ビジネスメールの達人になる! 信頼関係を築く3つのコツ

メールの画像とパソコン写真

「要点をまとめつつ、温かみのあるメールって、どう書けばいいの?」

ビジネスメールを書くとき、こんな悩みを抱えていませんか? 簡潔すぎると冷たい印象を与えかねず、かといって長々と書くと要点が伝わりにくくなる。この絶妙なバランスを取るのは、多くの人にとって難しい課題です。

しかし、メールには大きな利点があります。口頭のコミュニケーションとは異なり、じっくり考え、推敲する時間がもてるのです。この特性を活かせば、理想的なメールを作成できるチャンスがあります。

本記事では、読みやすく、かつ温かみのあるビジネスメールを書くコツをご紹介します。これらのテクニックを身につければ、相手との信頼関係を築きやすくなり、仕事がよりスムーズに進むでしょう。

【ライタープロフィール】
上川万葉
法学部を卒業後、大学院でヨーロッパ近現代史を研究。ドイツ語・チェコ語の学習経験がある。司書と学芸員の資格をもち、大学図書館で10年以上勤務した。特にリサーチや書籍紹介を得意としており、勉強法や働き方にまつわる記事を多く執筆している

1. 信頼度が増すメールの書き方

ではさっそく、相手に心を開いてもらえ、信頼を得られるメールの書き方のコツを3つ、提案したいと思います。

1:相手を思いやるひと言を入れる

ひとつ目のコツは、「相手を思いやるひと言」を入れること。

単なる事務連絡であっても、血の通った言葉がそえられたメールをもらって心が温かくなった経験はありませんか? 

『心が通じる ひと言添える作法』(あさ出版, 2015)の著者でビジネススキルの達人、臼井由妃氏いわく、「良好な人間関係を構築している人からいただくメールの8割以上は、形は違っても心に響くひと言が添えられています」

そこで、「簡潔なやりとりであっても、ひと言添える」習慣をもつようすすめています。

たとえば急ぎの日程調整の連絡をするなら、次のように「取り急ぎ、用件のみで失礼いたします」といった言葉を添えてみてはいかがでしょう?*1

【急ぎ会議日時の変更メールを送る場合】

〇〇様

いつもお世話になっております。

取り急ぎ、用件のみで失礼いたします。
予定しておりました会議の日程が下記のとおり変更になりました。

(変更前)9月25日(水)10時開始
  ↓ (変更後)9月26日(木)14時開始

詳細については追ってご連絡いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。

「急ぎといえども、簡潔過ぎて冷たい印象を与えてしまったら申し訳ない」という、相手に気を配るひと言で、気持ちを尊重された相手はきっと嬉しく思うはずです。

ただし、「取り急ぎ」という言葉を失礼だと感じる人も……。

ビジネスマナー講師の尾形圭子氏は、「『取り急ぎ◯◯まで』を使う際は『状況や相手との関係性を考えることが大前提』」だと述べています。

気を配るべきマナーは以下。*2

  • 本当に急ぎのときのみ使う
  • 取引先や顧客など「自分と距離感のある」人に対しては避ける
  • あとでフォローの連絡を入れる
  • ほかの連絡事項は入れない

逆に言えば、緊急で伝えたいことがある近しい相手に、必要事項だけ先に送りたいときならOKなので、ぜひ使ってみてくださいね。もちろん、あとからフォローのメールや電話をするのを忘れずに。

2:関係性や内容に合わせて締めの言葉を使い分ける

ふたつ目のコツは、関係により締めの言葉を使い分けること。

あなたはメールのやり取りをしていて、「最後にどう締めようかな?」と迷うことはありませんか? 

たとえば「よろしくお願いいたします」という言葉は便利ですが、いつもそればかりでは、いかにも事務的で気持ちがこもっていない印象を相手に与えかねず要注意です。

そこでひと工夫。

『ビジネスパーソン10,000人の「失敗例」を分析したら、「感じよく正確に伝わるメール」の書き方がわかった!』(Gakken, 2023)の著者でメールコミュニケーションの専門家の平野友朗氏は、冷たく事務的な印象を和らげるコツを、次のように挙げています。*3

  • 「締めの言葉に心込める」
  • 「クッション言葉を使う」

ここでは平野氏が提案する文例を参考に、締めの言葉の具体例を紹介していきましょう。

締めの言葉例1:返信を促すとき

相手の返事がなかなかこなくて仕事を先に進められないと、イライラしますよね。しかし、体調不良などで返信が遅れている可能性もあるため、ここは感情を抑え「強めな言い回し」は避けるのが正解。

