Kyoko ISHIDA
石田京子
慶應義塾大学文学部倫理学専攻准教授連絡先:ishida [ @ ] flet.keio.ac.jp2019年4月から現職。博士(哲学)。カントの実践哲学、主に法哲学の研究をしています。これまでカントの法哲学と実践哲学との関連の解明に努めてきました。他に、ロールズやハーバーマスなど、現代の政治哲学理論にも関心があります。
履歴と業績はresearchmapにアップしています。2020年4月から慶應に復帰しました。
慶應HP:http://www.flet.keio.ac.jp/faculty/ethics/http://www.flet.keio.ac.jp/research/spotlight/3/index.html
Kyoko ISHIDA
Associate professor at Keio University, Tokyo, Japan.Department of Ethics, Faculty of Letters.Contact: ishida [ @ ] flet.keio.ac.jpInterested in: Immanuel Kant's practical philosophy (especially his philosophy of law), contemporary political philosophy and applied ethics.
Introduction on Keio Uni's HP:http://www.flet.keio.ac.jp/en/faculty/ethics/
新着情報
2023年度
・慶應の倫理学専攻の新しいHPを作成しました。学部と大学院で学びたい人のための情報をまとめています。
https://sites.google.com/keio.jp/ethics/home
・9月1,2日に大阪大学で『カントと人権』に関するワークショップを舟場保之さんと田原彰太郎さん、平出 喜代恵と行ってきました。
2022年度
・[慶應文学部1年生向けの情報]文学部の専攻振分についての情報がK-LMSに掲載されています。そこで公開しているとおり、倫理学専攻は2023年度から新カリキュラムを導入する予定で、大きな変更としては、①哲学倫理学原典講読の英語が廃止され、ドイツ語とフランス語のみになること、②同科目が第2学年進級条件科目となること、③卒業に必要な必修科目と選択必修科目が40から48単位に変更され、哲学・規範倫理学に関する発展科目を多くとらなければならないようになったことが挙げられます。1年次にドイツ語とフランス語以外を履修した学生は、第2学年で第3外国語を勉強しなければ第3学年に進級できず、また既修者でも期末テストで一定の点を取れなければ留年することになります。今年度は学部全体でも振分方法について、①第6志望の専攻まで挙げる、②GPAのみでの選考は廃止される、③エントリーは一回のみなど、変更がありますので、かならず情報をチェックするようにしてください。
・レザ・モサイェビ編『カントと人権』(石田京子・舟場保之監訳、高畑 菜子・田原 彰太郎・平出 喜代恵訳)が、8月に法政大学出版局から出版されました。緒論+12編の論文からなるアンソロジーで、カント哲学と現代の基本的人権の関係を探究する、これまでありそうでなかった企画です。カントはしばしば基本的人権を根拠づける哲学者とみなされる一方、カントの著作のなかに基本的人権のカタログにあたるようなものはなく、その関係については解釈の相違が研究者のあいだでみられます。確かに、国家に先行してこれを制約する伝統的な自然権理解と、カント自身の権利概念は異なっており、一方で、人間であるがゆえにすべての人が平等に有する自由としての権利をカントが考えているも事実で、この辺の問題は、『人倫の形而上学』「法論」での議論に追うと、議論が整理できそうです。この辺が自分の研究の次の課題となりそうです。
『カントと人権』の目次は以下のサイトで確認できます。カントと人権 | 法政大学出版局 (h-up.com)
3年ほどのプロジェクトでしたが、監訳を一緒に務めてくださった舟場さん、論文の訳を担当してくださった高畑さん、田原さん、平出さんには大変お世話になりました。御礼申し上げます。(2022.8.21)
