先日のCDですが、実は2枚組で50曲以上も収録されているという罠。
覚えている曲に全部ひっかかっているととんでもないことになってしまいます。 先日のエントリーが1枚目で、今回は2枚目。 こっちのほうが好きな歌が多いので、えらいことになりそうな予感。 ▼トレロ カモミロ♪ 初出OA:1970年2月 > その名たかき トレロ・カモミロ > 男の中の男だけど > トレロ・カモミロ とてもねぼすけ > 戦いよりも ひるねが好き この歌、ものすごく好きでした。 もともと日本で「闘牛士=ヒーローの代名詞」というイメージがあるわけでもないと思いますが、メリメ/ビゼーの『カルメン』や、ヘミングウェイの『陽はまた昇る』などでの闘牛士の位置づけが違和感なく受け入れられるのは、ある世代にとってはこの曲の功績が大きいのではないかと勝手に思っているくらいです。 ところで話はかわりますが。 数学の授業で必要条件と十分条件というやつを習ったことがあると思います。 「とてもねぼすけ」だからといって必ずしも「男の中の男」ではない。 みんないいかー、ここ試験に出るからなー(人生の) ▼恋するニワトリ♪ 初出OA:1985年2月 > ココ コココ ココ ココ > コココ 恋は恋は恋 この曲は、みんなの歌よりもむしろ ところで、この曲の出だしの、 > 晴れた朝のニワトリは > 元気がないのゴメンナサイ この部分が少し、小林明子の『恋におちて』に似ていると思うのですがどうでしょう。 いや、どうでもいいですね。はい。 ▼リンゴの森の子猫たち♪ 初出OA:1983年6月 アニメ「スプーンおばさん」のエンディングテーマ。 NHKがよくやる「自局番組のみんなのうたタイアップキャンペーン」のひとつ。 僕はこのアニメをみていたのでよく覚えていますが、あまり「みんなのうた」の曲という印象はないですね。 ハモリの部分が特に楽しく、とても好きな曲でした。 キーが高すぎて子供の頃でも全然歌えませんでしたけど。 ▼一円玉の旅がらす♪ この曲の初出OAが1990年2月。 消費税導入が1989年4月。 まあ、それだけです。 けっこう歳いってたはずなのですが、なぜか見ていて覚えてますねこの曲。 そんなに良い曲とは思わないんですけどねー…。 ▼メトロポリタン美術館♪ 初出OA:1984年4月 夜の美術館というのは、もうそれだけで肝試しの格好の舞台にでもなりそうな場所です。 > 大理石の 台の上で > 天使の像 ささやいた > 夜になると ここは冷える > 君の服を かしてくれる? 平面的な大理石の天使像の頭が動き出すアニメーションのせいもあって、この歌はかなり怖かった記憶があります。 ところで、以前紹介したサイトもそうでしたが、恐怖感は人間を対象にのめりこませてくれる重要な要素です。恐怖というのはけっこうむきだしの感情なので、これをうっかり感じてしまうと、そこから始まる物語に距離を置いてながめることができなくなります。 小説の基本プロットに伝統的にホラーやミステリーが使われるのもこのためですし、童話の多くが怖い話なのも同じ理由でしょう。 > > メトロポリタン > 赤い靴下でよければ 片っぽあげる 子供というのはただでさえ恐がりなものですし、恐怖の中にあると本能的に救いを求めるものなので、最初の恐怖のあとに続くこのユーモラスな展開に、当然のように心を奪われてしまうわけで。 このあとも「ファラオの五千年の眠り」だとか、死を連想させるモチーフが顔をのぞかせながらも、冷たい無機物だと思っていた美術品は妙にフレンドリーだし、曲調もなんだか明るいので、ますます心が軽くなり、 > バイオリンのケース トランペットのケース > トランクがわりにして 出発だ! このあたりになると、ほとんどわくわくした気分になります。 (いま聴いてもこの部分は本当に良いです) ところが、そうやって油断しきったところに、 > > メトロポリタン > 大好きな 絵の中に とじこめられた このオチです。 もう、たまらないですね。 ▼ビューティフルネーム♪ 初出OA:1979年4月 言わずと知れたゴダイゴの名曲。 僕は子供の頃家にあったLPでさんざん聴いた覚えがあります。 でもこれ、友人某がカラオケに行くと必ず入れるので、なんかしょっちゅう聴いている気がします。 ▼小さな木の実♪(「美しいパースの娘」から) 初出OA:1971年10月 > ちいさな手のひらに ひとつ > 古ぼけた木の実 にぎりしめ > ちいさなあしあとが ひとつ > 草原の中を 駆けてゆく これも非常に有名な歌です。 僕の場合、自分の母親が食器を洗うときにしばしば歌っていたせいで刷り込みがかかってます。 歌詞も非常に劇的で、とても良い曲です。 数年前に林檎閣下もお歌いになっていらっしゃいましたが。 ちなみに、原曲であるビゼーの「美しいパースの娘」ですが、僕はこれまで全曲盤を見かけたことがありません(アリア一曲のみやたらに有名なビゼーのオペラ「真珠取り」のケースからすると、全体としては気が遠くなるほど退屈な曲の恐れがあますが…)。 ▼ラジャ・マハラジャー♪ 初出OA:1971年10月 > 印度の子供が なりたいものは > ラジャ ラジャ マハラジャー 不協和な低音に乗って勢い良く始まる耳慣れないメロディと、インドという子供には文化的にあまりなじみのない世界、それに平面的でちょっと怖い影絵のアニメーション、と、この曲には妙におびえたものでした。 でも「メトロポリタン美術館」もそうですが、怖くて印象の強い歌というのは、深く記憶に残るものです。 > 夢からさめない 薬をのんで > 千年長生きするそうな 今なら意図的に死を連想させていることがわかるのですが、当時はこの歌詞にただただ得体の知れない恐怖を感じた覚えがあります。 オリジナルの音源は戸川純。 これ以上この曲にハマる人はいないと思われる人選です。 残念ながらこれもカバーですが、やっぱり戸川純が歌うからこその「ラジャ・マハラジャー」かと思います。 ▼マヌエロ♪ 初出OA:1972年10月 > だれかないかあのヤロメをたおす勇者は > そのなは マヌエーロ > あたまに ソンブレーロ > ただひとりチョコラマカラ進むのは > マヌ エ エ ロ チビのこぞう 小学校の給食の時間に「お昼の放送」というのがあり、そのときにしょっちゅうかかっていた記憶があります。 全然関係ありませんが、イタリアの作曲家プッチーニのオペラ「西部の娘」を聴くと、意味もなく山賊のイメージとしてこの「マヌエロ」に登場する「マノロ」を思い浮かべてしまって困ります。(本当に関係ないですね…) ちなみに、「マヌエロ」の作曲者パガーノは「トレロ・カモミロ」「黒猫のタンゴ」の作曲者でもあるそうです。 そういえばなんでこのCDには「黒猫のタンゴ」が入ってないんだろうなあ。 ▼くまのぬいぐるみ♪ 初出OA:1987年10月 持ちぬしの子供が大きくなり、ぬいぐるみ離れをするときがやってきて、子供を見守ってきたくまのぬいぐるみがその心中をモノローグで語る、という曲。ぬいぐるみ版「大きな古時計」という感じでしょうか。 > 君はぼくをよくかんだ > そしてほおり投げもした > なのに泣き虫の君は > いつも死ぬほど抱きしめた > 少し淋しくて ちょっと悲しくて > とてもうれしいよ えーと。ベタですがこういうベタには誰しも弱いものですよね? あと、聴き直してみて曲調がドラクエ風だなんてことは、ほんのちょっとしか考えませんでしたよ。 ▼ふりむけばカエル♪ 初出OA:1987年4月 作詞:糸井重里 作曲:矢野顕子 編曲:坂本龍一、矢野顕子 歌:矢野顕子 という、キャストの時点である意味勝ちみたいな曲。 YMO好きの人にとっては、実は「みんなのうた」は宝の山なのかもしれません。 > 「どうにかなるさ」と声がして > ふりむけばカエル その声はカエル > カエルに言われちゃ しょうがない > カエルに言われちゃ 笑っちゃう シュールでアイロニーのある、とてもセンスのいい曲と歌詞なのですが、矢野顕子本人が歌わないと、そのへんはどうもうまく伝わりませんね。 ちょっとしたドラッグソングなので、子供の頃はしばらくサビの部分ばかり繰り返し口ずさんでいた覚えがあります。 というわけで、ムリヤリ後半を一回のエントリーに入れてみましたが…。 やっぱり歳とると思い出話が長くなるのか。
by tatsuki-s
| 2004-04-21 00:39
| Talking(よもやまばなし)
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