なんと5年ぶりのアップデート
色々なプレゼンに汎用的に使えるテンプレートがほしいなと思って、Keynote・Googleスライド用のテンプレート「Azusa 3」を作った。無料で誰でもダウンロードできます。
プレゼンつってもイベントも開催しづらいこんな時になぜ作ったのかは最後に書きます。
おぼえていますか
Azusaは、大体いい感じのスライドを作るためのテンプレート。
KeynoteテンプレートのAzusaは2014年、アップデート版のAzusa Colorsは2015年にそれぞれ作った。Azusaは「こんなのあったらスライド作成に便利かな」位の軽い気持ちで公開したが、さまざまなカンファレンスや勉強会等で、自分の予想を超えて多くの方に使っていただけた。
しかしさすがにリリースから長い時間が過ぎ、作り直したい箇所も増えてきた。この間に、スライド比率はワイドスクリーンがデフォルトでいいんじゃない、といった例のように時代の風潮も変化してきたし、自分としてもこれとかこれとか「テンプレート的なもの」を足掛け10年作り続けてきた。こうした色々な要因で機運が高まり、かつ公開の目処もついたことからリリースすることにした。
名前変えようか悩んだけど、Azusaを変えるとAzusaでなくなると思って恐縮ながらそのままにした。
マルチに使えるテンプレがほしい
この手のスライドテンプレートにありがちな困り事は「使いどころが限定的すぎる」ことだったりする。正月テーマみたいな季節モノとか(正月にプレゼンする?)。ジャンル問わず様々なプレゼンにマルチに使えるものが結局使い勝手がよいのだろう、という仮説でAzusa 3は制作した。
Azusa 3みどころ
ダーク/ライトのカラーバリエーション
Azusa Colors では8色まで増やしたカラバリだが、Azusa 3では「ダーク」「ライト」の2パターンまで減らした。これは、カラバリをスタンダードなものに絞るかわりにレイアウトのパターンを増やしたからだ。もし8色のままレイアウトを増やせばパターンが肥大化してしまい、現実的でなかった。また、Azusa Colorsユーザーの利用状況の観測から、多くの方がデフォルトの色(緑)を使っていたことも一因にある。
新しく増やしたレイアウトには、「ソースコード」レイアウトの別バージョンや、「引用」「ファクト」「画像との横並び」などを含み、レイアウトは全15種類になった。
Googleスライド・Keynote対応
今回からGoogleスライドとKeynoteのマルチプラットフォーム(?)に対応した。つまりこれからはWindowsでもAzusaを使えます。
Googleスライドは他のプレゼンアプリと比べても全く遜色ない使い勝手だし、資料を公開・共有するのも非常に簡単。あと無料。さらにOS問わず使えるから、これまでKeynote用だけしかなかったAzusaを補完する意味でも適していた。テーマの仕様がGoogleスライドとKeynoteで違うため完全に移植できているとは言えないが、出来る限り両バージョンの印象を揃えてある。
Googleスライド版の見どころ
Googleスライドはテーマ自体にカラースキームの情報が入っている。だから、文字色などを変更するときはカラーパレットからテーマに即した色をすばやく選ぶことが可能だ。
このようにパレット内に「テーマ」欄が用意されているので、そこからアクセントカラーを呼び出して使う。
アクセントカラーはダーク用3色、ライト用の3色がある(明度の高いほうがダーク用)。トピックの見出し等に文字通りアクセントとして使うと吉です。
Keynote版の見どころ
つい先日macで利用可能になったフォントのFounders Groteskをさっそくスライドの見出しに採用している。
ちなみに Founders Grotesk には本文書体用に Founders Grotesk Text もバンドルされている。Azusaの本文では採用を見送ったが、かなりかわいいのでお試しあれ。
告知サイト
告知サイトは、Gatsby + Firebase Hosting です。
Gatsbyはチュートリアル通り作るだけで、Lighthouseで満点近いスコアを出せる。高速なサイトを高速に作れた。
なぜスライドテンプレートなのか
ここからはAzusa 3制作の個人的な理由を書く。
春の陽気の中、あらゆる人々が家でひたすら過ごしているこの未曾有の事態に対して、自分にできることは何だろうかと考える余裕が徐々に生まれてきたからだった。幸い時間だけはたっぷりある。
僕にとって本当に残念だったのは、イベントごとが軒並み開催中止になったことだ*1。自分もイベント運営者になった経験があるので、イベントのたった当日数時間のために何ヶ月も前から計画してきた準備が白紙になるやりきれなさは分かっているつもりだ。
だが、代わりにオンラインイベントにしようとか、次のイベントは最初からオンライン前提で計画しようとか、そういった切り替えが各所で現れるのも感じていた。Azusaがよく使われるテック系勉強会でもオンライン開催が増えつつある。そうしたイベントに少しでも支援になればと思い、Azusa 3は敢えていまのタイミングで作ることにした。
ということでご利用ください。
*1:個人的には楽しみだったノンシュガー単独ライブが中止になって悲しすぎた