人気ブログランキング | 話題のタグを見る

飲酒日記

スキー&スノーボード2004-2005

巷に雨の降るごとく

昨日は昼頃から雨が降りだしました。
ひさびさに湿ったアスファルトから立ちのぼるあの独特の匂いをかいだような気がしました。

こういう匂いをかぐと、しつこくスキーに行ったりして冬にしがみついていた僕の頭も、ようやく季節の変化を受け入れざるをえないわけです(遅すぎ)

それにしても、どうも子供の頃から、特に「夏の夕立の匂い」という印象のあるあの匂い、冬でも雨が降ると少しはしてくるのですが、基本的には冬より夏、寒い日より暖かい日のほうが強い気がします。

これは、あながち気のせいでもないようです。

 1. 温度が高いと匂いの分子の動きが活発になる
 2. 匂いの分子は粘液に溶けて嗅細胞の感覚毛を刺激するので、湿度が高く水分が豊富なときは匂いを感じやすい

水は基本的に無味無臭なので、あの匂いの正体は単純にアスファルト自体のものです。
熱したアスファルトからは、ベンゼン、トルエン、硫化水素、二酸化硫黄、芳香族カルボニルなどの芳香物質が微量に揮発しますが、これも当然温度が高くなればなるほど揮発量は増していきます。

温度が高いと分子が活発になり、匂いの分子もどんどん拡散していくので、晴れているときはアスファルトが激しく焼けていてもあまりあの匂いがすることはありませんが、そこに雨が降ると一気にこの匂いが鼻に届くというわけです。降り始めてからしばらく経つと、匂いの成分が流されてしまうので、降りはじめが一番強い匂いがするということになります。

ちなみに、上記の成分ですが、

ベンゼン:ガソリンや排気ガスに含まれる
トルエン:いわずと知れたシンナー。溶剤とか接着剤の匂い
硫化水素:温泉の匂い、ゆで卵をむいたときの匂い
二酸化硫黄:火山の噴火口や温泉の匂い
芳香族カルボニル:魚介類の「やけ臭」

ベンゼンやトルエンは芳香族炭化水素(aromatic hydrocarbon)と呼ばれるベンゼン環をもつ分子族で呼称はアロマテラピーのアロマと一緒。

硫化水素や二酸化硫黄は有毒。ちなみに一定以上の危険な濃度に達すると、逆に匂いがしなくなるそうです。

こうしてみるとなんだかあまり良い匂いとも思えませんが、ワインとかコーヒーの香りのなかには「猫のオシッコ」とか「腐った魚」とかそんな匂いが混ざっていたりするわけですから。あと「濡れた地面」ってのも。。

でも、いわゆる「濡れた地面の匂い」ってのは「濡れたアスファルトの匂い」じゃなくてむしろこういうのを指すものと思われますが、個人的には、あの「濡れたアスファルトの匂い」が、子供の頃の夏休みやら夕立の直前のわくわくする感じをフラッシュバックさせてくれるので好きです。


たぶんケミカルフェチとかではありません。
by tatsuki-s | 2004-04-15 13:19 | Talking(よもやまばなし)
<< 時には昔の話を 超カリフォルニア州知事(「超」... >>


跡地
by Tatsuki-s