「おれの名はペイジ」「ジョーンズ」「プラント」「ボーンナム」
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1227252027/- 1 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:20:27.78 ID:m0kqiDrd0
- ここはイギリスの小さな村、通称「風の騎士たちの町(ウインドナイツ・ロット)」。
彼らはその小さな村でバンドを組んでいた。
ヴォーカルのプラント、ギターのペイジ、ベースのジョーンズ、ドラムのボーンナム。
娯楽の少ないこの村の人はみな、彼らのたまのライブをとても楽しみにしていた。
「おう、きたかガキんちょども。おまえらの席はあっちだ」
「あ、アダムスさん。こんにちは。今日も楽しみですね」
「えぇー端っこかよ!オイラそっちがいい」
「ポコッ!わがままを言わないの!せっかくアダムスさんがとっておいて下さったのに」
「ははは、いいよいいよ。じゃあおまえらこっちに座れ、俺がそっちだ」
「どうもすみません・・・」
ほどなくして、この町は悪鬼に襲われ消失する事となる。 - 2 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:21:14.36 ID:m0kqiDrd0
- ボーンナム「ふー、今日も終わった終わった」
プラント「今回もお客さんに満足していただけたようで何よりです」
ペイジ「お疲れお前ら。あー、何か終わったら腹へったな」
ジョーンズ「よーし!夕飯ジャンケン、ジャンケン・・・ポン!」
ボーンナム「いよーし、今日はお前なプラント」
プラント「・・・。わかりました、なにか材料買ってきます」
ザッ
ディオ「ジョジョのやつにつけられた傷もだいぶ癒えた・・・いよいよ今夜よりこの町を乗っ取ってくれる!」 - 4 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:21:59.61 ID:m0kqiDrd0
- プラント「・・・と、それと・・・じゃあそのトマトも」
プラント「ふう・・・夜は冷えますね・・・買い物なんか全員でやりゃ速いというのにジョーンズは・・・」
ドン
プラント「おっと、すみません・・・なにぶん夜道は暗くt」ズギュン ズギューン
ディオ「まず貴様を我が夜の僕として・・・間食・兼・町の案内人でもしてもらおうか」
ジョーンズ「おっせーなープラントのやつ・・・」 - 6 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:23:04.25 ID:m0kqiDrd0
- ボーンナム「あ、帰ってきた」
ペイジ「・・・どうしたプラント?顔が青白い気がするぞ」
プラント「・・・ジョー・・・ンズ・・・
僕たち・・・友達ですよね・・・?」
ジョーンズ「い、いきなりナニ言い出すんだテメー?
ははーん、さてはサイフでも落として、俺に金を借りようって・・・うぐ」ビスッ
プラント「金なんて要りませんよ・・・でも・・・くれますよね?その暖かい血ィ!
僕たち血管針で繋がる仲ですよねェェェェェ!」
ジョーンズ「プラn・・・うがあああああああああ!」
プラントだったものの皮がバリバリと剥がれ、おぞましい緑色の腐肉が露出する。
ディオの食料となったそれは、もうかつてのバンド仲間ではなかった。 - 11 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:25:20.01 ID:m0kqiDrd0
- プラント「URRYYYYYYYYYYYY!血をよこせェェェェ!」
ペイジ「プ・・・プラントどうしたんだ!プラントなのか?お前は・・・何だ?」
ディオ「そいつは我が糧のなれの果てだ。 なに心配するな、今に貴様ら全員こうしてくれよう」
ジョーンズ「ち・・・血ィ~ ボーンナムゥゥ!食わァせろォ~!」
ボーンナム「あっ・・・ うああっ ぺ・・・ペイジ・・・ うわあああああああああああ」
いきなり化け物へと豹変した友人、次々と食われていく仲間、目の前の謎の男・・・
ペイジには何がなんなのか分からなかった。
わけが分からないうちに、ペイジもその男に吸血されていた。
この夜・・・村の73人が行方不明となった。 - 13 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:26:14.86 ID:m0kqiDrd0
- ディオ「フム・・・騎士の屍生人ももう大分少なくなってきたか・・・
まあいい、現代のただの村人も改造すればそれなりの兵隊になる。若い男なら特にな」
屍生人となった彼らにもはや自我はなかった。
心は血液と一緒に空っぽにされ、かわりに主君への忠誠が詰め込まれた。
他に彼らに残ったのは、血に飢えた貪欲な食欲だけだった。
バァーン
ジョナサン「地獄から戻ってきたぞ ディオ!」
