マルチプラットフォームで使えるクリップボード履歴・拡張ソフト
前回は「Windows10 October 2018 update」で搭載されたクリップボード拡張機能を紹介しました。
便利そうなのは分かったけど、「会社の環境Windows7なんだよね」とか「俺はMac派なんだけど」と言うかたも多いと思います。
各OS上いずれかのマシンでの効率化を求める場合、Windowsなら「Clibor」、Macなら「Clipy」といった高機能なソフトが存在しています。
しかし、用途に応じてWindowsとMacを使い分けていたり、会社ではWindwosで家ではMacという人も結構いるのではないでしょうか？
筆者も、WindowsとMacを平行して使っています。
機能の多さよりも同じ操作感で使えることを優先した結果、クリップボード拡張ソフトはオープンソースのCopyQを導入しています。
今回は、無料で使えてWindows/Mac OSX/Linuxとマルチプラットフォームに対応したCopyQの導入方法と、使い方を解説してみたいと思います。
CopyQ Clipboard Managerとは
CopyQはシステムクリップボードを監視し、その内容をカスタマイズしたタブに保存します。保存されたクリップボードは後でコピーして任意のアプリケーションに直接貼り付けることができます。
公式ページはこちら、ドキュメントも含め英語でしか記載がありませんが、ソフトウェア自体は日本語化されています。
また、ドキュメントの内容は平易な英語表現なため、Google翻訳でもほとんど違和感のない文章になります。
提供されている機能としては
- Linux、Windows、OS X 10.9以降のサポート
- テキスト、HTML、画像、その他のカスタムフォーマットを保存可能
- クリップボード履歴内の項目をすばやく参照、フィルタリング
- 並べ替え、作成、編集、削除、コピー/貼り付け
- タブ内のアイテムのドラッグアンドドロップ
- アイテムにメモやタグを追加可能
- カスタマイズ可能なコマンドによるショートカット
- ショートカット、トレイまたはメインウィンドウからアイテムを貼り付け
- 高度なコマンドラインインターフェイスとスクリプト
- Vimエディタライクなショートカットのサポート
- 一部のウィンドウからコピーされたクリップボードを無視
と基本的なものから高度なカスタマイズ機能まで用意されています
機能の数は多いですが、クリップボード履歴管理としてシンプルに使う場合は、全然難しくありませんので解説記事を参考にさわってもらえば心配いりません。
それでは導入方法を確認していきましょう！
インストールと初期設定
Windowsはインストーラーパッケージでのインストール。Macの場合はHomebrewを使って「brew cask install copyq」コマンドでインストールするのが最も簡単で躓きにくいです。
ここでは、Windowsのインストーラーでの流れと初期設定について説明していきます。
https://github.com/hluk/CopyQ/releasesより最新のインストーラーパッケージを取得します。
執筆時点では、最新版（Latest release）はv3.7.1でした。
ダウンロードしたインストーラーパッケージを通常と同様、ダブルクリックなどで実行します。
いきなり英語の画面で不安になるかもしれませんが、利用画面は日本語化されていますので安心してください。
他は、初期選択値のままで進めていけばOKなので、スクリーンショットだけ掲載しておきます。
「Finish」でCopyQを起動するとタスクトレイにハサミのアイコンが表示されます。
インストール直後はキーボードより呼び出すキーが割り当てられていません。設定するためにアイコンをクリックしてCopyQを表示します。
次にファイルメニュー内の「コマンド/グローバルショートカット」を選択してCopyQの画面を表示します。
下記画面が表示されるので「追加」ボタンをクリックします
追加候補の一覧から「メインウィンドウの表示切り替え」を選択します。
選択後下記の画面に戻り、「＋」ボタンを押してショートカットキーの割り当てを要求します。
ショートカット割り当てのダイアログが表示されるので任意のショートカットキーを割り当てましょう。
- Windows「Ctrl+↓」
- Mac「Command+↓」
割り当てがすんだら下記のような表示となりますので、「OK」を押して画面を閉じます。
割り当てたショートカットキーの押して、メインパネルの表示/非表示が切り替わるか確認してください。
途中で複数の操作を行うと設定の保持に失敗する事があるようなので、うまくいかなかった場合は、はじめから登録まで一気に進めてみてください。
次に、選択値を呼び出した入力項目へペーストする為の設定を行うため「ファイル(F)＞設定(Ctrl+P)」を選択して設定ダイアログを表示します。
履歴(H)タブの中にある「現在のウィンドウに貼り付け」オプションにチェックをつけて保存します。
以上で最低限の初期設定は完了です。
標準では、CopyQの機能の有効/無効は「Ctrl+Shift+x」となっており、押すたびに有効/無効が切り替わります。
トレイやウィンドウのハサミアイコンが開いていれば有効、閉じていれば無効です。
基本的な使い方
登録したショートカットキーでメインウィンドウを表示して、履歴から貼り付けをを行う基本的な使い方のイメージが伝わるように動画にしてみました。
ここまで説明した導入方法と初期設定ができれば、動画と同じように動作するはずです。
アイテムの並べ替えは、移動キーでもドラッグアンドドロップでも可能です。
定型文など、よく使うアイテムはタブを用意して、まとめて保持するようにすれば便利です。
まとめ
マルチプラットフォームに対応したクリップボード拡張ソフトのCopyQは検索しても解説記事があまりないし、英語の公式サイトに躊躇して試してみたことがない方も多いのではないでしょうか？
説明したように、基本的な使い方だけなら非常に簡単ですし、英語も出てきません！
高度な使い方をする場合は、他のOS専用ソフトの方が情報が多かったり、初めから求める機能が用意されていたりする場合もあります。
しかし、筆者はマクロや複雑な編集はIDEやプログラミングエディタなどを使う事が多いのでクリップボード拡張にはそこまで高度な機能は求めません。それよりもWindowsとMacの混在環境などで共通の使い勝手を求めてCopyQを使っています。
興味がわきましたか？需要があれば、より高度な使い方やTipsを追記してみたいと思います。
まだ、クリップボード履歴・拡張ソフトを使ったことがない方は、前回の「Windows10 October 2018 update」で追加された拡張機能でも良いのでぜひ一度、試してみてください。
すぐ手放せなくなり、なんでもっと早く使わなかったんだと感じますよ。
