こんにちは。
今回は、簡単に、安く、かつ壁に穴をあけることなく壁面収納を作る方法です。
実は、当ブログで一番読まれているはDIYで棚柱を使って壁に棚を作る方法を解説した記事です。
しかし、棚柱は壁に直接ネジで打ち込むものなので、賃貸など壁に穴をあけれない人、あけたくない人にはなかなか難しいものでした。解決策として市販されている突っ張ることで木材を固定する道具(例:ディアウォール)なども紹介していますが、2x4(ツーバイフォー材)を使うため、どうしてもやぼったくなってしまいます。
そこで、登場するのがアジャスターボルトを使った方法です。
今回は、棚柱ではありませんが、上の写真のように有孔ボード(ペグボード)を使った見せる収納を作りましたので、紹介したいと思います。
目次
アジャスターボルトのメリット
アジャスターボルトを使うメリットは、
1.壁に穴をあけない
2.かつ細い角棒を使えるためよりスタイリッシュに壁面収納を作ることが可能
3.市販されている突っ張りシステムより安価
1のメリットは、ディアウォールなどの市販されている突っ張りシステムと一緒なのですが、アジャスターボルトがそれよりも優れているのは、2,3のメリットです。
ディアウォールでは2x4(ツーバイフォー材)を使うことを前提にしているので、どうしても厚みがあったり幅が広かったりします。一方アジャスターボルトでは、アジャスターボルトが取り付けれることができればOKですので、より細い木材を使うことが可能になります。つまりスタイリッシュにすることができるのです。
さらに、アジャスターボルトは良く出回っている金物であるため、非常に安く入手できます。1本200円前後といったところでしょうか。
ただ、アジャスターボルトを使ったやり方は、電動工具が必要になるので、持っていない人は買わなければいけません。
↓アジャスターボルトはシュッとシンプルで安い
↓ディアウォールも手軽でいいんだけど、やぼったく見えてしまうのが残念
アジャスターボルトで突っ張る仕組み
アジャスターボルトは本来机などの脚に取り付け、段差があったり床が平面でないところでもガタガタしないように調整(アジャスト)するための金具です。
これを、天井側に逆に使うことによって突っ張らせるのが今回の使い方です。どういう仕組みになっているか下の写真で説明します。
まず、アジャスターボルトは2つのナットがついています。三角部分(床や天井に接する部分)についているナットは固定です。もう一つのボルトの先端についているナットが動きます。このナットを回すときボルトが一緒に動いてしまわないように三角部分のナットを固定になっており、ここを押さえておけばOKということですね。
木材の先端にはボルトが入る穴をあけておきます。ボルトを入れる際にワッシャーを通します。そして木材を立て、ナットを回すとワッシャーが木材の先端をおすことで突っ張る、ということです。
簡単ですね!
***追記(2018-5-9)***
簡単ですね!と書きましたが、わからない~とご指摘いただいたので(汗)、もう少しわかりやすいイラストを用意しました。
下に用意するものを記載していますが、アジャスターボルトM8x100というのがあります。100というのが長さのことで100mm(つまり10㎝)です。この10㎝というのは、ボルトの長さ。下の作り方にも書いていますが、床~天井の長さから5cm短くした角材を用意すれば、露出する部分が3cm、穴に入る部分を7cmとなります。
用意する材料はこれだけ!
