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2019年12月11日(水)
きょうの潮流
とにかく熱い。そして温かい。弁護士の福山和人さんの訴えです。広範な市民に推され来年2月の京都市長選に出馬表明し市内を駆けます▼子どもの非行で相談にきた父親のネクタイはボロボロ。自分の服装より子育てに必死でした。「早(はよ)う死にたい」とおばあちゃん。夫を早く亡くし女一人で子育て。「老後をゆっくり送れるかな」という時に毎月大赤字です。病院代や施設利用費などで25万円もかかるからです▼「京都市が何かしてくれたか」「この国は高齢者のみなさんに、いつからこんなに冷たい国になったんや」。福山さんは言葉をつまらせます。「政治は一生懸命生活している99%の市民のためにあるべきやないですか」▼市民に冷たいのが自民党主導の門川市政です。子どもの医療費助成は全国最低レベル、全国では当たり前になっている全員制中学校給食に背を向け、介護保険の窓口業務で頑張る職員を雇い止め、市職員の大幅削減を自慢し公的責任を投げ捨てる。ホテルラッシュによる観光公害と街壊し▼「われわれ市民の手に市政を取り戻そうやないですか」と福山さんは「夢」「生業(なりわい)」「まち」「未来」「人」をつなぐ五つの基本政策を掲げました。市民の声と運動に根ざしたもの▼全員制の中学校給食、地元密着型の公共事業の推進、ホテルや民泊の総量規制など。例えば子どもの医療費の中学校卒業までの無料化に必要なお金は8億円。市の一般会計予算のわずか0・1%です。問われているのは財源ではなくてやる気です。