社会人必見! 勉強が続く人の10の習慣 - 今日から始める学習習慣化のコツ

筆者が作成した「勉強が続く人の特徴10個」のリスト

画像は筆者が作成した

勉強へのやる気はあるのに挫折してしまう人がいる一方で、やる気を保ちながら勉強を継続している人もいます。この差は一体どこにあるのでしょうか? じつは、才能に関係なく勉強を続けられるコツがあるのです。

この記事では、勉強が続く人の特徴を10個を紹介していきます。当てはまっているか振り返りながら、ぜひ参考にしてみてください。

【ライタープロフィール】
澤田みのり
大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

特徴1. ゴールを明確にする

「上司に言われたから」「勉強が好きだから」など、勉強を始めるきっかけはさまざまでしょう。しかし勉強の“その先”までイメージできていないと、途中で挫折してしまいかねません。

元IBMのコンサルタントで人材育成なども手がける清水久三子氏は、勉強が続かない理由のひとつに「『何のために学ぶのか』『学ぶことによって、どんな自分になりたいのか』という、学びの先にあるゴール像がない」ことを指摘しています。(※1)

たとえば、「簿記の資格をとって、会計システムの開発に携わる」「語学を学んで、未翻訳の本を楽しむ」のように、なりたい自分を具体的にイメージしてみるのです。勉強を続けるために、いまもっている目標をさらに深く掘り下げ、学びのゴールを明確にしてみてはいかがでしょうか。

特徴2. 複数の動機をもつ

勉強を継続するうえで“勉強する意味”をもつのも重要です。このことを、学習院大学文学部教授の篠ヶ谷圭太氏は「教育心理学において『勉強する理由』を意味する用語」の「学習動機」と呼んでいます。(※2)

先の例で言うと、下記の太字部分が学習動機。

  • 簿記の勉強をするのは、会計システムの開発に携わりたいから。
  • 語学の勉強をするのは、翻訳されていない本を楽しみたいから。

さらに、この学習動機を複数もつと勉強の継続に効果的なのだそう。

その理由を、篠ヶ谷氏は「勉強する動機がひとつだけだと(中略)その動機がなくなれば勉強をやめてしまう可能性が高まるから」だと話します。(※3)

ちなみに筆者は「未翻訳の中国ドラマも楽しみたい」という思いから中国語の勉強を始めましたが、いまでは「台湾へ旅行して、中国語で会話しながら買い物をしたい」という新たな目標も増え、さらなるやる気につながっています。初めから複数の学習動機をもたなくても、勉強を進めるうちに新たな動機を見つけられるようアンテナを張っておくのもいいですね。

特徴3. 自分流の“儀式”でやる気スイッチを入れる

「好きなときにやる気を出せたらいいのに」と思ったことはありませんか? じつは、ちょっとした行動の儀式化が“やる気スイッチ”になり得るそうです。

脳科学者で公立諏訪東京理科大学教授の篠原菊紀氏は、「私たちの脳は、行動を始めると線条体が活性化し、脳のほかの部分とも連動して行動を維持させようとし」て、「“始めるとやめることがむずかしくなる”という性質」があると述べています。「線条体」とは「行動の開始・維持・コントロールにもかかわる」神経系のこと。(※4)

つまり、“まずは動く”のが継続のカギなのです。たとえば筆者は「毎日読書する」という目標を掲げたのに挫折しそうだったとき、「とりあえず1行だけでも読んでみよう」と行動してみると、読むのが止まらなくなった経験があります。これは「線条体」の働きによるものだったのですね。勉強を継続できずお悩みならば、まずはテキストを開いてみるなど、“勉強を始める儀式”をつくってみてはいかがでしょうか。

デスク上に広げられたノートと文房具

特徴4. 1週間単位でスケジュールを立てる

誰もが一度は計画倒れの経験があるのではないでしょうか。筆者には何度もあります。振り返ってみると1日単位で細かいスケジュールを組んでおり、1日でも計画通りにいかないと収拾がつかなくなってしまっていました。

このような計画倒れを防ぐには、1週間単位でスケジュールを立てると良いそうです。

ソフトバンクの社長室長を務めた経歴がある、トライオン株式会社代表取締役社長の三木雄信氏は「学習スケジュールは、1週間単位で立てるのが基本」としたうえで、そのわけを「『1週間の中で帳尻を合わせればいい』と考えると、無理なく続けられるから」だと述べています。(※5)

働いていると、急な残業や体調不良などで予定どおりにこなすのが難しい日もあるでしょう。「今日はここまで」とするよりも「今週はここまで」としたほうが融通も利き、計画倒れを防げそうですね。

特徴5. 予備日をつくる

前項のスケジュールの立て方に関連しますが、1週間のうちに予備日をつくるのも大切です。前出の三木氏は、「1週間単位でスケジューリングする際は、そのうち1日を予備日として空け」るようにすすめています。さらに、「数カ月や1年の間、ずっと全力で走り続けるのは難しいので、適度にリフレッシュすることも大切」だとしたうえで、「頑張って計画どおりに学習をこなしたら、予備日を休養日にしても構」わないと言います。(※6)休みなく頑張り続けてしまっては、心身ともに消耗しきってしまいかねません。余力を残しておくことも、勉強を継続するために必要なのです。

特徴6. 時間を短く区切る

「今日は時間があるからたくさん勉強しよう」と思っていたのに、気づいたら別のことをしていたというような経験はありませんか? 仕事の疲れが残っていたり、ほかに気になることがあったりすると、集中力を維持するのが難しいですよね。

そんなときは、1回1回の勉強時間を短く区切るのがいいそうです。東京大学医学部卒の医学博士で、能力開発などの指導コンサルを行なう森田敏宏氏は、「集中力を維持するには、時間を短く区切り、作業モードと休憩モードに分けるようにするとよい」と話します。

そこでおすすめなのが、同氏自身も実践している「25分作業して、5分休憩する『ポモドーロ・テクニック』」です。(※7 太字は編集部が施した)

実際に筆者も試してみたところ、想像以上に25分があっという間でした。短い時間内で少しでも成果を出すために、より集中して取り組めましたよ。同氏いわく、「短時間で作業を切り上げることで脳の疲れがたまりにくくな」るというメリットもあるそうです。(※8)

勉強の継続に集中力は必要不可欠。ぜひポモドーロ・テクニックを使って、短時間集中の積み重ねを実践してみませんか?

