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円高ドル安が進んでいます。年末に150円だったドル円相場は執筆時点で127円台に突入しています。そして、ビットコインも上昇し19,500ドル前後となっています。
今回は円高が進む背景、そしてビットコインが今後どのようになっていくのかを初心者の方にもわかりやすく解説します。
なぜ円高が進むのか
現在進んでいる円高ドル安の背景は、2つの側面があると考えられます。一つは日米の金利差。もう一つはアメリカの景気後退懸念です。
日米の金利差についてはすでに表面化してきており、アメリカが金利を下げる期待が高まっていることと、日本が金利を上げる懸念が高まっていることが要因となっています。
アメリカでは12日に発表されたCPIで6.5%となり、大幅にインフレ率が低下しました。
米CPIは6.5%でビットコイン上昇。次はGDP発表が要注目のワケ
対する日本はインフレ率が下落方向へは向かっておりません。他国ほどひどいインフレにはなっていないものの、インフレが収まる兆しがまだ見えていないため、今後さらに金利が上昇していくのではないかと見られています。
とても簡単に言ってしまえば、金利は高い方がその通貨の人気が出るため、今まではアメリカが高金利方向へ進み、日本が低金利を維持していたので円安方向へ進んでいましたが、これが逆方向へ向かったため、円高方向へ進み出した、ということです。
そして、2つめの理由としてはアメリカの景気後退懸念が挙げられます。アメリカはインフレ率を下げるために金融引き締め政策を取りました。その結果、見事インフレ率が減速しだしましたが、今度はどれに伴う景気後退が始まりかけています。
市場から紙幣を減らしたり、金利を上げて投資・消費意欲を下げることで経済は冷え込みます。アメリカの失業率やGDPではまだその証拠が見えてはいないものの、その他の経済指標ではすでに景気悪化の指標が多く出てしまっています。
そのため、そんな景気後退が起きるかもしれないアメリカの発行するドルよりも他の金融資産に逃しておく方がいいと考える人たちが増えて、ドルが売られるということが増えているのです。ゴールドはここのところ続伸しています。
ビットコインも続伸
そして、その恩恵などもありビットコインも続伸しています。ビットコインだけでなく仮想通貨(暗号資産)市場全体が伸びており、現在は19500ドル前後になっています。
これは、上記2つのうち特に前者の要因の一つであるアメリカの金利低下期待が続くうちは続く可能性が高いと思われます。ビットコインは金利上昇などの影響を強く受けていたため、その金利上昇が終わる期待が出るとともに上昇し始めました。
そのため、円高が急に進むのと同じ時期にビットコインも伸びて来ました。しかし、ビットコインが今後景気後退が本格化した際にどのような動きになるかはわかりません。
ここ数日は大きく価格を伸ばしていますが、長期的にはダウと似たような動きをしている期間も多いため、景気後退によって米国株式市場がダメージを受けた場合にはビットコインを始めとした仮想通貨市場もダメージを受ける可能性があるでしょう。
しかし、それでもそこまでにビットコインに対しデジタルゴールドとしての見方が強まっていれば、もしダメージを受けたとしてもその後ビットコインは安全資産として見られ、買いが進む可能性も考えられます。
いつまで円高とビットコイン高は続く?
アメリカの金利の低下期待が続くうちはビットコイン高が続くと思われます。そして、日本の金利上昇懸念が続くうちは円高も続くことになるでしょう。しかし、実際にアメリカの金利が下がりだし、ビットコイン価格・ゴールド価格・株式市場・コモディティ市場が上昇し出すと、今度はインフレ懸念が生じることになり、次に待っているのは金利上昇懸念です。
そうなればこの流れは終わることになるでしょう。そのため、上昇とともにインフレ懸念がいつ発生するのかが次の焦点になってくると思われます。その一つの指標としては原油価格がどのように推移するかです。
まだ原油価格は低い価格を維持していますが、これが金利低下期待で上がってくるようなら要注意です。原油価格の上昇はインフレを引き起こしかねないからです。
ちなみに、日本ではまだ金利は低水準なのでアメリカのような景気後退の話は出て来ていませんが、もし今後インフレが止まらず金利を上昇させなければならなくなった場合には、アメリカと同様にインフレ撃退のための金利上昇と、景気後退のための金利低下、そしてインフレ再燃の懸念に悩まされることになると思われます。
その時には円高方面ではなく今度はまた円安に向かっていくでしょう。その辺りまではメインシナリオの一つとして存在すると思われます。
※当記事は市場を分析した結果を示しています。投資を勧めるものではありません。
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