モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

「これさえやっておけば、絶対にうまくいく!」というジョーカー幻想

心理ハック 凹んだら、書く (ライフハックス心理学) より


私は前々から、「心が傷ついたらどうしたらいいか?」の問題を考えてきました。前々からというのはざっともう、30年くらいということです。よく耳にするのが「強くなる」というハックですが、これはあまり役に立ちませんでした。少しばかり安易すぎます。
ほとんどの場合、問題を「一掃する」ようなジョーカー(と私は名付けているのですが)を手に入れようとすることは、うまい方法ではないようです。あちこちに借金して大変だ→宝くじあてたれー!!というのが「ジョーカー」ですが、それでうまくいくのはかなり幸運と言えそうです。

私達は、いつも「ジョーカー」探しをしてしまいます。「全てのモノを一掃するジョーカー」を。

  • 「ココロが傷ついた時に、絶対に効くジョーカー」はないのか?
  • 「売上をドーンっと誰でも上げる事ができるジョーカー」はないのか?
  • 「生産性をドーンっと上げる事ができる仕事の仕方のジョーカー」はないのか?

等々いろんな「ジョーカー」を求めています。そして「ジョーカー」探しをしている間に、物事は悪化していきます。





私達の業界でよく見るのが、経営コンサルタントのジョーカー探しをしている経営者の人達。経営コンサルタントのジョーカーとは、「3ヶ月以内に、どんな会社にも100%うまくいく、急激に業績向上を実現させるノウハウを持っているコンサルタント」のようなものと想像してもらえばいいんではないでしょうか?(まともなコンサルタントはそんな事は言わないと思うんですが・・)



そんなジョーカー好きな経営者は、ひっきりなしにコンサルタントを変えていきます。「ジョーカーばかり」を探しているので、力はないけどセールス力の高いコンサルタントにばかりひっかかっているんですね。ジョーカー探しばかりに、社員にも付き合わせるので会社が傾いていくんですね。




信じるモノがなくなってきた時代。だから何かを純粋に信じていたい。万能のものがあるという事を信じていたい。一つの事を信じて、何も考えずにそれだけをやっていたい。そんな心理がジョーカー幻想を生むのでしょうね。<BR>


私は、ちょっとこのエントリーのジョーカーという言葉にインスピレーションを感じたので、その部分ご紹介したのですが、本題は、「ココロが落ち込んだときの一つのハック方法として、ブログを書く」という事を提案されたエントリーです。最後にちょっと引用させていただいておきますので、詳しくは、本文の方をお読み下さい。

なぜ「激情」が書くことによって鎮まるかというと、まずは「書くこと」に激情のエネルギー源が回るから、という説明もできますし、脳科学的に説明するなら、「激情優勢」の時には大脳辺縁系(扁桃体や海馬のあるところ)が活発になっている一方で、「文章を書く」には辺縁系から前頭葉へとスイッチしなければならなくなります。前頭葉が活発になってくると、扁桃体の活力は抑えられるので、それで「激情が収まる」といった説明もできるでしょう。そういうわけで、毎日ブログを書いたり日記を書いたりしなくても、とりあえずイヤなことがあって落ち込んだらブログを書く、というのもいい方法だと思います。今流行の「タグ」には感情名をつけましょう。「悲しい」「激怒」「復讐したい」などなど。すごく暗いブログになってしまいそうですが、そのブログの目指すところは、心の中をそんな気持ちで充満させないところにあります。




やっぱり中庸って大事よね。ポジティブシンキングも行き過ぎれば・・・

評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」 ポジティブ・シンキング・バカ(PTB)とネガティブ・シンキング・グズ(NTG)

 一つは、「ポジティブ・シンキング・バカ」(PTB)とでも言うべき、願いと現実の区別が付かなくなっていて、歪んだ現実認識に、周囲を付き合わせるタイプの人物です。何でもポジティブに考えようとするので、基本的に前向きな人ではあるのですが、周囲にも同意を求め、時には努力を強要するので、迷惑だ、といったキャラクターです。

