2010年 11月 03日
というか、扱いが小さかったか。 なんか人の出入りが落ち着いたので、書こうかなと思う。 つか、こういう話って本来届けたい人には「マスゴミ氏ね」とか「電波利権が」とかで受け取ってもらえず、理性的な話が出来る層は、いまさらこんなこと書かなくてもわかる。 ・・・結局書かなくてもいいんじゃない?と思う今日この頃。 10/16の尖閣諸島のデモについて、「2800人も動員したのに、報道されなかった。」との批判が吹き荒れた。 なぜ報道が少なかったか。 まずデモについて、マスコミは冷淡だ。 何故か。 まず、デモは日常的に多い行為であることが上げられる。 地方じゃああんまり見ないのだけど、東京では1万人規模のデモなぞざらだ。 特に多いのが組合系。動員力が半端ないので、すぐに数千人~1万人のデモは仕込めるし、実際に行動している。 つまり「2800人も動員したのに!」という数の論理で押せば、「組合系を手厚く報道せよ」ということになる。そりゃそれで別にいいのだろうけど・・・主張者の左右を考えると違和感が残る。(つか、俺のデモは人多かったんだから報道しろレベルの主張だしなあ。) 実際に前日10/15に僕が出会ったもうひとつのデモ「日本年金者組合」は、主催者発表で東京2900人、全国1万人規模(電話問い合わせしたら1万人言ってたけど、まぁそれは切っているだろう)。尖閣諸島デモより多く動員したのに、取り上げたメディアは、共産党系地元紙「京都民報」だけだった。 つまり、マスコミがとりあげるのは「数の論理」ではない。 ではなにか?「報道価値」があるかどうかだ。正確には数の論理は報道価値に収斂される。 じゃあ報道価値って? 「必要性」もしくは「話題性」だ。 「必要性」って例えば、 社会的に議論が分かれているとされるものについて、中立性を保つために両論を取り上げる必要がある。とか、そういうの。 例えばの話、原子力空母が地元に入港したとする。 原子力空母については、兵器という側面だけではなく、空母のプレゼンスという外交側面や、核事故の可能性があり、全面肯定ばかりではない議論の余地が残されている。(これは例えで僕が別に空母に云々と言う話ではない。) となると、ニュース中立性の都合上、寄港歓迎のセレモニーを撮ったら、反対のデモ運動をする人を撮る必要が出てくる。それが、いかに少数人数であってもだ。(逆に少数人数であるという映像自体が言外メッセージになったりする。) これが「人数が少なくても取り上げる」の片方。 もう片方は 「それが話題性があるかどうか」 例えば、2004年頃ジーコ監督が負けまくったときに、ジーコ監督解任要求デモが起こった。これは60人規模だったけどニュースに取り上げられまくった。 「そのニュースに話題性・ニュース性があるかどうか」 この判断基準はない。社やデスクの判断といった側面が大きくなるからだ。 尖閣諸島デモについて、NHKが連呼したという「何を取り上げるかはの局の判断です」というのは、これ。 まぁ僕も「なぜブログにこれを書かないんだ!」とか詰められたら「知らねーよ。つか、何を書くかは僕の気持ちひとつだ。」と言うわな。(そういや詰められたことあったなぁ。)それと一緒だとは思う。 ただ1ついえるのは「他媒体のイベントはわざわざ取り上げない。」ということはある。 だって競合してるじゃん。ドコモにAUの宣伝しろっていうようなもんじゃん。 この原則通りじゃないのは、大規模イベントの場合。甲子園とか箱根とか。それだって主催の扱いよりは小さくなる。 今回のデモ主催はCS「チャンネル桜」・・・そりゃ取り上げなくても不思議じゃないわなぁ。 (つか、報道機関としては媒体がこういう世論形成をすること自体に反発があっても不思議ではない。むしろ取り上げるほうが不思議と言うか・・・) 外国は取り上げた!って向きもあるとは思う。 ただ、外国の媒体は別にチャンネル桜と別に競合していないし、日の丸掲げた姿が絵的に面白かったら使うわな。 日本で日の丸揚げた集団と言うの別のメッセージを含有してしまうようになっているから(言いか悪いかは知らんが)、そこも考えなきゃいけなくなる。 ここまで見てきて「じゃあ尖閣諸島デモが取り上げられなかったのは正当か」といったことを考えた場合、僕個人の判断では「もうちょっと取り上げられてもいいんじゃない?」とは思う。 なぜなら中国とのデモとの対比として使えないことはないかなとは思うからだ。(ただし、こういう取り上げ方をすると、中国の官(軍)製デモの本質は見えなくなってしまう。市民デモと同じようでいて、全く質が違うからだ。) ただ、産経なんか、そういう紙面方針なのに・・・とは思う。クレームとかそういう方向ではなく「産経が載せないの紙面方針から考えてもったいなくね?」の意味合いで。 ・・・で、デモ側の情報宣伝不足を考えてしまうのだけど。まぁそれは別の話なので。
by soulwarden
| 2010-11-03 23:38
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