以下のように、進捗状況を確認したり「回答期日を指定」したりなど、仕事を進めるために必要なことを書くようにしましょう。*3

  • 「進捗はいかがでしょうか。何か協力できることがございましたら、お声がけください。」
  • 「お忙しいところ恐れ入りますが、〇月〇日までにご返信いただければ幸いです。」

締めの言葉例2:お願いや質問するとき

先方にお願いや質問をするときに、たとえば「書類を送ってください」「この件について詳しく教えてください」などと書いてしまうと、まるで命令口調のように……。

「人にモノを頼む態度がおかしいのでは? 礼儀をわきまえない人なのかも……」と、あらぬ誤解を受けてしまったら損ですよね。

うっかり相手に悪印象を与えないよう、お願いや質問をメールに書くには、「相手の理解を求めるような表現」を使うのが無難です。*3

たとえば、次のように書き換える要領です。

  • 売上データをください→ 売上データをご提供いただければ幸いです
  • 以下の点を教えてください→ 以下の点をご教唆いただけますでしょうか?

上記の言葉を使ったメールの文面例をつくりましたので、ご覧ください。

【事例1:最新の売上データの情報提供をお願いするケース】

○○様

お世話になっております。

現在、××の作成を進めており、最新の売上データが必要です。
もし可能であれば、2024年7月~8月の売上データをご提供いただければ幸いです。

お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【事例2:会議のアジェンダについて質問するケース】

○○様

おはようございます。

次回の会議に関していくつか質問がございます。
会議のアジェンダについて、以下の点をご教示いただけますでしょうか?

1:会議で取り上げる議題について
2:各議題の予定時間について
3:あらかじめ準備しておく資料や情報について

お手間をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

上記のように、やるかやらないかは相手の心次第であるというニュアンスで頼みごとを書くと、命令口調にならず、相手の心象を損なわずにすむのではないでしょうか。

3:緊急・重要・複雑なメールは電話でフォローする

3つ目は、緊急性や重要度の高いメールを送信したあとは、電話をかけて相手にちゃんと伝わったか確認すること。

それは、もし相手がメールを見逃していた場合、仕事の進行に影響が出るだけでなく、相手の評判にまで深刻なダメージを与える可能性があるから。「そんな大事な連絡を、なぜ直接伝えてくれなかったのか」と相手から責められ、信頼をすっかり失ってしまうかもしれません。

とはいえ、なかにはメールだけでも大丈夫な場合も。

電話でフォローすべきか否か判断が難しいのなら、『第二新卒の転職成功ルール: 第二新卒のアピールポイントを理解していますか?』(Independently published, 2022)の著者で就職・転職支援の専門家である谷所健一郎氏が紹介している、メールのみで問題ないケースを判断基準にしてみては?。*4

【メールのみでOKなケース】
  • 「緊急性が低い」
  • 「重要でない」
  • 「複雑な内容でない」
【メールのあと電話でフォローすべきケース】
  • 緊急性がある
  • 重要である
  • 複雑な内容である

緊急・重要・複雑な内容のメールは、きちんと相手にしっかり伝えることが、仕事の成功を左右するといっても過言ではありません。もし相手が、あなたからの電話でうっかり大事なメールを確認しそびれていたことに気付いたら、「機転の利く人と仕事ができて助かった!」と感謝されることでしょう。

メールを打っている女性のパソコン

2. より信頼度を高めるメールの書き方

ここまでご紹介したコツのほかに、さらに信頼度を高められる方法を2つご紹介します。

1:生成AIを使ってメールを効率的に作成する

「ビジネスメールの文面がぎこちない」「メールの文章を考えるのにやたらと時間がかかってしまう……」とお悩みなら、OpenAI社の「ChatGPT」など無料で使える生成AIを、メールの作成に活用してみてはいかがでしょう? 

