iPhone用パスワード管理アプリ「1Password」の使い方をご紹介します。
1Passwordは各サイトのログインパスワードやGoogleアカウント、Apple ID、クレジットカードの情報などを、マスターパスワード1つで全て管理することができるアプリです。
iPhoneには「パスワードとアカウント」というiOSのパスワードマネージャーがありますが、1Passwordに変更するとさらに便利ですよ。
なお、iPhoneで1Passwordを利用するときは、単独でサブスクリプションを購入するか、他のデバイスで購入済みの1Passwordを同期させて使います。
1Password インストールとプラン選択
では、1Passwordを使ってみましょう。まずは以下からiPhoneにアプリをインストールします。
もしくはApp Storeで「1password」と検索して、アプリをインストールしてください。
アプリを開くと、最初に1Passwordプランの選択画面が表示されます。ここでiPhone単独で利用するか、他のデバイスと同期するかを選択します。
「サインアップ」を選択すると、iPhone単独のサブスクリプション購入になり、「1Passwordを使ったことがありますか?」にある項目を選ぶと、購入済みの他デバイスと同期します。
他のデバイスで購入済みの1Passwordがあれば、同期させて無料で利用しましょう。
1Passwordの購入 サブスクリプション
1Passwordの購入方法は、月額課金のサブスクリプションと、買い切りのスタンドアロンの2種類ありますが、iPhone向けの1Passwordアプリでは、スタンドアロン版は購入できません。
そのため、iPhoneで1Passwordを利用するなら、サブスクリプション版を購入するしかありませんが、先に他のデバイスで購入した1Passwordを同期すると無料で利用できます。
また、サブスクリプション版の1Passwordを使うと、PCやスマホ、タブレットなどの異なるデバイス間でも、クラウド経由で簡単にパスワードを共有できます。
さらに、サブスクリプション版は複数のデバイスで利用できるので、手持ちのPCやスマホ、タブレットをすべて同期させても追加費用はかからず、デバイスを増やすほどお得になります。
他のデバイスを追加する方法は、以下の項目で解説しています。サブスクリプション版は何台追加しても無料なので、ぜひ試してみてください。
スタンドアロンは購入不可
続いて1Passwordの買い切りスタンドアロン版ですが、今のところiPhoneで購入することはできません。
すでに他のデバイスでスタンドアロン版1Passwordを利用している場合は、iCloudやDropbox経由でiPhoneとパスワードを同期させることができます。
ただし、新しいパスワードを追加しても自動で同期されず、外部クラウド上の保管庫(Vault)を手動で同期させる必要があります。
サブスクリプション版の1Passwordを購入したくない方は、先にWindowsやMacでPCのスタンドアロン版を購入して、iCloudやDropbox経由で同期させてください。
1Password サブスクリプションのアカウント作成
iPhoneで1Passwordを利用するときは、単独でサブスクリプションを購入するか、他のデバイスで購入済みの1Passwordを同期させて使います。
まずはサブスクリプションの購入方法を解説します。すでに他のデバイスで1Passwordを利用している場合は「1Passwordアプリを同期させる」まで飛んでください。
「サインアップ」から月額または年額の支払いを選択して「今すぐサブスクリプションを開始」をタップしてください。年額払いプランのほうが1500円お得です。
iPhoneアプリには無料の試用期間はありませんが、どちらのプランも最初の6カ月は前金で980円のお試し価格になっています。
購入手続きが終わったら、1Passwordのアカウント作成に移ります。
なお、サブスクリプションはAppleから購入する形になります。事前にApple IDの「支払いと配送先」からクレジットカード等の支払い方法を登録しておきましょう。
まずメールアドレスを入力すると、アカウント確認用のコードが届くので、メールをチェックして6桁のコードを入力してください。
アカウント名を入力して、マスターパスワードを作成します。長くて複雑なパスワードを作成しても「もう一息!」になりますが、十分だと思うなら続行してください。
確認のためにマスターパスワードをもう一度入力すると、アカウントの作成は終了です。続いてパスワード自動補完を有効にする方法を確認しましょう。
その前に Touch ID か Face ID を使ってロック解除を有効にしておくと、マスターパスワードの入力が不要になるので、簡単に1Passwordを使えるようになります。
1Passwordアプリを同期させる
他のデバイスで購入した1PasswordをiPhoneに同期させると、サブスクリプションを購入しなくても無料で利用できます。
サブスクリプション版を同期させる場合はクラウド経由で、買い切りのスタンドアロン版はiCloudかDropbox経由でログイン情報を同期させます。
ここではサブスクリプション版の同期方法を説明します。まずは利用中の1Passwordでセットアップコードを表示させます。
PCの場合は、Emergency Kit にセットアップ用QRコードが付いています。
スマホの場合は、自分の1Passwordアカウントからセットアップ用のQRコードを表示させることができます。
次にiPhone側1Passwordアプリのセットアップ画面から「1Password.com」を選び、「他のアカウントを追加」に進みます。
カメラでセットアップ用のQRコードを読み取ると、メールとシークレットキーが追加されました。あとはマスターパスワードを入力すると、他のデバイスとiPhoneが同期します。
iPhoneのセットアップはQRコードを読み取るだけなので簡単です。
パスワード自動補完を有効にする
iPhoneのパスワード自動入力を1Passwordだけにすると便利なので、パスワード自動補完を有効にしておきましょう。
まずはiPhoneの設定から「パスワードとアカウント」→「パスワードを自動入力」に進みます。
「パスワードを自動入力」がオンになっていることを確認し、「入力を許可:」をキーチェーンから1Passwordに切り替えて、マスターパスワードを入力します。
