(今こそ、40歳代のお父さん、お母さんが子供のために議論を尽くすべき時期だ)

よく「戦争はダメ」という人がいる。やや女性に多いけれど、男性でもどちらかというとインテリ層に目立つような気がする。でも「戦争が良い」と言っている日本人はいるだろうか?

私の感じでは、日本人の99%は「戦争はダメ」としていると思う。でも自衛隊は日本人の70%以上が「必要だ」というだろう。自衛隊は戦争のための組織だから、自衛隊が良くて戦争がダメというのは矛盾している。

そんな無責任で矛盾したことを言い続けている人の一人に「村山首相」がいる。社会党の党首だったが自民党と組んで政権を取って首相になり、シーレーンの防衛を主張した。今の集団的自衛権よりずっと「軍事より」である。その人が日本の戦争責任を認めるという間違った談話を出し、今でもそれを主張している。

日本は「平和憲法」、「自衛隊」、「アメリカ軍との集団的自衛」の3本の柱でやってきた。それぞれ矛盾はするし、私自身の考えとは少し違うが、それでも60年間の間、日本人が選択してきたのだから、それを尊重しなければならない。

「平和憲法」というのは簡単に言うと「戦争はダメ」で、それは合意している。「自衛隊」は「それでも自衛のための軍隊は仕方が無い」ということだ。国民もやや辛いけれど、あまり歓迎されない状態で厳しい任務をしてきた自衛隊の方には申し訳ない状態だ。さらに「アメリカ軍」は「集団的自衛」である。

日本では「戦争は絶対ダメ」、「自衛の軍隊はOK」、「集団的自衛権」の3つはすでに国民の合意が60年も続いている。今更、集団的自衛権がないというなら、アメリカ軍に言って(アメリカ軍がそれを聞くかどうか、日本が独立国かどうかは別にして)出て行ってもらうしかない。

アメリカ軍が出て行けばオスプレイのない沖縄は尖閣列島を失い、石垣島も危ない。でも、それも含めて日本人が独自に判断すべきことで、それに比べれば、現在の集団的自衛権の問題はこれらの大問題に比べれば小さい。今の憲法改正議論は、日本列島はアメリカ軍との集団的自衛権で守るが、遠いところは日本は日本に関係があっても協力しないということで、ややわがままな感じがする。

私は個人的には憲法を改正するのを支持するが、日本人の多くが、「平和を求めるが、自衛の軍隊と、必要な集団的自衛(軍事同盟)は認める」ということであり、それが「現状」で、「戦後60年、日本人が合意してきたこと」という「事実」は皆で合意できると思う。

事実を合意できなければ、その後、「現状をどうするか」という議論に進む方法はない。

(平成27625日)