新連載スタートします!
どうぞよろしくお願いいたします。

【本編】
1


私はクミ
パートをしながら保育園に
4歳の息子ヒロを通わせている

保育園に通わせてもう3年

毎年この寒い時期になると
いつもより気をつけなくて
いけないのは子どもの体調だ

私「37.8度……今日も保育園
おやすみしようか…」

寝る前は元気でもすぐ熱が出て
みるみる体調を崩してしまう

少しうるんだ瞳で
私を見てコクリと頷く息子
体温よりも身体が熱く感じる
きっとこれから熱は
上がってくるだろう

急いで冷えピタを貼る私に
夫のリョウは
わざとらしい溜息をつく

夫「それくらいでかぁ?
保育園行かせたら?
先週も休んでたじゃん
咳も鼻水も出てないし
言わなきゃわかんないだろ」

夫「とりあえず連れっててさ
熱が上がってきたら
さすがに気づくだろうけど

それから呼び出して
もらえばいいじゃん

なんでもかんでもすぐに
休ませようとしたら
根性のないやつになるだろ?」

私「そんなの無理だから…
37.5度以上は預けられないし
しんどいのに連れていって
何の意味があるの?」

夫「意味あるだろ
数時間でもお前が稼げる」

私「いやいや…体調悪いのが
わかってるのに行かせて
何かあったらどうするの⁉」

私はパートだ
2,3時間働いてもされど数千円
お金が大事なのはわかってるが
子どもの命と比べれば
たかが数千円とも言える

だから比較的休みやすい
パートとして働いてる理由は2つ

育児と仕事のバランスを
できるだけ両立させたいからと
夜にファミレスや工場で
働くこと提案した時

ほとんど寝てる時間である
夜の数時間も子どもを見るのが
夫がイヤだと言ったから

私「他の子だっているんだよ
吐いたりしたらうつっちゃう」

夫「そんなのこっちだって
いつもうつされてるんだから
お互い様だろ?」

夫「なんのリスクもなく
集団生活なんか
できっこないだろーが
ほんとヒスるのやめてくんない」

けっとイライラしながら
夫は私が用意した朝ごはんに
ほとんど手をつけず
私の分までゴミ箱に直接捨てた

夫「食べる気なくした
外で食うから金もらうな」

すぐにゴソゴソと私の鞄から
財布を取り出して数千円を抜く

私「自分で捨てたんだから
自分のお金で出してよ……!」

夫「これはお前が働くのを
放棄した分の金だろ?俺は
それを払ってもらっただけ!」

私がお金に伸ばした手を
夫はひらりとかわしてくる
夫「洗濯物も放りっぱなしで
家も片付いてないなぁ」

私がさっき乾燥機から出して
畳もうとしていた洗濯物と
夫の朝ご飯とお弁当を作った
片付いていないキッチン

玄関には夫が開けるだけ開けて
放置した通販の段ボールがある
いつもは子どもが準備してる間に
片づけているけど今日は
まだなにもできていなかった

夫「つまりさぁ」

嫌味のように私が取れなかった
2000円を私の顔に
ぺちぺちと当て見下してくる

夫「環境が悪いから体調も
悪くなるんだろ?精神的にも
肉体的にもお前が子どもの成長
妨げてんのわかんねーの?」


【次のお話はこちら】


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