ディオ「ヌウウウ・・・生きてたのか ジョジョ・・・」 - 16 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:27:57.56 ID:m0kqiDrd0
- 何人かの屈強な男と、子供が二人来たらしかった。餌だ。
・・・と、そこに長髪の男が立ちはだかる。
「おれの名はペイジ」「ジョーンズ」「プラント」「ボーンナム」
「血 管 針 攻 撃 !」
・・・なぜこの時、彼らは血管針なんかで攻撃したのだろう。
頑丈な鎧を着けて、鋭い牙も爪もあったのに。ほかの屍生人はみんな飛びかかっていったのに。
それは、屍生人となってもなお心を合わせようとした彼らの無意識か、
偽りの主君ディオへのささやかな抵抗か。
「ストレイツォ 容赦せん!」
当然の如く軽々と避けられ、波紋を流されてしまった。 - 17 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:30:15.83 ID:m0kqiDrd0
- 「オゴォオオオ!」
「熱いィ! あちぃよおおおおおおおおおおお」
「・・・でもよ・・・「熱い」「痛い」なんて感覚・・・久しぶりだ・・・」
「ああ・・・あのままに比べたら・・・死ぬって、いいや・・・」
「・・・みんなと共に逝けるなら・・・本望です・・・」
彼らは溶けて逝った。
程なくして、ディオと来訪者(ジョジョ)の戦いも終焉を迎えた。
・・・かに見えたが、ペイジだけは一人生きていた。
手足は溶けきったが、頭や胴体まで波紋は流れていなかったのだ。
主もいない暗闇の館に、ペイジだけが一人、生きて居た。 - 18 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:32:18.00 ID:m0kqiDrd0
- ペイジはその後も生きていた。
運よく窓からの光は当たらなかったし、屍生人の目は暗闇でもよく見えた。
腹が減れば近くの死体を血管針で食べた。あまり美味しくはなかったが。
ストレイツォの波紋で心を取り戻していたペイジは、ずっと仲間を想って過ごしていた。
1年が経ち、2年が経ち、それでもペイジは生きていた。
いや、死にたいと思っても死ねなかったのだ。
血管針は伸ばせたがそれで動くのは不可能だったし、館の壁は破壊できない。
屍生人ゆえにほぼ何も食べなくても生き続けることはできた。
しかし、ペイジは考えるのをやめる事はなかった。
彼の心の中にはいつも、かつてのバンドメンバーがいた。 - 19 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:32:29.46 ID:To0G6pFV0
- なるほど
- 20 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:33:18.17 ID:vFt7hLtd0
- こいつらにこんな深いエピソードが…
- 21 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:35:46.81 ID:m0kqiDrd0
- そして長い長い時間が経った。
もはや時間の感覚もない彼に、かつて自分を殺した吸血鬼が無敵の超能力を手に入れて再び目覚め、
いつか見た波紋戦士の孫の孫と死闘を繰り広げたことなど知る由もなかった。
そして・・・それからしばらく経った、ある日。
する事もないので月を見て過ごすようになっていたペイジは、その日が「新月」だったと記憶している。 - 22 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:36:26.85 ID:vFt7hLtd0
- ここで六部!
- 23 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:37:02.19 ID:bjIWllbY0
- なんと
- 25 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:39:20.32 ID:m0kqiDrd0
- その日は雨が降っていた。
彼が居た館は120年を経て大分古くなり、雨もかなり入ってきていた。
だが、どこか様子がおかしい。降ってくる雨粒がやけに痛い。
・・・と思うやいなや雨はやみ、地面もいつの間にか乾いていた。
ペイジ「なんだ・・・?とうとう俺も時間の感覚がおかしくなっちまったか・・・」
異変はなおも続いた。
ペイジのそばにあった、朽ちかけの死体の骸骨が突然風化したのだ。
崩れたのではない。一瞬で完全に砂のようなサラサラになったのである。
ペイジ「なんだありゃ・・・?空が青と黒に点滅してる・・・昼と夜なのか?ありゃあ?」 - 26 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:39:27.35 ID:TeV3E+370
- ザ・ニューペイジ!