生成AIにつくってもらった文章を参考に、なめらかでこなれたビジネスメールの書き方のコツがつかめます。多忙な相手から「この人のメールは要点が明確で助かる!」と、一目置かれる存在に昇格できるかもしれません。

たとえば、「ChatGPT」で「見積書の送付メールの文面」を作成する場合には、次のようにプロンプトを入力します。*5

見積書の送付メールの文面を作成してください。
#内容 ・見積書と関係資料を添付で送付
#条件 ・ビジネス文書としてふさわしい文体で作成

※「#内容」には、メールに入れたい情報を箇条書きで簡潔に記載します。*5
※ 情報流出のリスクがあるため、個人情報や機密情報の入力は避けます。*6

実際に「ChatGPT(3.5)」へ上記のプロンプトを入力し、得た回答に筆者が少しだけ手を加えた文面例をご覧ください。

【見積書の送付メールの文面の例】

○○ 様

お世話になっております。A社の△△です。

このたびは、「◆◆プロジェクト」についてお問い合わせくださり、ありがとうございます。

ご依頼いただきました見積書を添付いたしましたので、ご確認くださいますようお願い申し上げます。併せて、関連する資料も同封しております。

以下のファイルを添付しておりますので、ご覧ください。

見積書: 「◆◆プロジェクト見積書」
関係資料: 「◆◆プロジェクト関係資料」

内容についてご不明点やご質問がございましたら、お気軽にご連絡ください。ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

上記はわずかな時間で書き上げることができました。ビジネスメールの文面を書くのが苦手で時間がかかってしまう人におすすめ。短時間で読みやすく自然な文章をつくれます。

ただし、丸ごとコピペするのではなく、自分で読んでみて不自然な点は修正するのを忘れずに。*6

相手の信頼を勝ち得るメールを書くため、生成AIの力を借りてみてくださいね。

2:メールのやりとりを次のコミュニケーションに活かす

毎日多くの人と接する仕事をしていると、やり取りの内容をすべて頭の中だけで記憶するのは難しいものです。「取引先の人と電話で話した内容が思い出せない……」と、焦ったことはありませんか?

心当たりがあれば、メールを「備忘録」として利用してみてはいかがでしょう。電話と違い、メールは書いた内容があとに残りますので、忘れてしまっても安心です。*7

前出の平野氏は、業務を「100%正確に実行」するため、「全ての情報をメールに残すように」していると話します。たとえば顧客と電話したあとに、次のように「内容を要約して送る」ようにしているのだとか。*7

先ほどの〇〇の件ですが、△△で進行して参ります。よろしくお願いいたします。

こうすることで、のちに「言った、言わない」といったトラブルを回避できるだけでなく、相手から「丁寧な仕事をしますね」と感激されることもあるそうですよ。

具体的には、次のようなイメージです。

【営業担当者が取引先と新製品に関する打ち合わせについて電話したのち、メールを送るケース】

○○様

先ほどはお電話にてありがとうございました。

お話させていただいた内容について、以下のとおり確認させていただきます。

・打ち合わせ日時:9月26日(木曜日)
・場所:本社ビル9階 B会議室
・議題:「新製品のプレゼンテーション」

ご確認いただき、もしご質問やご要望がございましたら、お気軽にご連絡ください。

改めて、本日はお時間をいただき、ありがとうございました。打ち合わせでお会いできることを楽しみにしております。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

電話したあと、上記のようにメールで話した内容の要点を送っておけば、日時や場所を間違えるというミスを未然に防ぐことができます。メールを受け取った相手も安心するのではないでしょうか。

また、打ち合わせ前に疑問点を解消し、ニーズを満たし、万全の状態で打ち合わせに臨もうとする真摯な姿勢は相手に誠実な印象を与えるはず。「頼もしい人だ」とあなたへの信頼感がグッとアップするのではないでしょうか。

***
思いやりのひと言を入れ、相手によって締めの言葉を使い分け、必要に応じて電話でフォローするなど。普段のビジネスメールにちょっとした工夫をするだけで、信頼関係がスムーズに築けるようになります。ぜひ、お試しください。

(参考)

*1カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|「人間関係が良好な人」がやってるメールの書き方
*2参考・カギカッコ内引用元:リクナビNEXTジャーナル|「取り急ぎ〇〇まで」はNG!? 知っておきたいメールの言い換え表現
*3参考・カギカッコ内引用元:サイボウズ|ビジネスメール「締めの言葉」文例集(全62パターン/シーン別)
*4参考・カギカッコ内引用元:マイナビ転職|電話相手が不在の場合、メールを送ってもいい?マナーやポイント・例文を紹介
*5参考・引用元:東京商工会議所|中小企業のための「生成AI」活用入門ガイド
*6参考:総務省|生成AIの入門的な使い方と注意点
*7引用・カギカッコ内引用元:Google ブック|テレワーク時代のメール術

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