「ビルに電車を置きたい!」 男の夢、池袋で実現 西武・京急・東急が揃い踏み

池袋駅東口にオープンするビル、その道路に面した場所に、西武と京急の電車が登場しました。同じビルには東急の電車も。どのような意図で設置されたのでしょうか。

「東武はないの」? 西武と京急を並べたワケ

――道路に面した箇所に置かれた西武の車両は池袋ゆかりのものですが、もう1台はなぜ京急なのでしょうか?

 西武は地元の電車であり、昔から親しみを持っていたからですが、その黄色い電車と並べて映えるのは、赤い京急の電車だと思いました。京急800形はその塗色から鉄道ファンに「ダルマ電車」とも呼ばれていますが、それを私が名づけたことからも親しみがありました。

 池袋ですから「東武はないのか」ともよく聞かれます。もともと東武8000系も候補として考えていました。しかし、オリジナル車両(登場当時の姿の車両)はすでに廃車されていたため外しています。

――東急7700系についてはどのような意図で購入したのでしょうか。

 この車両はもともと、1962(昭和37)年に日本初のオールステンレス製車両として登場した7000系を改造したもので、「産業遺産」としての価値があると考えて購入しました。

――搬入はどのように行われたのでしょうか?

 搬入はビルのガラスをはめ込む前に行いました。低床のトレーラーを使い、同じ日に3社の工場からそれぞれ搬出し、深夜にビルへ運び入れています。各社とも、車体をクッション材でくるんでくれるなど、輸送にはとても神経を使ってくれました。

――この電車をどう活用していきたいですか?

 池袋の新名所になってほしいと思っています。ビル1階はカフェスペースになるので、電車を見ながらコーヒーも飲めます。

Large 20170721 01 Large 20170721 02 Large 20170721 03
     
東急7700系。現役時代はLEDの行先表示器だったが、方向幕式に作り替えてもらったという。入館は2017年8月10日から可能(画像:文英土地建物)。
「こんなところに電車?」と目を留める人も(2017年7月、乗りものニュース編集部撮影)。
3台の電車は池袋駅東口にオープンする「藤久ビル東5号館」で見られる(国土地理院の地図を加工)。

※ ※ ※

 ちなみに後藤さんは雑誌『鉄道ファン』(交友社)の元編集者で、かつて西武線を走ったE851形電気機関車の写真集『西武の赤い電機』(交友社)の著者でもあります。

 この「藤久ビル東5号館」の地下1階から地上2階までは、書籍や文具を取り扱う丸善池袋店とカフェが入居し、8月10日(木)にオープンする予定です。

【了】

この記事の画像をもっと見る(9枚)

最新記事

コメント

7件のコメント

  1. 何とスケールのでかい趣味だ!電車が趣味とは言え発想も凄い!

  2. たしかに黄色と赤色は目立つな。貫通扉を除けば形状もそっくりだからなんとなくユーモラス。

    京急800が急行の幕を出してるのがちょっとアクセントか。地震でぱたーんと倒れないようにしてください

    • そっくりか?あまり似てない。同じ西武でも3ドアの旧式非貫通型のほうがよりそっくり・・・ってもう現車西武にはないか。

    • 貫通扉の有無は無視してください。そのように書いていますのでその前提でどうぞ。

  3. 思いの強いオーナーさんとそれに最大限答えてくれた鉄道会社。いい話だなぁ…

  4. 西武と京急を並べ東武を外して東急を持ってくる

    このビルの経営者さん、箱根山とか分かってますねぇ。

    今度は東急7700の横に小田急の車両か国際興業バスでも置いてくださいよ。

    • 小田急ですか。当面廃車予定はロマンスカー7000形のみ(しかも来年4月以降)、通勤電車は望み薄かな・・・(1000形ワイドドアは近代化改装リストから外れているので、今のところ通勤電車で廃車可能性が最も高いが、数年間はたぶん無理)

      箱根登山鉄道ならまだ可能性ありますけど。