないのに、国会での活動が鈍いベテラン議員なども確認できます。内容を見ていけば、同じ党なのに随分と『右寄り』『左寄り』な人がいるものだといった発見もあるでしょう」

 「とにかく国会議員の活動は知られていないので、見ていけばいろいろなことがわかったり、新たな疑問となったりします。そうした発見を促すのが、掲載されたデータや情報の役割と言えるでしょう」

各議員の名前や発言文字数などから国会会議録検索システムへリンクしており、実際の発言も確認できる
各議員の名前や発言文字数などから国会会議録検索システムへリンクしており、実際の発言も確認できる 出典:国会会議録検索システム

ネットで「投票の参考になる」と話題に

――衆院選で投票先を判断する際に、どういう活用ができるでしょうか。

 「投票先を判断するためには、まず自身の立場や、政治に実現してほしい方向性をまず持っておく必要があるでしょう。各党、選挙区候補の政策や競争の状況な
どの情報も知ることが大事です」

 「その上で、たとえば選挙区で前回当選した議員の活動を振り返り、自分にとって満足のいく発言や行動をとっていたかを見るという活用の仕方ができます。また、過去に投票した候補者のその後を追って、自分のこれまでの判断を評価してもよいでしょう。衆議院選挙だと、投票できる候補はごく一部ですが、参議院選挙だと比例区でさまざまな候補に投票できますから、自分が重視する政策で好ましい活動をしている議員に投票する、というようなときにも役立つのではないかと思います」
 
 「国会議員の活動状況を一覧化し、情報にアクセスしやすくするというのがサイトの基本的なスタンスなので、投票に限らずいろいろな使い方をしていただければと思います」

 菅原客員研究員のサイト「国会議員白書」では、過去の議員活動一覧も公開されています。

 また、朝日新聞デジタルに掲載している「朝日・東大谷口研究室共同調査」では、全国の1000人を超える候補者にアンケート(回収率95%)。経済、安全保障、原発、社会問題などに関する各候補者の考えを視角化し、有権者が比較できるようにしています。

政党や候補者の政策課題ごとの立ち位置がわかる。候補者名で検索も可能
政党や候補者の政策課題ごとの立ち位置がわかる。候補者名で検索も可能 出典:朝日・東大谷口研究室共同調査

政党や候補者の政策スタンスが一目でわかる「朝日・東大谷口研究室共同調査」。衆院選、行くつもりだけどどこに投票すれば・・・。このサイトでじっくり見極めてください。

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