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那覇地区の中学駅伝、誘導ミスでタイム修正 ネットの公式記録に説明なし 保護者「子どもたちいたたまれない」 沖縄


那覇地区の中学駅伝、誘導ミスでタイム修正 ネットの公式記録に説明なし 保護者「子どもたちいたたまれない」 沖縄 イメージ
この記事を書いた人 アバター画像 渡真利 優人

 10月27日に北谷町内で行われた第45回男子那覇地区中体連駅伝競走大会で、誘導ミスが発生し、タイムを短縮するなどの措置を講じていたことが12日までに分かった。

 主催者の那覇地区中体連は11月1日に、経緯を説明して謝罪し、再発防止策を徹底するとした文書を地区中体連加盟校の校長と保護者に発送した。

 同中体連がインターネット上で公表した公式記録には誤誘導や記録の調整などに関する説明はなかった。選手の保護者の一人は「県大会出場を目指し、練習を積んできた子どもたちがいたたまれない。(中体連は)潔くミスを認め、その場で速やかに公表してほしかった」と述べた。また、公式記録では誘導ミスや記録の修正について説明がなかったことについて「記録上でも説明すべきだと指摘したが、正式な回答はない。ずさんな管理体制で悔しい思いをする中学生が今後出ないようにしてほしい」と訴えた。

 大会は北谷町のAgreフィールド北谷を発着点に全6区間(18キロ)で実施された。ミスが発生したのは第1区で、本来、競技場内を3周と300メートル走って場外に出るところを、役員の場内アナウンスと誘導に誤りがあり、先頭集団の一部が2周と300メートル走った時点で場外に出た。

 3校の選手は正しく3周目に入っていたが、役員が呼び止め、先に2周だけ走っていた選手らに続くよう途中で場外へ誘導した。不足した1周分については、役員が選手に折り返し地点と中継所で「残り1周ある」と伝え、競技場内を最後に1周するコースに変更して対応した。当日、会場には周回表示板や鐘は設置されておらず、表彰式の際に誘導に誤りがあったことについて説明や謝罪はなかった。

 大会終了後、監督者会議を実施し、救済措置として3周目に入った3校の選手について、走った距離と保護者が撮影したビデオ映像を基に、余分に走らせたタイムを差し引いた。那覇地区中体連によると、A校は10秒、B校は20秒、C校は12秒を3選手の記録から差し引くことを監督会議で決めた。記録の調整により、1校の順位が繰り上がった。

 事案発生を受けて、同中体連は、11月1日に各学校の校長と保護者宛てに文書を送付。「運営の不手際によって関係者に多大なるご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げる」と謝罪した。後日、理事長と会長などは該当校の校長、選手、保護者らに直接謝罪したという。

 同中体連は再発防止策として(1)周回表示板とラスト1周を知らせる鐘の設置(2)競技場内走路員(役員)の配置場所の見直しと役割の周知徹底(3)競技役員の増員(4)緊急時に会場内で対応を説明する―の4点を挙げた。

(渡真利優人)