●初代から息づくG-SHOCKのチャレンジ精神とは
G-SHOCKは決して常識にとらわれず、「壊れない」を軸としてさまざまなアイデアを形にしてきました。樹脂ケース×デジタル表示でその歴史がスタートしたG-SHOCKですが、今回登場した「GMC-B2100」は、フルメタル、フルアナログ、クロノグラフの姿に身を包んでいます。
紹介するのは、精悍な印象のブラックダイヤルの「GMC-B2100D-1AJF」と、さわやかなライトブルーをまとった「GMC-B2100AD-2AJF」。初代に比べて、ずいぶんと様変わりを果たした2モデルは、どういう進化を遂げてきたのか。
その開発の経緯をたどりながら、時計ジャーナリストの篠田哲生氏にも本作の魅力を語ってもらいました。
「GMC-B2100D-1AJF(ブラック)/GMC-B2100AD-2AJF(ライトブルー)」
・価格(消費税込):10万4500円/10万7800円
・ケース ベゼル素材:ステンレススチール
・ケースサイズ:縦 51.3 × 横 46.3 × 厚さ 12.4 mm
・構造:耐衝撃構造(ショックレジスト)
・質量:171g
・防水性:20気圧防水
・使用電源:タフソーラー
・機能:モバイルリンク機能、デュアルタイム、スーパーイルミネーター、フルオートカレンダー、バッテリーインジケーター表示、日付・曜日表示 ほか
そもそもG-SHOCKといえば、1983年に登場した横広の八角形デザインにデジタル表示の初代「DW-5000C」こそ、原点でありアイコンでした。そのブームはストリートカルチャーを中心とした広がりを見せ、あっという間に世界的にも受け入れられたのです。近年、G-SHOCKが累計出荷1億本突破というニュースも世間をにぎわせました。
しかし時はたつこと約40年、若者の“タフ”に対する考え方も時代とともに少しずつ変化していきます。
オリジンのアイコンでもある八角形や、ベゼルの切り欠き、バンドの造形など――そこで2019年、G-SHOCKを現代にアップデートするため、最新の技術を活用しプロトタイプを制作してはやり直すという気の遠くなるような日々を経て、生み出されたのが「GA-2100」です。
当初、社内ではチャレンジングなデザイン性に「果たして本当に売れるのか…」という意見も多かったという2100シリーズは、ふたを開けてみれば大ヒット。発売当初は店頭から姿を消す人気ぶりで、今や次世代のG-SHOCKを担う存在として定番化しました。
また一方で、1996年に完成した樹脂ではない“フルメタル”のG-SHOCKが「MRG-100」として誕生。こちらも樹脂とは別ラインで進化を続けながら、2022年には両ラインを融合させた2100シリーズ初のフルメタルモデルとして「GM-B2100」が登場します。
樹脂からスタートしたタフネスウオッチG-SHOCKを、より多くの方々の、より多くのシーンで相棒となりうる存在になるためフルメタル化する上で、実用性がとても重要視されました。特に、より透過効率の高い文字盤(ソーラーパネル)の開発や新しい文字盤レイアウトが必要だったのです。
●これまでにないG-SHOCKを世に生み出す
こうした初代モデルからの地道なチャレンジが結実したものこそ、新作となる「GMC-B2100」です。
しかしなぜ、本モデルは従来のデジタルではなく、フルアナログ、クロノグラフだったのでしょう。カシオ計算機のご担当者は以下のように話します。
「現在のG-SHOCKは、軸となる4つのシリーズがあります。初代G-SHOCKの無駄をそぎ落とした機能美を継承する5000/5600系、3つ目のデジタルインジケーターの6900系、アナログ・デジタルコンビでビッグケースの110系、そしてアナログ・デジタルコンビで八角形ベゼルが特徴の2100系です。
これらをアイコニックスタイルとして恒久的に進化させていこうとしている中で、フルアナログのモデルがまだ無かったのです。
2100系のGM-B2100からGMC-B2100への進化でフルアナログのクロノグラフを実現する流れは、技術革新の過程で必然だったといえます」
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