ボッシュは今年1月、米国ラスベガスで開催されたCES 2024に出展。気候中立を目指しながら世界のエネルギー需要を満たすカギは水素であるとし、今後は水素バリューチェーンに沿ったソリューションを展開していく考えを示した。
◆急速に高まりつつある水素燃料の活用
背景にあるのが、EV熱が一巡した今、世界的な水素燃料を活用する動きが急速に高まっていること。特に米国においては、国内水素製造に対して最大3ドル/kgの税額控除が受けられるインフラ法及びIRAが制定され、その予算規模は5年間で95億ドル(1兆4000億円)にものぼる(経済産業省 2023年12月発行資料)。こうした支援制度を受け、ボッシュもかねてより開発していた水素燃料の活用を加速していく考えを示したのだ。
その柱となるのがモビリティ用途の燃料電池で、最近になってドイツのシュトゥットガルトでその量産を開始したという。これは、大型車両のパワートレインシステムの中核をなすもので、すでに欧州、米国、中国のトラックメーカーから受注済みだ。さらに、燃料を電気に変換するのではなく、直接エネルギーにする水素エンジン用のコンポーネントの開発を進めており、年内にもこれを活用した水素エンジンの実用化を見込んでいる。
ボッシュによれば、このテクノロジーはディーゼルエンジンに匹敵する性能を発揮するだけでなく、気候問題においてもクリーン水素を使うことでそのメリットはさらに高まるという。これは大型長距離トラックや建設機械といった、これまでディーゼルエンジンが使われてきた現場での活用が適しているとの考えのようだ。
◆充電まで自動化するバレーパーキング
一方ラスベガス・コンベンションセンター(LVCC)に出展したボッシュのブースにおいて、注目されたのが「自動バレーパーキングシステム」だ。
一昨年、ドライバーレスパーキングシステムとして初めて正式に商用利用が承認されているが、今回はここに外出先で電気自動車を自動的に充電する新たな機能を加えた自動バレーパーキングソリューションを発表した。利用者はスマートフォンのボタンを押すだけで、あとはシステムが車両を充電ステーションに移動させ、フル充電されたら駐車スペースに戻してくれる。