戯曲を読むシリーズ
「性の異端を読む」
企画・主催/キューピー
日本の近現代戯曲を声に出して読み、話します。「クィア演劇」(ケイト・ボーンスタイン)と「男色演劇史」(堂本正樹)とが重なるところ(あるいはその周辺)に歴史はありうるか。
宮本研「贋作・花のノートルダム」を読む
〈泥棒はブールジョアだ。だったら、ブールジョアだって泥棒だ〉。これが《三文オペラ》という作品の主題です。もちろん、この文句は論理学の方法をもちいて、こういいかえることが出来ます。〈ブールジョアが泥棒なら、泥棒だってブールジョアだ〉。……ブールジョアが泥棒なら、泥棒だってブールジョア。……ここだけの話ですが、実は、これがこの物語の主題なのです。
もっともこの人の芝居は(この人に限りませんけれど)いつもある一つのものが不足しているように思えます。その一つのものはつまり《エロティシイズム》ですし、それに導かれて到る《聖》(ルビ:サンテ)なるものなんですね、だから今度のお芝居でも、堀口大学訳の文章を、ト書きにしたりして、ちょっとすかしているのですけれど、この《聖》って奴は、ノートルダムの寺院(ルビ:おてら)の、あのびしょびしょのはざまから身を駆り出して見ても、見えません。(堂本正樹「真珠になれなかったおなら」(『新劇』1968.8))
テキスト
宮本研「贋作・花のノートルダム」(『新劇』1968.7)
日時
2024.10.4(金) 19:00-22:00
場所
路地と人(東京都千代田区神田三崎町2-15-9 木暮ビル2F)
参加費
500円程度(予定)
申込・連絡先
下記アドレスに「氏名・当日の連絡先」を明記のうえ、ご連絡ください。
またテキストの入手が難しければ、その旨お知らせください。
[email protected]
備考