- 29 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:43:08.23 ID:m0kqiDrd0
- そんなことを考えている間に、周りのものがどんどん風化していった。
鉢、刀、窓、そして館そのもの・・・
ペイジ「ああ・・・この館も崩れるか・・・俺も日に当たって・・・逝くんだな・・・」
館は完全に朽ち果てたが、ペイジは目こそくらんだものの痛みも熱さも感じなかった。
ただほんの一瞬、自分の周りが生き物と銀河だけの空間になったような―そんな感じがした。
・ ・ ・ ・ ・
そして・・・気がつくとペイジは、ひとり知らない道を歩いていた。 - 30 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:43:52.83 ID:u7gs5pHj0
- 怪奇!一周後の世界!!
- 31 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:45:54.24 ID:bjV5xogcO
- 何故か泣きそうな俺
- 33 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:47:27.68 ID:m0kqiDrd0
- ペイジ「あれ・・・?俺、手足がある?
しかもバンドやってた頃の・・・人間の・・・?」
しかしペイジはさほど驚かなかった。きっとここは天国なのだろう。自分は死んだんだ。
「ここがどこであろうと、もうどうでもいい。」そう思った。
ふと、目の前にバスが止まった。(ペイジはバスなんて見たこともなかったが)
そのバスから降りてきたのは・・・
ペイジ「・・・!お前・・・」
「参ったな・・・小銭の持ち合わせがないから追い出されちゃったよ・・・
すみません、小銭持ってません?カネくずしたいんだ」
・・・そう、その男は、ボーンナムにそっくりだったのである。 - 34 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:47:36.88 ID:Nf836rAMO
- こいつらにスポットを当てるとは…敬意を表するッ!
- 38 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:51:48.90 ID:m0kqiDrd0
- ペイジ「あ・・・いや・・・」
しかしペイジ自身、なんだかよく分からない状況なので自分が財布を持ってるかなんて分からない。
そうしていると、車がやってきた。
「なんだなんだ 車でお困りか?ちょっとなら乗っけてやるぜ。その金全部でな!」
「またあなたはそんな事を・・・どうぞお乗りください。ベースなんか乗せてるから狭いですが」
「やあすまないね・・・君らも音楽を?
僕もドラムをちょっとやってるんだ。名前はベンサム、よろしく」
「僕はプラトン。彼は学生時代からの音楽仲間のジョン。
いつかバンドやりたいと思ってるんです。まだボーカルとベースしかいませんけどね・・・
そこのあなたは?」 - 41 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:55:25.92 ID:m0kqiDrd0
- 「どうしたんです?震えてますが」
「今日は寒いからなァ~。ヒーター「強」っと。あったまるぜ」
ペイジは「ここがどこであろうと、もうどうでもいい」と思っていた。
もちろん先ほどとは、全く逆の意味で。
「おれの名は―」
おれの名は ペイジ。
完 - 42 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:55:50.36 ID:bjIWllbY0
- 泣いた
乙 - 44 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:56:26.77 ID:kzPIhOCZO
- つまりこれは…
連載時の
「ステイアウェイ・トゥ・ヘブン」
って訳だな… - 46 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:56:42.89 ID:xRB7BMMD0
- お疲れ様じゃあないか・・・
泣きそうになった - 50 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 16:57:46.36 ID:xwY4UhXr0
- うまいな
- 53 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 17:00:14.77 ID:R6UsJHXEO
- ペイジがリサリサ先生にやられるやつになるのかと思ったらまさかの感動展開
- 56 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 17:02:07.73 ID:m0kqiDrd0
- >>53 お前頭いいな
展開全然うまくないよ!
ディオやられてからペイジ130年間もずっとシャンデリアの下とかテラカワイソスだよ! - 70 :以下、名無しにかわります:2008/11/21(金) 18:36:14.33 ID:2+zIrYfA0
- 刻むぜ!乙のビート!!
2008/12/14 15:01:16 コメント20 ユーザータグ ジョジョの奇妙な冒険