2021年度
・本年度は「倫理学研究会」「倫理学の基礎」「哲学倫理学原典講読(独)」「人の尊厳」に加え、大学院の授業を1コマ開講しています。リアルタイム1コマ、オンデマンド1コマ、ハイブリッド授業2コマ、対面が1つです。オンライン授業の進め方や機材の操作に、少し慣れてきました。(2021.5.24)
・少し前のことになりますが3月に新潟大学で講演をさせていただきました。「カントの法哲学」ということで自分の専門であるカントの道徳哲学と法哲学のつながりについて、お話しさせていただきました。新潟哲学思想セミナーの関係者の皆さま、ありがとうございました(2021.5.24)。
http://www2.human.niigata-u.ac.jp/~mt/ningen/
2020年度
・MIPS(三田哲学会哲学・倫理学部門例会)は2020年度、オンデマンド形式で開催します。MIPS会員とkeio.jpのアカウントをお持ちの方は、原稿を以下のサイトで読むことができます。https://sites.google.com/keio.jp/mips/(2020.11.06)
・倫理学専攻の各ゼミは昨年度に引き続いて今年度も入ゼミ選考を行います。専攻所属の現2年生には学生部経由でメールを送りましたので、よく内容を確認してください。サブゼミとしての履修の可否については3月上旬以降に決定されます。なお、入ゼミ選考は来年度も実施する予定ですので、現1年生で倫理学専攻への進学を希望される人は、志望ゼミに入れない可能性があることを予めご了承ください。(2020.11.06)
・秋学期は慶應は一部対面授業を導入するということで、自分が関係する授業では「倫理学の基礎II」「哲学倫理学原典講読(独)II」「倫理学研究会II」それから通信教育の夜間スクーリングが三田キャンパスで実施される見込みです。とはいえ、通常の授業体制にはまだまだ戻れませんので、感染予防やオンラインの併用など、新しい授業形態を試し続けることになります。最近は東京も感染者の数が減少してきたので、これが続くことを祈っております。(2020.09.02)→追記、夜間スクーリングはオンラインでの実施になりました。(2020.09.20)
・8月17-19日に「第8回大阪哲学ゼミナール」(オンライン)でカントの法哲学について講演をさせていただきました。大阪大学はじめ関西方面の方々には3日間お世話になりました。なかなか自分の考えていることをまとめる機会がないので、自分にとっては貴重な機会で、特に、カントにおける法と道徳についての近年の研究動向は、自分のなかで少し整理がついたように思います。この研究動向がまた変わってしまうまえに、早く論文にまとめたいですね。今年11月の日本カント協会大会(オンライン)では、「カント政治哲学における法と倫理」という題の共同討議で、北海道大学の斎藤拓也さんとパネリストを務める予定ですが、これまでの研究内容とは直接は重ならない内容となりそうです。(2020.09.02)。
・毎年7月第3土曜日に開催されている「りんりの日」は、残念ながら延期となりました。次回の予定が決まりましたら、またご連絡いたします(2020.06.19)
・2年間の留学を終え、4月1日から業務に復帰しました。本年度は学部「哲学倫理学原典講読(独)I・II」「倫理学の基礎I・II」「倫理学研究会I・II」、院は「倫理学特殊研究/倫理学特殊講義IA・IIA」「倫理学特殊研究演習IA・IIA」を担当します。総合教育科目・三田春学期開講「人の尊厳」は残念ながら休講です。春学期は原則すべてオンライン授業ということで、試行錯誤しながら半年になりそうです。(2020.04.29)
2019年度
・【慶應倫理学現2年生向け】慶應の倫理学専攻では2020年度は入ゼミの選考をするとのことで、資料をネットにアップします。選考の具体的な方法については1月15日の専攻説明会で説明がありますので、そちらで確認してください。(2020.01.14)→選考期間が終了したため、削除しました。(2020.04.29)
・単著の出版にあたって、日本哲学会林基金から出版助成をいただきました(「2017年度日本哲学会林基金出版助成・助成対象書籍刊行のお知らせ」)。日本哲学会と審査にあたってくださった皆様に御礼を申し上げます(2019.11.24)
