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2012年 09月 26日
特定非営利活動法人・コリアNGOセンター事務局長である金光敏の文章を読んだ。
まあ読んでやってほしい。 「8月10日の李明博(イミョンバク)大統領による「独島」訪問で、日本国内の対韓国世論が急激に悪化している。連載100回を前に、このような状況を迎えたことは残念でならない。 率直に言って在日コリアンの多くが李明博大統領の行動に憤っている。領土問題への見解はともかく、日本国内のナショナリズムを煽(あお)る言動が大統領によって行われたことへの反発だ。」 「この間私は、2回韓国を訪問しその世論を肌で感じ、また、来日する多くの韓国人との懇談、一部国会議員とも、この件で話した。 そこで私は何度も李大統領の「独島」訪問を批判した。今回の訪問は政権末期の求心力回復を目的とする「領土」問題の政治利用であり、現政権は日本国内の政治状況を読み間違えていると指摘した。同時に対韓国世論の悪化で最も苦しい立場におかれるのは、私たち在日コリアンであるとその切実さを説いた。 李大統領は就任以来、日韓関係を「未来志向」の姿勢で臨むと強調してきた。「独島」問題は歴史問題だとする韓国側の理解に立てば、李大統領の行動はそれに逆行していると映らざるを得ない。そもそも「未来志向」が植民地支配の歴史を度外視する意味ならば反対との立場が韓国では強く、それでもなお「未来志向」を強調したのが李大統領自身だった。 大統領の「独島」訪問を厳しく批判した私の発言に共感を示す韓国の人々は多い。案の定、李大統領の支持率回復にほとんど役立っていない。そこからわかるのは現政権の対日姿勢とは違い、もっと温和な日本観が韓国社会で根を下ろしている点だ。 連載100回の節目に、日韓政府は東北アジアのナショナリズムの抑制に協力しあうよう改めて求めたい。私は、領土問題に過剰反応して国境を越える「協働」の可能性をつぶすことをあってはならないと韓国社会に強く発している。 同様に日本国内にも領土問題を使ってナショナリズムを煽る政治言動が力を得ている点に大きな懸念を持ち、こんな時だからこそ日韓の市民レベルの知恵が必要だと訴える。 幸いなのはこの間も日韓の市民交流が各地で行われたことだ。国家の論理を超えてつながるそうした姿こそむしろ強調したい。」 http://mainichi.jp/area/osaka/news/20120907ddlk27070424000c.html http://mainichi.jp/area/osaka/news/20120907ddlk27070424000c2.html http://mainichi.jp/area/osaka/news/20120907ddlk27070424000c3.html これは、在日朝鮮人の歴史にとって、ある意味で記念碑的な文章である。つまり、一応は左派系に含まれる在日朝鮮人の民族団体の幹部が、韓国政府の「反日」性を公の場で批判するという、従来では考えられなかった光景なのである。単純化すれば、この人物が見解を撤回していない現時点では、この団体は韓国大使館や民団よりも「親日」的ということになる。 3年前に私は、以下のように書いた。 「姜(注・姜尚中)だけではなく、在日朝鮮人の「左派」の言論人(ネット右翼や右派論壇からは「反日」だと往々にして称される人々)の、従来では考えられない発言が目立っているのである。私はそれを、「在日朝鮮人の集団転向現象」であって、<佐藤優現象>に象徴される、日本のリベラル・左派の国益中心主義への転向に即応したものだと考えている。」 「この「在日朝鮮人の集団転向現象」というのは、一言で言えば、「自分たちも沖縄の人たちと同じように、日本人の「同胞」だ」「外国人もしくは旧植民地出身者と見るのではなく、自分たちも日本人の「同胞」に加えて欲しい」という主張を、在日朝鮮人の「左派」の言論人がほぼ一斉に発言し出している、ということである。「私たちが日本社会に厳しいことを言ったとしても、それは「反日」ではなく、沖縄の人々による発言の場合のように、「同胞」の言葉として受け止めてほしい」と。」 