日本を代表する食べ物といえば、まず寿司を思い浮かべる外国人が多いのではないだろうか。ひと昔前は生魚が苦手という人が多かったが、現在は “ヘルシーでオシャレだから” と若者を中心に海外でも大人気である。
しかし海外では、寿司にうなぎのタレやスパイシーマヨネーズをつけて食べたり、日本人からすると “邪道!” と叫びたくなる食べ方をしている人が多い。そこで寿司屋の大将が、外国人に正しい寿司の食べ方を指導するべく、動画「How to Eat Sushi: You’ve Been Doing it Wrong」に出演し、海外で大反響を呼んでいるので紹介したい。
・動画に登場するのはアメリカ在住経験のあるシェフ
海外で話題となっているこの動画は、2014年8月25日に YouTube に投稿されて以来、すでに再生回数が180万回を超えている。動画に登場する大将は、ニューヨークにレストランをオープンしたこともある安田直道さん。現在は、東京の南青山で「SUSHI BAR YASUDA 」を営んでいる。
・初めて味わう本ワサビに意外な感想
大将は流暢な英語で、カウンター席に座った外国人ジョセフ・ジョージさんに、寿司の食べ方について語りだした。まず、本ワサビを摩り下ろしたものを食べさせてみると、彼は初めて味わう本ワサビについて「辛味が来る前に甘さを感じました」と感想を述べていた。
・巻物の食べ方を指示
次にネギトロ巻きを出した大将は、彼が食べ始める前に以下のことを指示した。
「巻物は手で食べる」
「ショウガには醤油をつけないこと。外国人は寿司とショウガを一緒に食る人がいるが、それはご法度だ」
「醤油は巻物の片方にだけ付けること」
これらを守ることは、寿司を食べるマナーであると説いて聞かせた。
・握りの食べ方も細かく指導
そして最後は、握りの食べ方を順序立てて細かく指導した。
1. 食べる時は、握りのネタが左側になるように倒す
2. ネタとシャリの両側を、箸で押さえながら挟む
3. 醤油はネタにだけ付ける
4. 付けた醤油を振らずに口へ運ぶ
最後のステップで大将が、「付けた醤油は振らないこと! 振るのは男がトイレで用を足した後に、仕上げに振る時だけだ」と、いきなり飛ばした際どいジョークに、ジョセフさんは吹き出しそうになっていた。
・ネットユーザーの感想は!?
日本料理の奥深さを感じさせる大将の解説だが、動画を見た外国人はどう思っているのだろうか? ネットユーザーの感想がナカナカ興味深いので、いくつか紹介したい。
「ただ食べ物を食べるだけなのに、何でこんなに複雑にする必要があるんだ!?」
「ヤスダのジョークに大笑いした!」
「俺は好きな方法で寿司を食べるけどな」
「何で握りにも巻物にもワサビを入れるんだ? ワサビ嫌いなのに……」
「たかが寿司じゃないか!? 食べ方がそんなに重要なのか?」
「寿司の食べ方よりも、彼のジョークの方が印象的だった」
と、やはりカルチャーギャップを感じさせるコメントが多く見られた。また大将のジョークは、ユーザーにもかなりウケたようである。
イタリア人にしてみれば、テリヤキチキンやお餅が載ったピザは邪道だろう。食は他国に渡れば、独自に進化してしまうものなのである。なので我々日本人が、日本食の伝統や神髄を忘れないことが大切なのではないだろうか。
参照元:YouTube、SUSHI BAR YASUDA
執筆:Nekolas
▼大将のジョークにご注目!
▼外国人に寿司の食べ方を指導した安田直道さんだ
▼まずは巻物の食べ方を指導
▼次に握りの食べ方を説明。言われた通り、ネタを左側に倒して食べている
▼握りのネタにだけ醤油を付ける