MOTTA Felipe

海外日本移民の越境経験、その記憶と歴史を主な研究対象にしている歴史学者です。

博士論文（2022年に大阪大学出版会から『移民が移民を考えるー半田知雄と日系ブラジル社会の歴史叙述』として刊行）では、移民知識人として日系ブラジル社会で活躍した画家・移民史家の半田知雄（1906―1996）を中心に、日系社会の歴史の叙述や戦争の記憶について論じました。現在は、ブラジルにおける移民知識人の言論活動、思想の（再）生産と流通、移民による知的営為についてのプロジェクトを展開しています。

近現代日本史における移動の問題、大日本帝国の興亡と海外日系移民、日本とラテンアメリカの関係史に興味を持っており、二項対立的なパラダイムを超越する移民研究の実現を目指しています。また、日本におけるポルトガル語教育・ブラジル研究にも携わっており、ブラジル文学作品の翻訳の他、ブラジル文学における日系人の登場人物、コロニア文学とブラジル文学/日本文学の関連についても調べています。

現代日本社会におけるマイノリティー問題、ブラジル人をはじめとする在日外国人と移住政策にも関心を抱いており、研究と教育活動を通して多様化された社会の実現に貢献できればと思っております。