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ニセモノの良心

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2006年 10月 26日

理想の著作権システム

昔、ちょっと書いたことあるけど、e-Licenseが放送業界に本格的に算入してきた。
 今日の朝日新聞にでっかく載っていたので、知っている人は多いかもしれない。
 まぁJASRACの独占が壊れるならばいいことだろうとは思っている。



 まぁ著作権は、利用者権利者どちらの側面からものを見るかということで全然変わってくる。
 それに「無責任な消費者」は、どの道不平不満を言うばかりで、どんな方法なら満足かとか考えない。自分じゃないどっかの誰かがいいように整備してくれるのを待っているだけだ。(もちろんそれを待っているのは僕も同じだけど。)



 僕が思う、とうか誰でも考えそうな理想の著作権システムは

消費者側として
1、許諾無しに自由に使える。
2、それがフェアユース範囲や私的使用なら無料。通常使用でも法外な値段じゃない。
3、著作権利者や権利団体が誰かなんて気にせず使える。

権利者側として
1、使った分だけ、使った人から徴収できる。(正当な対価)
2、自分の作品がどこに使用されているか、知ることが出来る。(著作人格権の担保)
3、権利信託まではいいけど、譲渡は勘弁。



こんなもんだと思う。





 今回のe-Licenseの乗り込みによって、少なくともe-Licenseの管理楽曲については(「放送業界」という狭い領域においてのみだが、)このような権利者側の要求というのは全て達成される。そりゃJASRACよりはいいと思う。
 で、今回消費者側の立場の放送業界も、包括契約の結果、消費者側の1と2については確保した。

問題は3。管理楽曲が分かれてしまったことについて。
放送業界にとっては、今まで「全部JASRACだから問題ない」と気にしてなかった音楽を、今度からは「誰が管理者か?」を常に頭に置きながら利用しなければならない。
 これまでと比べると明らかに「利便性の後退」だ。

 また、使用楽曲を全局報告する義務も出たことで、利用者側の管理の面では、面倒くささ倍増。

 まぁ今までやっていなかったことが変といえば変だけど、確かに全部の音楽使用をリストアップしろといわれても現実的には無理な話。



 思うんだけど、こんだけ技術が発達したんだからさ、どこで何が使われたかとか分かる様なシステム作れないの?いちいち自分で申請とかしないで自動的に全件リストアップして申請。で、そこから決算システムまで行き着くの。

 利用者からしたら自由に勝手に使用出来てさ、で、フェアユース範囲外の利用については
月末に請求書が来て
「孝好さんは、今月はフジテレビとテレビ東京の動画を2本ずつネットにアップ、4本のうち1本は商用と認められますのでその売上の10%を納めてもらいます。残りの3本は通常料金です。それと別にユニコーンの楽曲を動画にMIXしたのが1本あります。よって利用料は合計3150円で、口座より引き落とされます」
みたいな、携帯電話の料金徴収みたいに自然に。

著作権者からみると
「あなたの楽曲は全世界で59回のダウンロード、演劇使用2件、動画のBGMとしてのテープ固定とその公衆送信が1件、利用されました。なおその動画はこちら。また、演劇使用のうち1件は教育目的でありフェアユースの範囲でした。
よって今月は合計で29820円で、手数料10%徴収後、口座に振り込みます。」

みたいに。


素晴らしい!結構理想的だと思う。
今ある不満が全部解消される。




・・・でも出来る出来ない以前に、少し気持ち悪いと感じたのは何故だ?






うーん。

by soulwarden | 2006-10-26 02:24


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