自動修復ループになってPCが起動しなくなった話!
先日BIOSでRyzenのEchoモードに切り替えてからPCの調子が悪くなり、PCの動作が急に重くなってPCを再起動したところ自動修復ループに入って、PCが起動しなくなってしまいました。PCの重要なファイルが破損したようでセーフモードでの起動もできず、再起動ループを繰り返すしかできなくなりました。
本来ならば自動修復にあるトラブルシューティングの機能を使えばPCを復旧できるのですが、それができなかった時に色々と試したことを記録として残しておきます。
自動修復ループになってPCのWindowsが起動しない
先日BIOSでRyzenのEchoモードに切り替えてからPCの調子が悪くなり、PCの動作が急に重くなってPCを再起動したところ自動修復ループに入ってしまい、パソコンを起動しようとすると「自動修復を準備しています」と表示されて通常通りWomdowsが起動しなくなってしまいました。
自動修復でそのまま修復が完了してWindowsが起動してくれれば問題ないのですが、「自動修復でPCを復旧できませんでした」となり「シャットダウン」か「詳細オプション」からその他の手立てを試すしか選択できなくなります。
ちなみにオプションの選択で、「Windows11を起動する」を選択することも可能です。ただ、この状態でWindows11がそのまま起動してくれれば問題解決なのですが、そんなうまくいくわけもなく私の場合は起動しようとするとブルースクリーンが出てPCが強制的に停止してしまいました。
「Critical Process Died」エラーが出る場合の対策
私のPCで問題になったブルースクリーンは「Critical Process Died」エラーというものです。この問題を解決するために色々と試してみました。
スタートアップ修復
まず一番初めに試してみるのはスタートアップ修復です。Windowsのトラブルシューティング機能の一つです。先ほどの修復モードの「オプション」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ修復」と選択することで、Windowsの読み込みを妨げている問題を修復することができます。私が試した時はこれでは何も改善しませんでした。
システムの復元
続いて試したのがシステムの復元です。システムの復元はWindowsの復元ポイントを元に、その時点までシステムを巻き戻しを行う事ができます。ソフトウェアなどをインストールする前などに自動的に復元ポイントが作られています。
先ほどの修復モードの「オプション」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「システムの復元」と選択することで実行できます。システムの復元は復元ポイントが無い場合は実行できません。私がこれを実行しても特に改善しませんでした。
セーフモード
続いて試したのがセーフモードです。セーフモードはWindowsの起動に必要な最小のデータで起動を実行するモードです。自分が導入したスタートアップに登録されているソフトウェアやサービスも起動せず、Windowsの起動を最優先にしたモードとなります。
先ほどの修復モードの「オプション」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「セーフモードを有効にする」と選択することで実行できます。これでセーフモードで起動できれば復旧まではあと少しとなります。この後に説明するDISMやSFCなどで修復やWindowsのアップグレードインストールなどを使って修復できる可能性が高まります。しかしながら、私のPCではセーフモードで起動してもブルースクリーンでダメでした。
sfc /scannow
sfc /scannow」とは、Windowsオペレーティングシステムに組み込まれたシステムファイルチェッカー(System File Checker)ツールのコマンドの一つです。このツールは、Windowsのシステムファイルに問題がある場合に、それらを自動的に検出して修復するために使用されます。
先ほどの修復モードの「オプション」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を選択することで実行できます。Windowsが起動している状態であれば、Windowsボタンを右クリックで「コマンドプロンプト」から起動も可能です。
これでWindowsに問題がある場合は修復されます。しかし、私の環境では修復後もWindowsは起動しませんでした。
DISM
「DISM(Deployment Image Servicing and Management)」とは、Windowsオペレーティングシステムに組み込まれたWindowsのイメージを管理するためのコマンドラインツールです。DISMは、Windowsのシステムイメージを修復するための機能を提供しており、DISMを使用してシステムイメージをスキャンし、検出された問題を修復することができます。
dism /online /cleanup-image /restorehealth
上記コマンドを入力することで実行可能です。しかし、エラー267が出て上手く動作しませんでした。エラー267は一時ディレクトリへのアクセス中のエラーという事なので、
dism /online /cleanup-image /restorehealth /scratchdir:c:scratch
