株式会社太平洋クラブは1971年創業のゴルフ場運営会社です。総会員数が約1万9千人という国内有数規模のゴルフクラブを有し、会員主体の運営で全国各地のコースを提供しています。
同社営業企画部の磯部氏は、「問い合わせ内容を確認できない」という緊急事態に直面しました。Webサイトのフォームが不具合を起こし、メールの通知が届かない事象が多発。問い合わせの自動記録・管理も行っていなかったため、為す術がありませんでした。
「資料請求や問い合わせの対応漏れは、数十万円規模の大きな機会損失でした」磯部氏は語ります。従来の受付システムを省みたうえで何故Tayoriを選んだのか、選定ポイントや活用方法を伺いました。
【目次】
——御社の事業内容について教えてください。
太平洋クラブはゴルフ場やゴルフアカデミーを運営している会社です。ゴルフ場は国内に18コースあり、クラブの会員権をご購入いただくことで国内すべてのコースをご利用いただけます。また、海外トップクラスのクラブとも多数提携しており、会員権一つで世界各地のコースを楽しめるのも大きな特徴です。
毎年11月には男子プロゴルフの大会「三井住友VISA太平洋マスターズ」を開催しており、会場となる御殿場コースは、一度は行ってみたいゴルフ場として名前を挙げていただくことも多い特に人気のコースです。
——磯部さんが所属している営業企画部について教えてください。
営業企画部は計8名の部署になり、主に二つのチームに分かれています。一つはトーナメントの運営を担当するチームで、年間を通じてさまざまな大会を企画・運営しています。もう一つはプロモーションを担当するチームで、広報やWebサイトの運営などを行っています。Tayoriの導入はプロモーションチームが進めました。
ただ、お客様からの問い合わせは会員営業部という別の部署が対応しています。プロモーション活動で見込み客を集め、資料請求や問い合わせから新規会員獲得に繋げるアプローチを取っています。
「問い合わせ1件10万円」未記録の受付が孕む、大きな損失リスク
——Tayori導入の背景にあった「課題」を教えてください。
単純かつ深刻な問題ですが、問い合わせフォームで使用していたCGI(※)に不具合が起き、「問い合わせの通知が届かない」「内容を確認できない」という緊急事態が発生したためです。共用のメールアドレスに問い合わせの通知が届き、そこから内容を確認できるのですが、通知がランダムで欠落する事象が多発しました。
※…Common Gateway Interface。Webサーバがプログラムを実行する仕組みの一つ。
使用していたCGIはフリーで配布されていたもので、10年以上前に組み込まれた年代物です。不具合の原因特定が難しく、通知先のメールアドレスを複数設定するなどしても解決しませんでした。また、外部からのスパム攻撃も度々起きており、受信箱がスパムメールで埋め尽くされるなどセキュリティ面も前々から課題でした。
不具合が起きたことにより、問い合わせの自動記録や管理を怠っていたリスクが一気に露呈したといえます。解決策の要件として、データの確実な記録と管理、CSVファイルでのエクスポートなどが挙げられ、要件を満たすにはクラウド型ツールを導入するのが最適だと判断しました。
——営業の機会損失に直結する重大な問題ですね。
仰る通り、資料請求や問い合わせは新規会員獲得へと繋がる重要なコンバージョンです。対応漏れ一件でも大きな損失といえます。
太平洋クラブの会員権は一口数百万円と高価格で、プロモーション活動の広告宣伝費を考慮すると、CPL(コストパーリード=見込み客獲得単価)は数万円〜10万円近くになります。各メンバーの営業成績にも影響するため、一刻も早く解決しなければならない緊急度の高い問題でした。
——Tayoriを選んだ「決め手」はなんですか?
