ヘイト乗り越え ウトロの歩み伝える拠点 京都・宇治に30日開館
小西良昭
【動画】京都・宇治市に「ウトロ平和祈念館」がオープン=小西良昭撮影
戦時中、飛行場建設に集められた朝鮮人労働者らが暮らした京都府宇治市のウトロ地区に30日、「ウトロ平和祈念館」が開館する。地区の歩みを伝えるとともに、地域に開かれた出会いと交流の拠点をめざす。運営するウトロ民間基金財団の金秀煥(キムスファン)理事(46)は「ヘイト(憎悪)を乗り越え、人権の大切さを共にできる場に」と期待している。
ウトロ地区には戦時中、国策の飛行場建設のため、集められた朝鮮人労働者らの宿舎ができた。劣悪な生活を迫られ、「飯場(はんば)」と呼ばれた。戦後には子孫らが住み、在日コリアンのコミュニティーとなった。
だが、地権者が土地の明け渡しを求める訴訟を起こし、2000年に住民側の敗訴が確定。立ち退きを迫られた住民側は、市民の募金や、韓国の政府、財団の支援などで土地の一部を買い取った。地区には現在、約60世帯、100人が暮らす。国と府、市が整備する公的住宅2期棟が来春完成すれば、希望する全員が入居できる。宿舎はすべて、昨年までに解体された。
祈念館は、住民側が買い取っ…