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2020年7月23日(木)
きょうの潮流
「黒髪は女の命」。日本ではそんな風潮がいまだに根強い。メディアがあおったり、伝統であるかのように主張したり…。それに苦しめられ傷つけられている子どもたちがいるのに▼生まれつき髪の毛が茶色いにもかかわらず教員から黒く染めるよう強要された―。精神的な苦痛を受けて不登校になったとして、3年前に女子高生が起こした裁判。それがきっかけになり校則の調査や見直しを求める運動がひろがりました▼いまツーブロックと呼ばれる髪形が話題になっています。長さが異なる部分が二つあり、段差ができるようなスタイル。美容師によると涼しくて男性の多くが注文するそうです。それを校則で禁止している都立高があると、共産党の池川友一都議が議会でとりあげました▼動画再生が620万をこえた理由は都教育長の驚きの答弁にありました。「外見などが原因で事件や事故にあう」場合があるから。これに批判が殺到。タレントのIMALU(イマル)さんは「ツーブロックはダメじゃなくて、髪の毛で人を判断するなと教えてくれる学校に行きたいよね」▼髪の毛だけではありません。服装やカバン、持ち物、下着の色まで。こと細かく説明もつかない規則や指導が子どもたちの人権を奪い、縛っている現実。規則が厳しい学校ほどいじめが多いとの調査結果もあります▼「理不尽に慣れる力よりも、理不尽を変える力こそ必要」。『ブラック校則』の著者でもある荻上チキさんは呼びかけます。より良い社会をつくっていくためにも。