壁掛けカレンダーのクローズアップ

特徴7. 復習をルーティン化する

学びを記憶に定着させるために復習が欠かせないのは、みなさんもご存知のとおりでしょう。では、復習による記憶の定着に効果的なタイミングはあるのでしょうか?
前出の三木氏によると、「『就寝前+翌朝』のセットで復習することで、記憶の定着がよくなり、学習効率を向上させることができ」るのだとか。なぜなら、脳の「海馬」には「寝ている間に学んだ情報が整理され、学習内容を思い出しやすく」する働きがあるからです。さらに、寝る前に復習した内容を翌朝に見直せば、整理された情報の確認になるのだそう。(※9 太字は編集部が施した)

脳の働きを味方につけて復習すれば、より効率よく効果的な勉強ができますね。そして学んだ内容が身についていることを実感できれば、やる気を維持して勉強を継続できそうです。

特徴8. 勉強のハードルを下げる

「1日で問題を100問解く」「毎日2時間勉強する」など、日々の勉強のハードルを高くしていませんか? このように勉強のハードルを上げるのは、「自分の覚悟とは裏腹に、『無理に決まっている』という自分への負の先入観が先に働いてしまう」と、前出の清水氏は指摘します。

一方で、同氏は失敗しようがないくらいハードルを下げて「実行可能」なレベルまでもっていけば、「学習へのモチベーションが維持でき」るとも言います。(※10)

「1日最低1問解く」「テキストを1行だけ読む」など、勉強のハードルをできるかぎり下げれば、日々成功体験を積み上げることができるでしょう。勉強の継続にやる気の維持が大切なのは、みなさんも身をもって体験しているはず。目標が高いあまり勉強のハードルを上げすぎて挫折してしまう人は、あえてハードルを下げてみてはいかがでしょうか。

特徴9. すきま時間を活用する

勉強は机の前に座って、しっかり時間を確保してやるものだと思っていませんか? しかし、社会人になるとそうはいかないことのほうが多いでしょう。そこで活用したいのが、“すきま時間”です。

「1回の隙間時間はわずか15分でも、1日に4回、5回と積み重なれば、すぐに1時間や1時間半は学習時間を確保できる」と話すのは、前出の三木氏(※11 太字は編集部が施した)。

筆者が資格試験の勉強をしていたときは、復習したい内容をスマートフォンのボイスメモに録音し、通勤時間や家事をしているときなどに聞くようにしていました。こういったすきま時間の取り組みは知識の整理にも役立ったと感じましたよ。

「勉強したいのに時間がない」と感じるならば、すきま時間が1日のうちどこで発生するのかを振り返ってみるといいかもしれません。

図書室で笑顔で勉強している女性

特徴10. 朝から勉強する

「帰宅後に勉強しようと思っていたのに、急な残業が発生してしまった」「仕事の疲れで、勉強に集中できない」このようにお悩みならば、朝時間の活用がおすすめです。出勤前ならば急な仕事の依頼がくる可能性も少ないですし、朝は脳にとって集中しやすい時間帯というメリットもあります。

記憶工学研究所所長で世界記憶力グランドマスターの池田義博氏が言うには、「朝起きてから午前10時ぐらいまでが、一日の中で最初に脳がよく働く時間帯」で、「特に起きてからの2時間は、集中力が高まる時間」なのだそう。(※12 太字は編集部が施した)

そうは言っても、朝が弱いと勉強に集中できるか不安に感じるかもしれません。同氏はこの点についても言及しており、「起き抜けのときは脳もまだ寝ぼけているので(中略)覚えるというよりも『復習』に充てるべき」だとしています。(※13)

特徴7に絡めて朝に前日の見直しをしてみたところ、見直しているうちに目が覚めて集中できるのを感じましたよ。

サイコロを並べて表したSTUDYの文字

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勉強が続く人の特徴を10個紹介しました。あなたはいくつ当てはまりましたか? これらの特徴ひとつひとつを見てみると、才能は関係なく本当にちょっとしたことの積み重ねだとわかります。まずはできそうなところから、勉強が続く人の習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。

(参考)

(※1、10)アデコの派遣・転職|学習を習慣化させる8つのコツ
(※2、3)STUDY HACKER|勉強が続く人は「勉強する理由」を複数もっている。「6つの動機」あなたはいくつ当てはまる?
(※4)Web eclat|行動をスイッチにしてやる気を発動! やる気を起こすスイッチの押し方
(※5、6、9、11)東洋経済オンライン|社会人でも「勉強を続けられる人」がしていること
(※7、8)プレジデントオンライン|"締め切り直前"に脅威の集中力が出るワケ
(※12、13)ダイヤモンド・オンライン|脳が働く最強の時間帯は2つある【書籍オンライン編集部セレクション】

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