ダイキン工業は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公開している「小惑星探査機『はやぶさ』発の技術を応用した電力ピークカット制御の技術」を、ルームエアコンに適用する技術の検証を開始する。
JAXAは現在、航空宇宙分野での研究開発成果の民間転用を進めている。この一環として関連する技術的仕様を公開し、多くの企業や団体に採用を促している。
ダイキン工業は、技術公開の取り組みに協力し、同社製品に適用するための検証を進める。
「はやぶさ」が、宇宙空間で限られた電力を有効利用するために開発された技術を基に、それぞれの機器が独立して並列にピーク電力を下げる制御法を、家電機器の消費電力ピークカット制御に応用する。家庭内の照明、冷蔵庫やエアコンなどの機器に優先順位をつけて、同時に消費電力を制御することが可能となる。
新興国では経済の急速な発展に伴って電力供給が逼迫する状況が発生している。同社の技術は、すでにリモコンなどで使われている赤外線通信技術を利用し、電力消費を抑えるための制御信号を一斉送信するシンプルなシステムで、高速なデマンドレスポンスを実現できる。
この技術を搭載したルームエアコンのテストモデルを、1月28日~30日に東京ビッグサイトで開催される「新電力EXPO」で展示し、デモンストレーションを行う。