としてCドライブ直下にmkdir scratchでscratchというフォルダを作って/scratchdirを指定しました。 すると、エラー50が出ました。今度はWindows PEでは/RestoreHealthオプションは使えませんと出てしまいました。
「/Cleanup-imageは不明なオプションです」と出ており、これはDISMのソースを指定することで解決します。/Onlineは現在のWindowsイメージから実行するというオプションなのでこれを/OfflineにしてSourceをしてします、 そのためWindowsイメージを指定してDISMを使うためにWindowsをダウンロードして、USBメモリでPCに転送してinstall.esdをコピーします。install.esdをinstall.wimに変換する方法は以下のサイトをご覧ください。
dism /export-image /SourceImageFile:install.esd /SourceIndex:IndexNumber /DestinationImageFile:install.wim /Compress:max /CheckIntegrity
How to Extract Install.ESD to Install.WIM (Windows 10/8)
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth /source:WIM:D:\Sources\Install.wim:1 /LimitAccess
install.wimに変換後にDISMコマンドを試しましたが、私の場合はエラー87が出て上手く動作しませんでした。その他にも色々と試してみたのですが。残念ながらDISMでの修復はできませんでした。正直なところWindowsが起動しない状態でのWindowsの復旧で、SFCとDISMで修復できないとほぼ復旧はできないと思った方がいいです。
レジストリを手動でバックアップから復元
【Windows】レジストリを手動でバックアップから復元【最終手段】 : 0から楽しむパソコン講座のブログレジストリを手動でバックアップから復元する方法についてです。PCが起動しない原因がレジストリ関連の時にはこの手法が有効だと思います。この方法も試してみましたが、私の環境では残念ながら効果はありませんでした。
Windowsをアップグレードインストールする
Windows10で重大なエラー[スタート]メニューが動作していませんが出た時の対策!このWindowsのアップグレードインストールが最終手段であり、最高の修復方法です。上記手順に比べると時間がかかるというデメリットもありますが、完璧に修復できる唯一の方法です。
ちなみにクリーンインストールと異なり、現在の環境(ファイル、インストール済みのソフトウェア)などが保持されるため気軽に行うことができます。アップグレードと聞くと最新版ではできないのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、すでにWindows10の最新版でもこのアップグレードインストールは可能です。
ただし、これが実行できるのはWindowsが起動している状態に限られます。Windowsが起動していない状態で、DVDやUSBなどのWindowsのインストールメディアからはアップグレードインストールができないので注意です。
Windowsの初期化
ここまで色々やって復旧できない場合はシステムの初期化をする必要が出てきます。システムの初期化を行うとWindowsが初期状態になります。初期化も個人データを残しつつ初期化する方法と、個人データを含め全てを初期化する方法があります。
先ほどの修復モードの「オプション」→「トラブルシューティング」→「このPCを初期状態に戻す」→「個人ファイルを保持する」と選択することで実行できます。
PCを初期化する際には「個人用ファイルを残して初期化」と、「すべてを削除する」が選択できます。個人ファイルを残して初期化するとユーザーフォルダ内のドキュメントや画像、ビデオなどのファイルデータが残されたまま初期化できます。すべて削除するを選ぶとファイル類もすべて削除されます。
ちなみに私の環境では、これら「個人用ファイルを残して初期化」と、「すべてを削除する」のどちらを選択してもエラーで実行できませんでした。ここまでくるともうお手上げです。その場合はシステムの初期化が出来ない場合はWindowsのクリーンインストールをする必要があります。
Windowsの再インストールする
Windows を再インストールする - Microsoft サポートWindowsの再インストールという最終手段です。もうすべてのことをやったうえでどうにもできない場合にはWindowsを再インストールするしかありません。DVDやUSBなどのWindowsのインストールメディアを作成して、再インストールを行います。私はISOファイルをダウンロードしてRufusを使ってUSBメディアに焼きました。
Rufus - 起動可能なUSBドライブを簡単に作成できます
選ばれたパーティションには前のWindowsのインストールからのファイルが含まれている場合は、これらのファイルとフォルダーは、Windows.oldという名前のフォルダーに移動されます。Windows.oldにアクセスすることはできますが、以前のバージョンのWindowsは使えなくなります。