マスターパスワードの入力欄がキーボードで隠れて見えない場合がありますが、そのまま入力すればOKです。
「クリップボード通知を有効にする」をオン→「ワンタイム・パスワードのオートコピー」もオンにして「完了」してください。
あとは Face ID か Touch ID が有効になっていれば、1Passwordを使うたびにいちいちマスターパスワードを入力する必要がなくなるので便利です。
1Passwordの使い方 ログイン情報登録
では、1Passwordアプリにログイン情報を登録していきましょう。
情報を登録したいサイトのログインページを開いて、入力欄をタップすると「パスワード」が表示されるので、ここからユーザー名とパスワードを登録します。
マスターパスワードを入力するか、Face ID または Touch IDで1Passwordを開くと保管庫が開きます。新規登録は「ログインを作成」をタップします。
上からログイン情報名、ユーザー名、パスワードを入力していきます。終わったら「保存して保管」してください。これで1Passwordにログイン情報が登録されました。
あとはログインページを開くと、Face ID か Touch ID を使うだけでユーザー名とパスワードを入力できるようになります。
キーボード入力のときも、1Passwordにログインサイトの登録情報があれば表示してくれるので、タップするだけで入力できます。
あとは同じように、よく利用するサイトのログイン情報を登録していきましょう。
アプリから新規ログイン情報登録
1Passwordは、新規サイトのログイン情報をアプリから探して登録することができます。ログイン情報を一気に登録するなら、こちらを使ったほうが効率的です。
GoogleやFacebook、YouTubeのような有名サイトをはじめ、SNSやウェブサービス、中国、海外企業サイトを含め、著名なサイトは大抵リストアップされています。
1Passwordアプリを開いて「カテゴリー」に進み、右上の「+」をタップして「ログイン」を開きます。
リストからサイト名を入力して絞り込みましょう。あとはユーザー名やパスワードを入力して保存してください。
ログイン情報の管理と編集
1Passwordに登録したログイン情報は、アプリ内のカテゴリーで管理や編集を行います。
まずはアプリを開いて、下のメニューから「カテゴリー」に進み、編集したいアイテムを選択して右上の「編集」をタップします。
アイテムを「お気に入りに追加」したい場合はここで行ってください。
こちらでログイン情報の名称やユーザー名、パスワード、サイトのログインURLなどを編集します。他に別のログインURLやワンタイムパスワードを追加したり、新しいフィールドを作成してテキストや住所、電話番号などの情報を追加することもできます。
整理用のタグ付けやメモの追加、不要になったログイン情報の削除もここで行います。編集が終わったら「完了」してください。
他にもアイテムを保管庫に移動してコピーしたり、外部にプレーンテキストで共有することができます。ただし、共有先のセキュリティには十分注意してください。
1Passwordを他のデバイスで使う
iPhoneでサブスクリプション版の1Passwordを購入すると、追加料金なしで他のPCやスマホ、タブレットとログイン情報を共有することができます。
せっかく購入した1PasswordをiPhoneだけで使うのはもったいないので、他のデバイスにも1Passwordをインストールして、ログイン情報を共有しましょう。
共有方法は他のデバイスに拡張機能、またはアプリをインストールして、自分のアカウントに紐づけすればOKです。
まずはアカウントの情報を確認しましょう。アプリの「設定」から「1Passwordアカウント」に進み、自分のアカウント名をタップします。
ここで自分のアカウント情報を確認します。アカウントにサインインするためには、メールアドレス、シークレットキー、マスターパスワードが必要です。
確認のため「Secret Key」をタップして「大きな文字で表示」させます。
1PasswordをPCと同期
では、他のPCと同期させてログイン情報を共有してみましょう。ここではWindowsPCを使います。以下から1Passwordのアカウントページにログインしてください。
メール、シークレットキー、マスターパスワードを入力してサインインします。
アカウントにサインインすると、まず最初にシークレットキーが表示されます。あとは「1Password Emergency Kit」をダウンロードしてください。
「1Password Emergency Kit」はPDFファイルで、トラブルの際はこの情報を参照してアカウントを復旧させます。他人に知られないよう厳重に保管してください。
アカウントにサインインすると、管理画面に使い方の手順が表示されます。まずはステップ1のインストールに進みましょう。
利用中のブラウザに合わせて、サブスクリプション対応版の「1Password X」をインストールしてください。Macの場合はSafariに拡張機能が含まれています。
あとはブラウザに拡張機能またはアドオンをインストールして、マスターパスワードを入力すれば、PCでも無料で1Passwordが使えるようになります。
PCで1Passwordを使うための設定方法や、パスワードのインポート、ログイン情報の入力や保存については、以下の記事で紹介しています。
1Passwordをスマホと同期
1Passwordを他のiPhoneやAndroidスマホと同期させる場合は、QRコードを読み取るだけなのでPCよりも簡単に設定できます。
アプリの「設定」から「1Passwordアカウント」→「自分のアカウント」に進みます。
「セットアップ・コードを表示」をタップすると、セットアップ用のQRコードが表示されます。
続いて読み取る側のスマホでQRコードリーダーを立ち上げます。アプリの「設定」から「1Passwordアカウント」→「既存のアカウントを追加」に進みます。
「セットアップ・コードを読み取る」をタップすると、QRコードリーダーが立ち上がるので、セットアップ用のQRコードを読み取ってください。
メールとシークレットキーが追加されました。あとはマスターパスワードを入力すれば、スマホに1Passwordアカウントが追加されます。
もちろん、セットアップ用のQRコードはiPadなどのタブレットでも読み取りできますよ。
スマホやタブレットの場合はQRコードを読み取るだけなので、PCよりも簡単に1Passwordを同期させることができます。ぜひ他のデバイスでも試してみてください。