用意する材料はたったのこれだけです。
必要な材料
- 角材 (天井~床までの長さがあるもの):2本
- アジャスターボルト :2つ
- ワッシャー (アジャスターボルトのボルトが通るもの):2枚
- クッションゴム :2枚
これだけであれば、1000円~2000円で調達可能です。木材除けば1000円以内で納まるでしょう。
さらに、この仕組みを使って棚を作りたい人は、棚柱や棚板が必要ですし、今回の僕のように有孔ボードの収納をつくる人は有孔ボードを用意しましょう。
角材は、40mm角いかがおススメです。それ以上太いとせっかくのアジャスターボルトが台無しです。
アジャスターボルトはM8x100のサイズが扱いやすくて、価格も安くおススメです。
とすると、ワッシャーはM8用のものを準備しましょう。大きさは、角材の大きさに近いものを選ぶとより突っ張る力が木材に伝わるようになります。
クッションゴムは、木材の床側を傷つけないためにつけておいたほうがいいと思います。
道具は以下のものが必要です。
必要な道具
- のこぎり、または電動丸鋸 ⇒ 木材の切断
- 電動ドライバー ⇒ ボルトを入れる穴あけ
- 直径9mmのドリルビット
- スコヤ、またはレーザー墨出し器 ⇒ 直角を確認するための
といったところでしょうか。
DIYでの電動ドライバーは以下のものがおススメです。安くて軽めで力も持久力も十分です。
レーザー墨出し器はあるとかなり便利です。
また、こちらの記事も参考にしてください。
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本当に簡単にできるアジャスターボルトの突っ張りシステム
では作り方の説明に入ります。(前置き長くてスミマセン)
1.木材を最適な長さに切る
まずは、床から天井までの距離を測ります。
こういうとき、メジャーで測るのもいいですが、レーザー距離計があると一発で測れるのでいいですね。
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床から天井までの距離を計測できたら、
床から天井までの距離から5cm短くした長さで角材をカットします。
斜めにならないように注意しましょう。
2.ボルトが入る穴をあける
M8のボルトの太さを測ると7.93ミリ。ほぼ8mmですね。こういう計測はノギスという道具が便利です。
ぴったし8mmで穴をあけると入らないので、1mm大きな穴にします。そこで9㎜の穴をあけられるドリルを用意して、穴をあけます。
角材の長さは床天井の距離マイナス5cmでしたので、M8x100のアジャスターボルトを使った場合、70mmほどボルトが木材に入ることになります(アジャスターボルトの長さ100㎜は固定ナットからの距離)。よって、余裕をもって8cm~9cmの穴をあけましょう。
ドリル刃の先端から9㎝のところにマスキングテープなどを貼っておくと一目瞭然です。
角材の先端に中心線を引き、ど真ん中に傾かないようにまっすぐ穴をあけます。9cmいっきに穴をあけようとすると木くずが詰まってしまうので、半分ぐらい行ったら木くずを一度出すために抜くといいでしょう。
はい、あきました。
3.必要であれば、角材を面取りしておきましょう。
トリマーという道具があれば、角材の角を面取りすることができます。面取りしないと、触ったときに角ばってて痛いですからね。
4.クッションゴムを貼る
穴をあけた反対側の切断面にクッションゴムを貼ります。
直径40mmの丸いクッションゴムを用意していましたが、角材を38mmに削ったので、ちょっと飛び出しちゃいました。。。(汗)
5.いざ設置!
それでは、壁面収納を作るお部屋に加工した角材とアジャスターボルト、ワッシャーを運び入れます。スパナや直角を見るためのスコヤ(または差し金)も持っていきましょう。
角材の穴にワッシャーを通したボルトを入れ、クッションゴムを貼ったほうを床に置き角材を立てます。そして、いったんナットを回して突っ張らせます。
その後、スコヤなどを当てて直角を確認し、傾いていれば調整します。
床に対して角材が直角になったところで、スパナを使ってナットを回ししっかり突っ張らせます。
ということで、2本の角材がしっかり突っ張って固定されました。
天井側はこうなってます。
(今回、角材がすこし短かったので、アジャスターボルトが通常より長く露出していますが、天井床の距離-5cmであればより目立たないようになります。
あとは好きな収納システムを作り上げましょう。
有孔ボードでの見せる収納
さて、今回は、有孔ボードを使った見せる収納を作りたかったので、この2本の角材に有孔ボードを取り付けました。取り付けは普通にビスでとめました。
ちなみに、有孔ボードには裏表があるの知ってました?
製造する際、ドリル刃が一定の間隔で穴をあけていきますが、その時に表面になっている方が表です。ドリルが突き抜ける裏面の部分はバリが出るのです。
↑これが表面
↑これが裏面。バリがでてますよね。
有孔ボードを収納として使う場合は、専用のフックなどを購入しましょう。
さまざまなフックがセットになったものも売っています。
棚柱を使った壁面収納
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まとめ
以上、アジャスターボルトを使って、壁に穴をあけることなく壁面収納を作る方法でした。思ってる以上に簡単です!やってみると、え?!って驚くぐらい簡単だと思います。
市販の2x4を使った突っ張りシステムだとやぼったくなるなぁって思ってる人、もうちょっと安価にできないかなぁって思ってる人はぜひチャレンジしてみてください。
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