水俣病、公式確認から63年 慰霊祭で全犠牲者に祈り
奥正光
【動画】水俣病の患者団体「水俣病互助会」による慰霊祭
水俣病は1日、公式確認から63年を迎えた。熊本県水俣市では患者団体主催の慰霊祭が営まれ、犠牲となったすべての命に祈りを捧げた。新天皇即位に伴い、患者団体などでつくる実行委や市が毎年営む慰霊式は10月19日に変更。水俣湾埋め立て地にある慰霊の碑前に献花台が置かれ、市民らが手を合わせ花を手向けた。
患者団体「水俣病互助会」(上村好男会長)による慰霊祭は、犠牲者らをまつる水俣市袋の「乙女塚」であり、約120人が参列した。かつて原因企業チッソの株主総会で患者らが響かせた「御詠歌(ごえいか)」を歌い、犠牲者の鎮魂を祈った。
上村会長は取材に「尊い命を失った多くの方の思いも一緒に今日までこうして闘ってきた。まだ救済されていない方がおられるので、その方たちのためにも、がんばらねば」と話した。胎児性患者の坂本しのぶさん(62)は「時代が変わって水俣病が治ればいいけど、だんだん悪くなっていくのを思えば、くやしい」と語った。
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