宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小型ロケット「イプシロンロケット」を8月22日に打ち上げると発表した。
今回の打ち上げは、惑星分光観測衛星(SPRINT-A)を所定の軌道に投入するとともに、イプシロンロケット(オプション形態)の飛行実証を行い、イプシロンロケット打ち上げシステムの開発の妥当性を検証するのが目的。
打ち上げ計画では、8月22日に13時30~14時30分の間、内之浦宇宙空間観測所から打ち上げる。打ち上げ後、第1段とノーズフェアリングが約9分~25分後、第2段が約19分~37分後。
イプシロンロケットは、M-Vロケット、H-IIAロケットで培った技術を最大限に活用して開発した3段式固体ロケット。
ロケットは、打ち上げ後、機体のピッチ面を方位角112度へ向けた後、所定の飛行計画に従って太平洋上を飛行する。第1段を打ち上げ約2分41秒後に、第2段を約10分24秒後に、第3段を約16分48秒後に分離する。
約19分08秒後から約29分58秒後までと、約53分50秒後から約60分30秒後まで、小型液体推進系の燃焼を行い、約61分40秒後に、近地点高度約950km、遠地点高度約1150km、軌道傾斜角30度の楕円軌道でSPRINT-Aを分離する。
SPRIT-Aは、地球を回る人工衛星軌道から、金星や火星、木星などを遠隔観測する世界で最初の惑星観測用の宇宙望遠鏡。極端紫外線分光器による木星衛星イオのイオトーラスの観測、金星や火星、木星などの惑星外圏大気と太陽風の相互作用の観測を行う予定。
イプシロンロケット試験機の機体には、日章旗とJAXAロゴを第一段の正面と背面の上部に掲出するほか、固体ロケットの伝統を継承・発展させた独自の機体デザインを考案。固体ロケットの伝統色彩をベースに、将来に向かっての進化を、下から上に向かって表現するデザインとした。
ロゴは、字体をシャープに、「E」の文字を大きくして「イプシロン」を強調した。星印で惑星探査を志向している意志を明示した。
「応援メッセージ」については、機体の赤ライン線部分に文字列として入れ込む予定。
「イプシロンロケット試験機掲載応援メッセージ」は4月10日から5月7日まで募集し、5812件(日本語5360件、英語452件)の投稿があった。