日本で数年前、それまでのラー油の概念をくつがえした具たっぷりの「食べるラー油」が発売され、一大ブームを巻き起こした。今ではすっかりお馴染みの調味料になった具材入りのラー油だが、中国では日本のブームの前にすでに完成形となっていた。
話題の中国版食べるラー油は中国人だけでなく日本人をも魅了しまくっているそうだ。その伝説のラー油が日本でも買えることが判明。早速食べてみた。
中国でラー油界ナンバー1ブランドと言えば「ラオガンマー(老干媽)」シリーズだ。他にも類似品はあるが、ラオガンマーは他の追随を許さない。
様々な種類があるラオガンマーだが、現地日本人から絶大な支持を受けているのは「風味ドウチ」味である。納豆の先祖と言われる発酵させた豆・「ドウチ」入りのラー油である。
中国の調味料と言えば、「辛いと言えば辛いだけ!」と単調な味のイメージがあったが、このラオガンマーは辛さの中にコクがある。ドウチがその辛味を少しマイルドにしてくれるのが日本人にも好まれる秘密だろうか。また、ふわっと香る山椒の香りもたまらない。
ラオガンマーはご飯にかけてもよし、炒め物やスープに入れるだけで四川料理風になる便利調味料だ。人気の汁なし担担麺も作れてしまう。中華万能辛味調味料と言っても過言ではないだろう。
ラオガンマーの伝説はウマさだけではない。創業者の陶華碧(とう かへき)さんは学校に通ったことさえない農村の女性だった。だが、夫に先立たれ2人の子どもを育てるためにその辺のレンガを拾って食堂を作り開業した。
そこで使っていた自家製のラー油が話題となり、1996年にラー油製造販売会社を設立。会社はたった15年で今や年商13億元(約160億円)の会社にまで成長したそうだ。なお、初めて覚えた字は契約書にサインするために練習した自分の名前だったとのこと。まさに涙なしには語れないチャイナドリームなのである。
ちなみにラオガンマーラー油シリーズは日本では中華街や中華系スーパー、一部のドン・キホーテなどで購入することができる。値段は店によって異なるが200円~400円ほどで手に入るぞ。中国本土でも15元(約180円)くらいで売っていたので良心価格だと言えよう。
なお、いろいろ試してみたところ、ご飯にかける場合、ラオガンマーは炊きたてのふっくらご飯とはあまり相性が良くないことがわかった。ちょっと水分が抜けたカピカピめのご飯が真のウマさを発揮する。機会があれば是非試してほしい。
執筆:沢井メグ
写真:Rocketnews24.
参照元: 老干媽風味食品(中国語)、 老干媽日本
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼ご飯にかけてみたよ! 豆がゴロゴロ入っている
▼創業者の陶さん、このマークが目印だ
▼中身はこんなかんじ!
▼やみつきだ!