厚生労働省は24日、介護を受けたり寝たきりになったりせずに日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が、2022年は男性72・57歳、女性75・45歳だったと公表した。
前回調査の19年(男性72・68歳、女性75・38歳)から、ほぼ横ばいで推移。同省担当者は「新型コロナウイルス感染症で平均寿命が短くなったことが影響した可能性がある」としている。
都道府県別にみると、沖縄県は男性71・62歳、女性74・33歳だった。前回の19年調査では男性72・11歳、女性は75・51歳で、男女ともに健康寿命が短くなった。特に女性は、1・18歳と大幅に短くなった。都道府県別の順位でも、前回調査で女性は最短から23番のほぼ中央に位置していたものの今回は最短から2番目。男性も前回最短から8番目だったのが、今回は3番目となった。
健康寿命は3年ごとに公表。平均寿命との差は日常生活に制限のある「不健康な期間」を意味するため、厚労省は差を縮めることを目指している。22年の差は男性8・49歳、女性11・63歳となり、初公表の10年以降、縮小傾向が続いている。
都道府県別で健康寿命が最長だったのは男女ともに静岡県で男性73・75歳、女性76・68歳。最短はともに岩手県で男性70・93歳、女性74・28歳。
厚労省は本年度からの12年間の健康づくり計画「健康日本21(第3次)」で、健康寿命の延伸と都道府県格差の縮小を掲げ、喫煙・飲酒や睡眠、女性の骨粗しょう症検診の受診率に関する数値目標も設定している。
22年の健康寿命は、24日に開かれた専門委員会で報告された。コロナ禍の影響については、今後の推移を見極めて分析や評価をする必要があるとの意見が出た。
健康寿命は、国民生活基礎調査で「健康上の問題で日常生活に影響がない」と答えた人の割合や年齢別の人口などから算出している。