様々なジャンルの方に直接お会いして、ソーシャルメディアの魅力をお伺いする「ツイナビインタビュー」。
今回は、10年続く大人気ドラマ『相棒』の水谷豊さん(杉下右京役)と及川光博さん(神戸尊役)にお話を伺いました。
今回は、10年続く大人気ドラマ『相棒』の水谷豊さん(杉下右京役)と及川光博さん(神戸尊役)にお話を伺いました。
──2012年2月7日、『相棒season10』で及川さん演じる神戸尊の“相棒卒業”を発表されましたが、周囲の反響はいかがでしたか?
及川 記者会見の1時間後くらいから、続々と友人・知人からメールをもらいました。ネットって(情報伝達スピードが)早いですよね。卒業の事は、身近な人たちにも黙っていた事だったので、みなさん驚いていたし、残念がっていましたね。
水谷 僕の方にも何通か、知り合いからメールが来まして。僕の手前だからかもしれませんが、神戸くんの卒業を惜しみながらも、冷静に受け止めようとしてくれていました。
水谷 僕の方にも何通か、知り合いからメールが来まして。僕の手前だからかもしれませんが、神戸くんの卒業を惜しみながらも、冷静に受け止めようとしてくれていました。
──主演とタッグを組む“相棒”が変わるというのは、普通に考えたら、まったく別の作品になってしまうくらいチャレンジングな事だと思うのですが、前相棒の寺脇康文さん演じる亀山薫に引き続き、今回で2回目です。チャレンジの度合いを増す中で、ドラマ『相棒』らしさは、どう貫かれているのでしょうか?
水谷 「まだこの先に何かがある」と思わせてくれるのが、ドラマ『相棒』のスタイルだと思います。また、神戸尊が、杉下右京の“相棒”を卒業しても、警視庁もしくは警察庁に残るとなった場合に、ふたりはまたどこかで出会えるんじゃないか、という風に思えるドラマです。これは、みっちゃん(及川さん)の受け売りなんですけどね。
及川 わかりませんよ、殉職するかもしれませんし(笑) でも、逮捕されたり、殉職したりじゃなければ、画面には映らなくても、神戸くんは『相棒』というパラレルワールドの中で生き続けていくと思います。
水谷 そういう考え方は、前向きでいいなと思いましたね。
及川 わかりませんよ、殉職するかもしれませんし(笑) でも、逮捕されたり、殉職したりじゃなければ、画面には映らなくても、神戸くんは『相棒』というパラレルワールドの中で生き続けていくと思います。
水谷 そういう考え方は、前向きでいいなと思いましたね。
──改めて、相棒を務めた3年間を振り返っていかがですか?
及川 不思議な3年間でしたね。僕が演じているはずの神戸くんなのに、気づけば神戸くんが、だんだんひとり歩きし出して。だからこそ僕、及川光博がチーム相棒を卒業したって、神戸くんは『相棒』に生き続けるんじゃないかと思えるんです。
水谷 みっちゃんが、それだけ神戸尊を想ってくれたということですね。出演本数は何本でしたっけ?
及川 「57本+映画」ですね。そのうち9本が2時間以上のスペシャルです。3年は短いってみなさんおっしゃいますけど、そんなに短くないです(笑)。これだけ長くひとつの役を演じたのは、人生で初めての経験です。一時期ね、season9の途中で、及川光博と神戸尊、2人分の人生を生きている感じがして、混乱しちゃったんですよ。水谷さんは、10年以上、右京さんを演じていて、混乱する事とかないですか?
水谷 混乱することはないですけど、どっちがどっちか、わからなくなる瞬間はあります。
及川 …それを混乱というんですよ!(笑) 舞台あいさつや取材、番宣の時に、僕たちは打合せなしでしゃべるので、水谷さんが、急に杉下右京モードになると、慌てる事があります。今日はそっちなんだ!って。
水谷 現実と夢を行ったり来たりするようなもので、楽しいですよ。
及川 もうだって「神戸くん」って呼ばれたら、「はい」って返事をするのが、クセになっちゃってますもん。
水谷 みっちゃんが、それだけ神戸尊を想ってくれたということですね。出演本数は何本でしたっけ?
