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とりとめもなく、日常のひとこまを綴る写真雑記


by viewfrom

アルバート・ワトソントークショーで坂本龍一ジャケ写秘話も

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11月30日(土)、都内数カ所で開催中のTOKYOGRAPHIE 2019のイベントで、フジフィルムスクエアにて展示中の「Wild 」の作者、アルバート・ワトソンAlbert Watsonさんのトークショーへ行ってまいりました。ツイッターにあげたところ、一部方面(笑)から予想以上に反響があったので、字数制限のないこちらに詳しく載せたいと思います。

TOKYOGRAPHIE 2019は、京都を舞台に毎年春に開催されているKYOTOGRAPHIEの特別巡回版といったところのようです。今年春の展示の告知で、私たちには見慣れた懐かしい坂本龍一さんのジャケ写が流れてきて、観に行かれないのを悔しく思っていたところでした。

とても気さくで明るいアルバートさんは、ヨウジヤマモトの服に身を包み、自身の写真にかける思いをフランクに語ってくださいました。正直に言うと、坂本さんの写真以外はあまり詳しく知りませんでしたが、長年ファッション写真やセレブリティの写真を撮り続けている「ポートレートの巨匠」ということです。トークの間、スクリーンには氏のこれまでの作品から200以上の作品が映し出され、その解説もありました。なるほど知らず知らず目にしていた写真もありました。グラフィックデザインを学んでいたということで、撮影の前には必ず撮りたいイメージをスケッチしているそうで、そう聞けばなるほどと思わされ、どれもかっこいい!ポートレートだけでなく風景写真も素晴らしく、そこにもやはりグラフィックの要素がかなり見られるように思えました。

1時間の予定でしたが、質疑応答にも気軽に応えてくださり、予定時間をはるかに超過しても質問できない方もいらっしゃいました。質疑応答からの話も含め、印象的だった話をいくつか。

氏は自分でもobsessionという言葉を使っていたように、写真に囚われ写真を撮ることが本当に好きな人間だそうです。夏休みも1週間取るのがせいぜいだとか。プリントまで含めてが彼の写真で、昔から今でも、外注せずに全て自分たちでプリントしているそう。

アーティストやセレブリティを撮る時は、事前にリサーチを重ね、相手のことを知らないことはないくらいにしてからカメラの前に立つということ。そして撮るイメージを固めプランを立てておくけれども、その時々のやり取りによる即時性、自然の流れも大切に、常に違うプランになってもいいようにしておくのが大事。それだけプロフェッショナルなのだな、と感じました。これは自分が昔仕事をしていた時も感じていたことなので(ちゃんとやれなかったことの方が多いかも)、どの仕事でも相通じることなのでは。

フィルムからデジタルに変わってどう感じているか、といった質問に対しては、昔からファインダーを覗けば長方形が見えていて、それはデジタルになっても変わらないから特に意識はしない、とのこと。撮りたいイメージが確固としてあるから、道具は関係ないということでしょうね。コンピュータを使っての仕上げも好きとのことでした。ただ若い人たち特に男性は、機材などにこだわる傾向にあって、コンピュータで仕上げるにしろ、自分がdominateする側でなければいけなくて、dominateされてはいけない、というようなことをおっしゃっていました。確かに〜、なるほど〜。

坂本龍一「BEAUTY」ジャケ写の撮影秘話も。ほんとは自分で質問したいところでしたが、勇気がなくて。他の方が聞いてくださいました。ありがとうございます。もしかしたらサカモトファンの方かもしれませんね。

坂本さんを撮った時は、スタジオに彼の曲を流していて、それを作っていた時のこと、初めてその曲が生まれた時のことを思い浮かべてみてください、というような指示をしたそうです。その結果が、あの上を向いての表情となったそうです。それから、撮影後、お互いこれからヨーロッパだという話をして空港で別れたら、その後ローマのある店で本当に偶然背中合わせの席で夕飯食べてた、とのこと。ヨーロッパとだけでイタリアともローマとも言わなかったのに。そんな偶然てあるんですね。男女だったら、すごい運命を感じちゃいますよね(笑)

トークショーはそもそも英語で、逐次通訳も入っていましたが、もちろん録音不可ですしメモも取っていないので、細部や表現が違っていたらご容赦を。

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ここからは余談ですが、うちにはなぜか「BEAUTY」が3枚ありまして、お互いが持ってたからなんですけど、ジャケ写確認のために今日引っ張り出してみてみたら、どれも微妙に違っていてびっくりしました。最初の上下はどちらも日本盤のようですが、裏が違う。もう1枚の写真は中身の違い。下はアメリカ盤のようです。

それから余談の余談で申し訳ないですが、10〜10数年前に、「BEAUTY」のジャケ写と、この中のroseという曲にインスピレーションを得て、作った写真です。拙いものでアルバート氏とは比べようもないですが、もしお時間ありましたら覗いてみてください。






by viewfrom | 2019-12-01 19:17 | skmt | Comments(0)