東京五輪第12日の3日、千葉県の幕張メッセで行われたレスリンググレコローマンスタイル77キロ級の3位決定戦で、沖縄県出身の屋比久翔平(26)=浦添工高―日体大―日体大大学院出、ALSOK=がモハンマダリ・ゲラエイ(イラン)に13―3のテクニカルフォール勝ちをおさめ、銅メダルを獲得した。五輪個人種目でのメダル獲得は沖縄県出身選手で初めて。
第1ピリオドで0-3と先行されたが、残り2分を切ったところで一気に逆転した。
1995年1月4日生まれ。89年、91年の全日本王者である父・保さん(58)の夢を継ぎ、県勢として初めてレスリングで五輪に出場した。
2日の1回戦を5―3で勝利し、県勢初白星を挙げた。2回戦は2019年世界選手権覇者のタマシュ・レーリンツ(ハンガリー)に1―3で惜敗。レーリンツが決勝に進出したため3位決定戦に回った。18年アジア大会王者のゲラエイに対し、父譲りの「前に出るレスリング」を貫き、勝ちきった。
これまでの五輪での県出身選手によるメダルは1992年バルセロナ大会での体操男子で、石川市(現うるま市)出身の知念孝(興南高―日大出、河合楽器)が団体で獲得した銅が唯一。同じく団体メンバーだった大阪府出身で興南高卒の松永政行(日大出、河合楽器)が同大会の種目別平行棒で銅を獲得している。
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