及川 「57本+映画」ですね。そのうち9本が2時間以上のスペシャルです。3年は短いってみなさんおっしゃいますけど、そんなに短くないです(笑)。これだけ長くひとつの役を演じたのは、人生で初めての経験です。一時期ね、season9の途中で、及川光博と神戸尊、2人分の人生を生きている感じがして、混乱しちゃったんですよ。水谷さんは、10年以上、右京さんを演じていて、混乱する事とかないですか?
水谷 混乱することはないですけど、どっちがどっちか、わからなくなる瞬間はあります。
及川 …それを混乱というんですよ!(笑) 舞台あいさつや取材、番宣の時に、僕たちは打合せなしでしゃべるので、水谷さんが、急に杉下右京モードになると、慌てる事があります。今日はそっちなんだ!って。
水谷 現実と夢を行ったり来たりするようなもので、楽しいですよ。
及川 もうだって「神戸くん」って呼ばれたら、「はい」って返事をするのが、クセになっちゃってますもん。
──最終回スペシャルの撮影に入って、今、どんな手ごたえを感じていますか?
水谷 最終回は、ある事件の裏に「クローン人間の誕生」に絡む、国家を揺るがす大事件が潜んでいるんです。世界初の事が日本で起きようとしている。この物語は『相棒』じゃないと、できないだろうと思いますね。
及川 法律を遵守するということ以外にも、人道的、宗教的な問題も絡んできますからね。
水谷 そうなんですよ。法律を変えなければダメなんじゃないかという、ぎりぎりのところまで食い込んでいく。
及川 視聴者のみなさんも一緒になって、考えさせられるストーリーになっていると思います。
及川 法律を遵守するということ以外にも、人道的、宗教的な問題も絡んできますからね。
水谷 そうなんですよ。法律を変えなければダメなんじゃないかという、ぎりぎりのところまで食い込んでいく。
及川 視聴者のみなさんも一緒になって、考えさせられるストーリーになっていると思います。
──これまでも『相棒』では、「裁判員制度」や「取り調べの可視化」など、実際の社会問題をいち早く取り上げ、それぞれの“正義”について、問題提起をされてきました。その辺は、演じる側としても、難しかったんじゃないでしょうか。
水谷 追い詰められますよね。
及川 答えがあることじゃないんでね。かつて右京さんと小野田官房長が、絶対的正義と大局的正義でぶつかり合っていました。ここに、神戸くんという別の正義も加わって。
水谷 そう。選びようがない事を選ばなきゃいけないっていう。どちらを選んでもいけないものを提示されて、どちらかを正義として選ばなきゃいけない。もうこれはすごい話です。『相棒』ならではと思いますね。
及川 そう。だから台本を読み解くのが難しいです。それに加えて「……」という無言の演技が多くて。物語自体が複雑であり、多くを語りあわない杉下と神戸だからこそ、沈黙の意味が問われる。
水谷 そうそう、最終回のもうひとつの見どころは、神戸尊の行動によって、右京がある意味で追いつめられるんですけどね。これが、今だかつてないほどスリリングで、しかも意外な結末が待っています。
及川 台本を読んでいてドキドキしました。
水谷 どのような形であれ、神戸尊は、最終回スペシャルで特命係を去るわけですけど、その去り方がね、またいいんですよ。ドラマチック過ぎず、とても静かでね。リアルな世界をふたりが生きていると思わせてくれる。
及川 答えがあることじゃないんでね。かつて右京さんと小野田官房長が、絶対的正義と大局的正義でぶつかり合っていました。ここに、神戸くんという別の正義も加わって。
水谷 そう。選びようがない事を選ばなきゃいけないっていう。どちらを選んでもいけないものを提示されて、どちらかを正義として選ばなきゃいけない。もうこれはすごい話です。『相棒』ならではと思いますね。
及川 そう。だから台本を読み解くのが難しいです。それに加えて「……」という無言の演技が多くて。物語自体が複雑であり、多くを語りあわない杉下と神戸だからこそ、沈黙の意味が問われる。
水谷 そうそう、最終回のもうひとつの見どころは、神戸尊の行動によって、右京がある意味で追いつめられるんですけどね。これが、今だかつてないほどスリリングで、しかも意外な結末が待っています。
及川 台本を読んでいてドキドキしました。
水谷 どのような形であれ、神戸尊は、最終回スペシャルで特命係を去るわけですけど、その去り方がね、またいいんですよ。ドラマチック過ぎず、とても静かでね。リアルな世界をふたりが生きていると思わせてくれる。