渡来人のルーツが明らかに 東大と東邦大が調査
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弥生時代に朝鮮半島から来た渡来人が縄文人と混血し、現代日本人に至る祖先集団が誕生したことがわかった。東大と東邦大が共同で、山口県の土井ヶ浜遺跡でみつかった弥生時代の人骨からDNAを抽出し、全ゲノム解析を行った。調査結果がJournal of Human Genetics誌に掲載された。
日本人の起源をめぐっては、日本列島に住み着いていた縄文人と、弥生時代から古墳時代にかけて日本列島に来た北東アジア起源の渡来人が混血したとする「二重構造モデル」、そして縄文人、北東アジアに起源を持つ弥生時代の渡来人、東アジアに起源をもつ古墳時代の渡来人の三集団の混血だとする「三重構造モデル」が有名。
研究チームは、山口県の土井ヶ浜遺跡から出土した約2300年前の弥生時代の人骨からDNAを抽出し、全ゲノム配列解析を行った。
その主な結果は以下のとおり。
東アジアと北東アジア系の両方のゲノム成分をもつ弥生時代に朝鮮半島から日本列島に来た渡来人が縄文人と混血し、現代日本人に至る祖先集団が誕生したことがわかった。
すなわち、渡来人は東アジア起源であり、二重構造モデルの主な渡来人のルーツを限定することができた。
弥生時代に北東アジア起源の集団が、また古墳時代に東アジアの集団がそれぞれ日本列島に渡来して混血したとする三重構造モデルは支持されないことが明らかとなった。
現代日本人は、縄文系、東アジア系、北東アジア系の3つのゲノム成分をもっている。
