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2014年 02月 06日
都知事選で「脱原発」を標榜する細川護熙候補が話題となっているが、細川は、「放射性廃棄物の最終処分場の受け入れを「東京は当然、ある意味で負担しないといけない」と述べた」と報道されている。(日本経済新聞インターネット版1月23日)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDC2200F_S4A120C1EA2000/ http://69763999.at.webry.info/201401/article_25.html また、kibikibi20氏はツイッターで、「細川護煕が都知事選挙に出たのは、自身が理事長である財団法人「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」の利権が関係してるのかもしれない。「東北の為」とか「エコ」とかいって東京五輪の工事に震災瓦礫を持ってくるかもしれない⇒ http://greatforestwall.com 」と指摘している。 https://twitter.com/kibikibi20/status/428337284279054336 そうすると、なぜこれが「脱原発」ということになるのか、私は全く理解できないのである。細川からすれば、こういったものを全部受け入れた上での「脱原発」ということになるのだろうが、それでは細川の下に馳せ参じているリベラル・左派文化人・知識人はどう考えているのか。 ところで、Kibikibi20氏は、「私の想像に過ぎないが、小泉純一郎が細川護煕を立てた目的は、前回都知事選挙で得票の少なかった宇都宮陣営の切り崩しというよりも、自民党の最期が近いことを知り、息子進次郎の為、日本新党のような「政界再編」の「受け皿」を遺しておいてやりたいからではないか?」とも指摘しているが、これも大体当たっているのではないかと思う。 https://twitter.com/kibikibi20/status/431070770572189697 細川―小泉が仮に今回負けたとしても、今後の政界再編の軸になっていくのであろう。「この動きを国政につなげていこう!」という人々も必ず出てくるのである。結局、そうすると、細川―小泉を結集軸とした政治勢力の結成こそが、細川陣営に集結するリベラル・左派文化人・知識人の(潜在的な)駆動要因であって、だからこそ恐らく自分たちおよび大多数の市民の「反原発」の志向とは異なる、細川の「脱原発」論が黙認されているのではないか、という感想を持つのである。 ところで、今回の細川―小泉へのリベラル・左派文化人・知識人の支持と、その後の(予想される)細川・小泉勢力への参加という事態は、実は昔見た光景なのである。私が昔「言論界における「小沢派」の成立」と題して書いた状況である。その時に私は、「仮に小沢から捨てられるか、小沢が政治的に没落するかしたとしても、言論界における「小沢派」は雇い主または信奉の対象を変えるだけだろう。別の、リベラル・左派を利用しようとする野心的な政治家と癒着するだけである。そうした構造が成立してしまったのが2010年秋であると私は見ている。」と書いたが、小沢が実質的に没落してから、民主党政権への礼賛への自己批判もないまま、「脱原発」「反橋下」「反在特会」という誰もが反対しない主張で時間を稼いでいたリベラル・左派が、ようやく新しい宿主を見つけた(見つけようとしている)、というのが今回の事態なのではないかと思う。その渦の中に、政治音痴の面々が次々と巻き込まれている、ということだろう。 http://watashinim.exblog.jp/12465295/ http://watashinim.exblog.jp/12465499/ 私が「<佐藤優現象>批判」その他で書いてきたのは、リベラル・左派が、市民運動などの「下から」社会を変えることに絶望した結果、佐藤優を媒介として、政界・有力者との結びつきを作り、言論メディア相互の連携を深める(馴れ合う)ことで、「上から」社会を変える(という幻想を持つ)という道を進んでいるという事態である。それを背景として、2010年秋頃、尖閣諸島(釣魚島)問題を決定的な契機に、歴史認識でも安全保障論でも、「国益」論への躊躇が完全に消え、民主党的な価値観と完全に同化してしまい、特定の政治家・権力層と癒着する構造が成立してしまったことを指摘した。そこで、大多数のリベラル・左派が「小沢派左派」とでも言うべきものに一端移行したわけである。 それで、この予想される細川―小泉勢力へのリベラル・左派の吸収についても、上の記事で「小沢派」について書いたこと以上に書くことはあまりないのである。この記事は2010年11月の沖縄県知事選に関する言説の数々をきっかけとして書いたものだが、そこで私は、「言論界における「小沢派」の政治的性格は、その言論活動によって、「下から」の大衆の不満の爆発、緊張状態を緩和し、体制内に回収し、可能ならばそのエネルギーを反転させて体制側の支配ツールとして逆用」することだと書いた。 細川―小泉勢力へのリベラル・左派の吸収についても同じことが言えて、原発問題、沖縄の基地問題、雇用問題、日韓・日中関係などの懸案事項(特に日朝国交正常化及びその後の事態)について、没落しつつあるが目立ちたいリベラル・左派文化人・知識人や社会運動家、およびその周辺のマスコミを活用することで、「緊張状態を緩和し、体制内に回収し、可能ならばそのエネルギーを反転させて体制側の支配ツールとして逆用」しようという権力層主導の体制であると理解することができると思う。橋下らの維新が「細川―小泉派右派」として合流してくるかもしれない。 ちなみに私は上の文章の最後で、以下のように書いた。 「私は論文「<佐藤優現象>批判」の最後で、<佐藤優現象>を近衛文麿の「新体制運動」と同じようなものだとした。言論界における「小沢派」の成立もそうである。小沢の政治的定見のなさは、近衛の空虚さに対応している。その小沢やその支持集団に対して、行き詰って展望を失ったリベラル・左派が、「バスに乗り遅れるな」と群がっている構図だ。私は今後も、「左派」や「リベラル・左派」という呼称を使うと思うが、それはもはや実質的には「小沢派左派」と呼ぶべきものに発展していることを、改めて強調しておく。」 近衛文麿の孫である細川が、かつての「小沢派左派」を引き継ぐことになるというのは話ができすぎている感もあるが、構造が同じであるがゆえに、同じことがより酷い形で繰り返されているのである。 だからと言って宇都宮健児候補がよい、ということでもなく、宇都宮は宇都宮で、澤藤統一郎氏がさんざん指摘してきているような問題を抱えているわけである。 http://article9.jp/wordpress/ そして宇都宮の問題に関して、澤藤氏は岩波書店の関与の疑惑を指摘しており、岩波書店は澤藤氏の指摘に対して一切沈黙している。澤藤氏の文章にもその名前が出てくる岡本厚・現岩波書店社長が、『世界』編集長として佐藤優を熱心に使い続けていたことについて当時明確に批判され、社会運動での領域での影響力が大幅に減っていれば、今回の都知事選で宇都宮が候補として出ている、という事態もなかっただろう。 今回の都知事選は、<佐藤優現象>推進以来の日本のリベラル・左派の堕落によって、日本の市民が大きなツケを払わされていることを非常に分かりやすく示している。放置されていれば、今後、より大きなツケを払わされることになるだろう。
by kollwitz2000
| 2014-02-06 21:54
| 日本社会
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