決め手は「使いやすさ」です。問い合わせ対応にあたるメンバーが営業になるため、できるだけ簡単に操作できるツールを求めていました。ゴルフコンペなどのイベントを開催することも多く、申込フォームをサクサクと作れてとても便利です。
数社のツールを実際に触り、最終的にTayoriが一番使いやすいと感じました。また、プレスリリースの配信でPR TIMESを長年使用しており、PR TIMESのサービスなら問題ないだろうという信頼感もありましたね。
誰でも使える間口の広さこそ“定着”のカギになる
——Tayori導入後の活用方法について教えてください。
はじめは営業企画部でフォームを作成し、関係者に操作方法を軽くレクチャーしました。推進自体はほとんどそれだけで、後は各自が積極的に利用しています。学習コストが非常に低く、ITに明るくないメンバーもすぐに使いこなせており大変助かっています。
また、フォームのQRコードを作成しチラシなどの販促物に載せるといった工夫も自発的に行っています。ツールの使いやすさが利用ハードルを下げ、定着を後押しするのだと実感しました。
——ビジネスの性質上、会員の多くがシニア層だと思います。Tayoriは問題なく利用できていますか?
確かに会員の大半は50〜70代になりますが、Tayoriは全く問題なく利用できています。シニア層といえどほとんどの方がスマホをお持ちなので、Webサイト同様、フォームもスマホでの操作性が重要です。Tayoriならデバイス毎に自動で表示が最適化され、利便性が高いと感じます。
10年前であればイベントの申込方法は紙や電話が主流でしたが、今ではフォームのQRコードをスマホでスキャンして申し込みいただくのが当たり前になり、申込受付を大幅に効率化できるようになりました。
数十万円規模の損失防止、コミュニティ施策でアンケートも活用
——Tayoriの成果はいかがですか?
脆弱なCGIから最新のクラウド型ツールへ移行するのが第一義だったため、その点は100%クリアでき、問い合わせの対応漏れゼロを実現しています。対応が数件漏れるだけでも数十万円規模の機会損失(CPL換算)に繋がるため、防止効果はとても大きいです。
Tayoriの使いやすさは顧客対応にあたる営業にも好評で、以前よりも効率的に業務を進められています。データの記録・管理も確実に行えて、とても安心感がありますね。収集したデータをCSVでエクスポートし、新しいプロモーション施策に向けての分析などにも活用できています。
——アンケート機能も使われていますが、どういう用途で活用されていますか?
最近だと新たに発足した会員交流委員会で、会員同士の交流を促すアイデアを募るためにアンケートを実施しました。会員の意見を集め、クラブ運営に反映させようという試みです。
太平洋クラブは総会員数が約1万9千人にも及ぶ大所帯で、会員で構成される理事会や委員会などもあります。会員による自治的な運営が長年受け継がれており、ゴルフコンペなど会員同士の親睦を深めるイベントが定期的に開催されています。
ゴルフを通じた交流には独特な濃さがあり、クラブはそういった特別な交流体験を提供するコミュニティといえます。会員同士の繋がりを中長期で深めていく運営がとても重要になるため、今後も定期的にアンケートを活用したいと思います。
——最後にTayoriの総括コメントをお願いします。
Tayoriはなによりも操作が簡単で、すぐに利用が定着しました。カレンダーによる日付入力や誤入力のエラー表示、セキュリティ対策など、欲しいフォーム機能が十分に備わっており満足しています。
自前で受付システムを作るよりも、Tayoriのような利便性の高いツールを利用したほうが顧客・事業者どちらも満足度が上がりやすいと感じました。今後もさらにクラウド型ツールが普及していくと思いますが、問い合わせ受付に限らず、その他業務も柔軟にツールを導入していきたいと思っています。
株式会社太平洋クラブ
営業企画部 スペシャリスト(専門職)
磯部 吉晃氏
2005年、太平洋クラブに入社(業務統括部)。2014年、マルハン傘下になり部署名変更(営業企画部)。2023年、同部の担当部長からスペシャリストに肩書変更(スペシャリストの意味合いは「プロモーション活動」におけるスペシャリスト)。