データのバックアップ
ちなみに再インストールだけであれば古いwindowsのデータはWindows.oldフォルダに保持はされます。しかしながら、念のために先にデータをバックアップしておいたほうが安心でしょう。この状態からデータを回収する方法として、以下の方法が挙げられます。- コマンドプロンプトでコマンドで別ドライブへファイルをコピーする
- コマンドプロンプトでtextpadから「ファイルを開く」上でGUIでファイルコピーで回収する
- LinuxをUSBブートして他のドライブにデータをバックアップする
私はLinuxのubuntuをUSBブートして回収しました。Windowsのバックアップで行っておくべきフォルダは以下の3つです。
- ユーザーフォルダ
- Program Files
- Program Files(x86)
ユーザーフォルダはC:\Users\ユーザー名のフォルダで、ここにはユーザーの写真やドキュメントなどのファイルが入っています。デスクトップ内のファイルもここに保存されています。
Program FilesとProgram Files(x86)についてはソフトウェアの設定などが含まれている場合はバックアップしておくことで、再Windowsインストール後にソフトウェアを入れなおした際に設定ファイルをコピーすることで環境を簡単に復元できる可能性があります。
近年のソフトはC:\Users\ユーザー名\AppDataの中に設定を保存しているので、ユーザーフォルダをバックアップしていればソフトウェアの設定もバックアップできている可能性もあります。※AppDataは隠しフォルダとなっているため、Windowsだとエクスプローラーの設定で隠しファイル、フォルダを表示する設定になっていないと表示されません。
インストールエラー
すでにWindowsがインストールされているパーティションを選択してあげても「新しいパーティションを作成できなかったか、すでにあるパーティションが見つかりませんでした。詳しくは、セットアップログファイルをご覧ください」というエラーが出てインストールできない場合があります。
その場合は同一ドライブの、MSR(予約済み)、回復、システムといったWindowsがインストールされていない他のパーティションを削除してあげることで、再インストールできるようになりました。
完全にクリーンインストールしたい場合はWindowsの入っているパーティションを削除してもいいのですが、その場合は前にインストールされていたWindowsのバックアップのWindows.oldが作成されません。
Windowsの再インストール後に環境を復元する
Windowsの再インストール後は、今までの環境を復元するために入れていた様々なソフトウェアを再インストールしていきます。インストール後に先ほどバックアップしていたソフトの設定データをC:\Users\ユーザー名\AppData\RoamingやLocalにコピーしてあげることで、ソフトウェアの設定の復元可能です。
今回の個人的感想&まとめ
今回は自己修復ができずにPCが再起動を繰り返す問題について今回起こったことを記録として残しました。厳密にはこれ以外にもいくつか試しているのですが、その中でも効果がありそうなものだけをまとめました。Windowsが起動せず、さらにDISMによるデータ復旧ができないとほぼPCの復旧は不可能と思った方がよいでしょう。私も過去色々なPCのトラブルにはあってきましたが、大体の事は修復できたのですが、今回のように完全なクリーンインストールを選択することになるとは思いもよりませんでした。
スタートアップ修復やシステム復元などで復旧できる簡単な問題であれば、直ぐに解決できるのですが、今回のようにそれらで修復が出来ずDISMもSFCなどでも復旧できないとなるとほぼ修復は出来ない状態です。悪あがきでいろいろ時間をかけて試しましたが、最終的にはクリーンインストールしなくてはならず、時間を浪費してしまったことを考えると、現環境にそこまで執着がないのであれば、早めにクリーンインストールをして、環境を復元していったほうが良いかもしれません。
クリーンインストールをするとデータが消えてしまうので、その前にデータのバックアップが必要ですね。単体でのバックアップはコマンドプロンプト上から行うのは初心者には難しいので、notePadを利用したGUIでのコピーが簡単です。ちょっと大変になりますが、確実にコピーするならばLinuxをUSBブートして別のドライブ上にコピーする方法が良いですね。
今回はかなり大変でしたね。自分の中でもPCにはそこそこ詳しい自負があっただけに、ここまで色々試してもダメなパターンは初めてでした。いつまでも復旧しないPCに時間をかけてもどうしようもないので今回はあきらめてクリーンインストールという選択を選びましたが、Windowsの復旧システムは本当に役立たずなことが多いので困ったものです。
もし、この状態でWindowsの復旧に良い方法などを知っている方が居ましたら、ほかの人のためにもコメント欄で情報共有をしていただければ幸いです。
この状態はブートマネージャが故障していることが多いので
ブートマネージャを修復すれば体感で大体は直る感覚です。
公式から対応OSのUSBを作成しコマンドプロンプトでブートマネージャーを修復すると直ると思います。