「私が強く問題だと思うのは、こうした発言が支配的になれば、在日朝鮮人の諸活動は、<佐藤優現象>を推進する沖縄の左派のように、あたかも単なる「利権運動」「同権運動」であるかのように社会的に表象されるようになり、在日朝鮮人の言葉から(例えば、抑圧されるものの連帯といった)「普遍性」が奪われることである。 「左派」在日朝鮮人の転向は、政治的にも(彼らの主観的な願望に反して)結局は悲惨な結果をもたらすと思うが、それこそ自らの歴史への冒涜であり、在日朝鮮人が本来持つべき(だと私はあえて主張しよう)普遍的な連帯への志向を踏みにじるものである。 今回、姜を取り上げるのも、以下で指摘する姜の転向を、在日朝鮮人の集団転向現象の象徴と私が捉えており、この在日朝鮮人の集団転向現象は、<佐藤優現象>と相互に絡み合いながら、日本の公的言説の右傾化を促進する(している)と考えるからである。」 http://watashinim.exblog.jp/10055764/ 「日本社会における朝鮮人の場合、単なる「外国人」(の血統)へのレイシズムだけではなく、(朝鮮半島の同胞であれ在日朝鮮人であれ)同じ朝鮮人を攻撃する、という忠誠表示が必ず必要とされる。「コリア系日本人」が、仮に明示的に、日本社会で歓迎される形で成立する場合、同時にそれは朝鮮半島の民衆や在日朝鮮人の「ナショナリズム」に対する批判その他の役割を引き受けているだろう。現実に、現在、「権利としての日本国籍取得」を主張している在日朝鮮人たちは、ほぼそのような人々しかいない。 現在の姜の醜悪な姿は、日本社会に歓迎される形で成立する場合の「コリア系日本人」の姿を暗示している。そのような在日朝鮮人は、今の姜やマスコミ界隈の在日朝鮮人の多くがそうであるように、日本人にとって、海外派兵の常態化の容認(それ自体への賛同ではなく、そのような政治的流れを容認する自分たちを肯定してくれる存在として)、外国人労働者の本格的流入と排外主義的規制・差別の並存状態の容認という機能を果たしてくれる、不可欠な装置である。そうした視角から問題を考えない限り、李忠成をめぐる報道にせよ、日本国籍取得論にせよ、排外主義(ネット右翼)対同化主義(朝日新聞系)という下らない図式を再生産するだけに終わるだろう。」 http://watashinim.exblog.jp/13086429/ ほぼ付け加える言葉もない。何という分かりやすい奴だ、という思いすらある。李明博の一連の言動・行動が、それ自体は大して評価するに値しないものであることは、zed氏や、kscykscy氏が指摘するとおりであるが、まさか李明博の言動・行動が「日本国内のナショナリズムを煽る」がゆえに批判する、などという発想は思いつきもしなかった。 金光敏が在日朝鮮人であるがゆえに、日本社会の李の言動・行動に対する反発はより容易に正当化され、社会の右傾化はより促進されるのである。「対韓国世論の悪化で最も苦しい立場におかれるのは、私たち在日コリアン」であることはある程度真実であろう。しかしそれを避けるために、日本社会の一員であるための忠誠表示をすることによって、朝鮮半島および世界に対しては在日朝鮮人は加害者になるのである。せめて黙ってろ、と言いたくなるが、私が以前書いたように、そのような沈黙はできない、ということなのだろう。 興味深いことに、金光敏は「在日コリアンの多くが李明博大統領の行動に憤っている」と書いている。金光敏が日本社会への忠誠表示のために誇張している色合いもあろうが(少なくとも私の周辺にはそのような醜悪な在日朝鮮人はいない)、これは事実であろうとも思うのである。この人物や、このような発言を撤回させない周辺の人物による、「人権」や「反差別」など一片の聞く価値もないと言わざるを得ない。 日本社会の右傾化に関する在日朝鮮人の役割は非常に大きい。平和に生きたい日本人にとってもそのような在日朝鮮人は、差別的な意味ではなく、本来ならば唾棄されるべき対象であると思うが、良心的な(これは皮肉ではない)日本人は遠慮して在日朝鮮人をあまり批判しない。だからこそ、在日朝鮮人こそが、このような現在の親日派としての在日朝鮮人を徹底的に公的に批判していかなければならない。
by kollwitz2000
| 2012-09-26 00:00
| 在日朝鮮人
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