きつい言い方で山崎さんは言われているのですが、なるほど妙な言い方ですね。PTBは2種類いるそうで、「願い事は、十分真剣に願うと、必ず叶う」「叶わないとすれば、願い方と信じる心に不足があるからだ」という論理構造を持っている人。もう1種類が現実に合わせて、願いや解釈を修正するタイプの人だそう。大学に不合格になったという現実があったら、無理矢理、大学に不合格して良かった理由を探すような人の事を指しているそうです。(私は、略称として前者を「熱狂的自己啓発症候群」、後者を「夏美さん症候群」とまとめ直してみました。夏美さんとは、今、朝の連ドラで「どんと晴れ」というドラマをやっているのですが、主人公の夏美さんという女性が、老舗旅館に嫁に入る事になり、大変ないじめに逢うのですが、それを「絶対にあり得ないくらい凄いプラス思考」で乗り越えていくという話。その主人公の女性からとりました。)





確かに、熱狂的自己啓発症候群や夏美さん症候群になると危険ですよね。しかし、同時に考えていかないといけないのが、「願い事を真剣に思う重要性」や、「失敗から学ぶ姿勢」。確かに、自己啓発系の本や、プラス思考系の本では、この事ばかりを強調しているものが多いから、この山崎さんの話はバランスを取る意味でも知っておくべき話だと思います。何事も、行き過ぎれば、間違った方向になるという自戒の意味を込めて。

最後に、逆パターンのNTGについても引用をのせておきます。こっちも困りものです。

もう一つ、話しをしていて、もてあますのは、全てのことにケチを付けて、「いまそれをやらない方がいい理由」或いは「やっても意味がないという理由」を探して、自分でも動こうとしないばかりか、他人の積極性にも水を差そうとする愚図です。こちらは、「ネガティブ・シンキング・グズ」(NTG)と命名することにします。



効率的に時間を使うために覚えておくべき『心がけ』

生産的になろう (Aaron Swartz のブログから) より

生産的になるために

  • 効率的に時間を使う
  • 時間の質を高める
  • 物理的制約をとる
  • 精神的制約をとる

といった視点で、いくつかのライフハックが整理されています。ライフハックにご興味ある方は是非、一度読まれると参考になると思います。

よい問題設定を



人生は短い(聞いたところによるとね)。それならくだらないことに時間を費やしている理由がどこにある? あることがらに、手ごろだからという理由でとりかかるのは簡単だ。だけどつねにそのことについて自問するべきだ。自分ができることでもっと重要なことがあるんじゃないのか? どうしてそのことじゃなくて、かわりにこれをやろうとしてるんだ? こうした問いかけに正対するのは厳しいことだけど(このルールに従うと、ついには自分はどうして世界でもっとも重要な問題に取り組んでいないんだろうと自問することになるわけだし)、この小さな積み重ねが人をより生産的にしてくれる。これはべつに自分の生涯を世界でもっとも重要な問題にささげろといってるわけじゃない。僕だってそこまでやってるわけじゃないからね(こんなエッセイを書いたりしてるわけだし(訳注:
それを訳したりしてるわけだし))。だけど自分の生きかたを評価するときにはこれを絶対の基準にしている。



特に、私が参考になったのは、この部分。何かをやる度に、スケジュールに何かを入れるたびに、「自分ができることでもっと重要なことがあるんじゃないのか? どうしてそのことじゃなくて、代わりににこれをやろうとしてるんだ?」と自問する事。どうしても、私達は「つまらない事」にまきこまれます。だけど、自分がやる必要のない「つまらない事」をいつの間にかしている事も多いモノです。誰かに流されて、あるいは惰性的に「つまらない事」に巻き込まれる事も多いハズ。このシンプルな質問を繰り返す習慣で、時間の効率化は上がってくるのかもしれません。私は試してみようと思います。