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『FPU ~若き勇者たち~』感想 ※ネタバレ注意

eiga.com

映画.comさんに記載されているあらすじ

中国の組織警察隊FPUは国連から要請を受け、政府軍と反政府組織の武力紛争が激化するアフリカへ派遣される。チームワークを重視する分隊長ユーや正義感が強い狙撃手ヤンら精鋭メンバーたちは最も危険な地域に足を踏み入れ、逃げ場をなくした人々の安全確保に尽力する。大量虐殺やテロ攻撃、暗殺、暴動、人質事件などさまざまな困難に立ち向かい、何度も命の危険にさらされながらも、現地の人々の平和を取り戻すため、そして隊員全員が無事に帰国するために戦い続ける。そんな彼らの前に、思わぬ運命が待ち受けていた。

 

 

結論から言うと『FPU ~若き勇者たち~』は正直言って面白くなかった。いや、かなりの駄作だったと言っていい。レイトショーで1300円…観終わった後に感じたのは、虚無感と疲労感だけ。

 

まずストーリーパートだが、これは「ある」と言えるのだろうか?いやない。登場人物が多すぎて誰が誰だかよくわからないし、悪役の動機や背景が描かれないからよくわからないまま一方的な正義を見せつけられる。そしてつぎはぎした何かをただ見せられたようなだけ。途中で仲間が何人か死ぬがその描写もよくわからない。特にある女性の死については誰も墓参りに行かない。けれども別の殉職者に対してはわざわざ墓参りシーンが描かれている。「この描写必要だった?」と思わずにはいられない。ナチュラルに差別的とすら感じる。他にもツッコミどころは多数ある。あの外国人の意味ありげなタトゥーなんだったん??

 

やっぱりツッコむ。重要参考人を連れて少数精鋭で敵陣を突っ切るな!最初から戦力投入して挑めよ。そして台風?じゃあ台風を活かして作戦立てろよ!なんで台風に巻き込まれてるの?意味わからないんですけど。この展開で満足できるわけないじゃん。あたまのはてなを消してくれ。

 

そしてアクションパートについて。この映画でやる必要があるのかと思わせるほど凡庸で、むしろFPSのゲーム実況でも観ていた方が数倍マシだったかもしれない。「かっこいい部分を詰め込んでみました感」が強すぎてむしろ薄っぺらさを助長している。売りの戦闘シーンでこんな気持ちになるんだから金返せ案件です。

 

あと原語なのに棒読み感がかなりわかる。中国人俳優は気にならないけど、現地の黒人役者はひどい。たぶん役者じゃなくて、そこらへんにいる一般エキストラ使ったんじゃないかな?と思わせるくらい。

 

唯一良かったのは映画の尺が短かったこと。しかしそれを帳消しにするかのようにエンドロールがやたらと長い。体感15分くらいあったのではないかというくらい引っ張られストレスしか感じなかった。普通1曲だろなんで1曲、2曲そして映画のサントラ集になるんよ?意味わからないんですけど。

 

一番の問題点はどことなく漂う中国のプロパガンダ臭がすごかったところ。映画全体が日本に住む中国人向けに作られたような雰囲気があり、まだ日本語字幕付きで上映されている現状だが、数年後には字幕なしの中国映画が日本の映画館を占拠する未来すら想像してしまう。日本映画が予算不足に苦しみ興行側もお金のためなら何でもするという現状が浮き彫りになった気がする。かなり警戒しないといけない。

こんな映画が全国100スクリーン以上で公開されてるって相当末期な気もするけど。

 

かつて海外から渡ってきた映画は「面白い」というのが相場だった。この映画を観てそんな先入観はもはや通用しないと痛感させられた。海を越えてきた作品がやるせなさを抱かせる日が来るとは思わなかった。

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