・夏に国際カント学会(オスロ)と独日倫理学コロキウム(フランクフルト)に参加してきました。国際カント学会はカントのテキストをめぐる最新の解釈に触れることができましたが、カント研究における共通言語が英語に統一されつつあること、それに伴い、英米系の解釈の影響が強くなってきていることを実感しました。英語での研究発信は重要ですが、それによって失われてしまったものも多いように思います。コロキウムでの発表はその時の感想を受けて急遽原稿にしたものです。そのうちに論文としてまとめたいと思います。(2019.11.24)
・6月30日に『カント 自律と法――理性批判から法哲学へ』が出版されました。晃洋書房のサイトにネット書店へのリンクがありますので、そこから購入できます。当該著作での私の関心は、「自由」と「他の人」をキーワードに、カントの法哲学を体系的に読み解くことにあります。残念ながらネット上では帯の宣伝文が読めないので、以下に掲載いたします。(2019.7.4)
●カント自律思想の法哲学的展開――定言命法や意志の自由はどのように法に関わるのか。なぜカントは法哲学を必要としたのか。カント法哲学の根底にある思想に迫る。●〈実践理性の批判〉から〈人倫の形而上学〉へ――「自律としての自由」と「他の人の存在」という契機に照らしてカント法哲学を新たに解釈し、法と道徳との関係、強制と自由の両立、私法と公法の区別などの法哲学上の基本問題へのカントの解答を提示する。●私は他の人とともに自由でありうる――『人倫の形而上学』を通じてカントは、自らの自律思想にもとづく法哲学の体系を打ち立てた。近年の研究成果を踏まえつつ、法を〈自律的な立法者としての他の人との共存〉の条件と見定めるカント法哲学の基盤を探る。●法や徳の義務を扱う『人倫の形而上学』は『基礎づけ』『実践理性批判』と比較して、より経験に近い領域を扱っているとする研究は数多く存在する。本書はそれらとはまったく反対のアプローチをとった。すなわち、カントの法哲学を、理論の経験への適用ではなく経験にもとづかない哲学理論の一部門として、そして、時空間のうちに身体をもって生きる人間にではなく、純粋実践理性を有する自由な存在者に特有の理論として読み解いた。その結果、カントにおいて法は、〈私〉が〈他の人〉とともに自由でありうるための条件である、という洞察に達することができた。カント的な意味での自由の概念が彼の法哲学に不可欠であるという意を込めて、本書のタイトルを『カント 自律と法――理性批判から法哲学へ』とした。(あとがき抜粋)
・近日中に晃洋書房から博士論文が出版されます。タイトルは『カント 自律と法――理性批判から法哲学へ』です。初の単著となります。(2019.6.19)
・4月1日付で准教授に昇任しました。(2019.4.2)
2018年度
・専攻紀要『エティカ』(2018)に拙論 Überlegungen zu Kants Ablehnung der Weltrepublik が掲載されました。これは、日本哲学会『哲学』に掲載された拙論「カントによる<世界共和国否定論>の再検討」を修正し、ドイツ語に翻訳したものです。翻訳の掲載許可について、日本哲学会に感謝申し上げます。(2018.10.30、2018.12.21 リンク追加)
・5月に博士号を取得しました。博士論文タイトルは『自律と法――カントにおける法哲学の基本的構想』です。カント実践哲学における法哲学の位置づけを扱った第I部と、私法と公法の基礎づけを扱った第II部からなります。「理性批判に基づく形而上学」という枠組みのなかでカントが法をどのように考えたのか、「自律」と「他の人」をキーワードに体系的に整理しました。(2018.10.30)
・広瀬巌編・監訳『平等主義基本論文集』が刊行されました。ジョン・ロールズ「アレクサンダーとマスグレイヴへの返答」の訳を担当しています。『正義論』(1971)に対する批判に応答するなかで、ロールズが彼の哲学の基本概念(「秩序ある社会」や「正義の二原理」など)を説明しています。(2018.10.30)
・ドイツに留学中です。連絡はメールでお願いいたします。(2018.10.30)→2020年3月に留学は終了しました。