「日本産米は品質が高く、海外で大人気」――。よく日本のメディアで取り上げられているが、本当だろうか?
2024年、「令和のコメ不足」と言われるなど、店頭から一時コメが消え、24年度産の新米も高値が続いている。このような状況下で、コメの輸出を振興する論調に違和感を持っている読者も多いのではないだろうか。
日本のコメは海外でどのように消費されているのか?24年10月にマレーシアとタイを訪問したので、消費現場をレポートする。
多民族国家・マレーシアにおけるジャポニカ米
マレーシアに行くと、様々な人種が街を歩いており、多民族国家であることが分かる。首都・クアラルンプールの街には多様な料理店がある。
マレーシアの4大料理は、マレー系、インド系、中国系、マレー系と中国系が融合したニョニャ系に分かれていると言われている(マレーシア政府観光局ホームページ)。
特にマレー系の料理は、日本料理とは似ても似つかない、スパイシーでエスニックな味わいが特徴である。筆者も本物のマレーシア料理を食べるとたびたびその辛さに驚くことがある。
ショッピングモールなどでも手ごろな価格で美味しいマレーシア料理を楽しむことができる。一方、クアラルンプールの街中には、シンガポールやタイなどに比べると日本食レストランはさほど目立たない印象だ。