はじめに
世界各国から AWS のユーザやパートナーがラスベガスで一堂に会する AWS のグローバルイベントである AWS re:Invent。
このイベントでは AWS のアップデートや裏側の仕組み、事例に関するセッションやゲーム形式でトラブルシューティングをするセッション、AWS を利用した展示物など様々なコンテンツを体験することができます。
毎年 11 月末や 12 月初めで開催されるこのイベントに、私は新卒 3 年目の 2022 年から 3 回連続で参加しています。
この re:Invent というイベントの多くのセッションはオンラインでも視聴でき、後日アーカイブが残ります。
にも関わらず、私が 3 年も連続でわざわざラスベガスへ行くことについて、今年は何人かの方から『なぜ現地に行くのか?』という質問を受けることがありました。ただ、カジノや懇親会、新規アップデートの臨場感など、その場その場で思いつくままに回答していただけでした。
そこで、本記事では、私がなぜ毎年 re:Invent に現地参加するのかという理由と参加する際に意識した方がいいことを整理してみたいと思います。
本記事の対象は「re:Inventに現地参加したことのない」という方よりは、「一度現地参加したことがあるが、また行くか検討している」という方向けになるかと思います。
また、あくまでも一個人として参加にフォーカスしているため、「会社として、業務として参加する」といったケースの目的とはズレていると思います。
なぜ re:Invent に行くのか
1. AWS のアップデートやセッションをテーマに参加者同士で意見交換ができる
前段で書いたように re:Invent では新規サービスに関する発表やエモい話などがあるものの、エンジニア経験ゼロから新卒でエンジニアデビューした私には「新サービスはユーザのどんな課題を解消するのか」や「話のどこがエモいのか」など分からないことがたくさん出てきます。
例えば今年で言うと「新サービスの DSQL が Spanner より 4 倍高速と言える根拠」や「 4 日目の Dr. Werner Vogels のキーノートで伝えたい内容」など、正直分からなかったです。
しかし、re:Invent に現地参加している場合、抱いた疑問について、ある程度答えをくれるエキスパートや、長年 AWS に携わっている日本人参加者がいるので、ランチや夜の飲み会など懇親会の席で質問してみると各々の答えが返ってきます。そのようなことを繰り返しているうちに、AWS のアップデートに対して様々な視点からの意見が自分の中に溜まっていき、知識に広がりが出てきます。
これが、日本からオンライン視聴を前提とする場合、私なら以下の理由で re:Invent に対するモチベーションの失われる未来が見えるかもしれません。
- 時差の関係上、日本の深夜帯にセッションがあるので、日本にいる人はそもそも視聴してない
- X の投稿でキャッチアップしようとするも、寝ているうちに投稿が大量に流れて、追う気が失せる
- re:Cap イベントで聞けるが、それまで待たないといけない
- 待っているうちに質問は忘却の彼方へ消え去る
- 「そもそも現地に行ってないので、追う必要なくね...」となる
※ただ、今年は一部の方々が日本のコテージに集まって「re:Invent 合宿」的なことをやっているのを X で見かけ、こういった取り組みが広がるといいなと思いました。私が現地へ行けなかったら、どこかに集まって深夜にセッションを視聴して、意見を交わし合うようなことをしたいです。
↑ DSQL が Spanner より 4 倍高速と言われてよく分からなかった。
2. 仲間が増える
re:Invent へ参加する日本人は言語や文化の異なる国へ共に行き、AWS というテーマで語り合い、同じような食事や体験をします。私はそのような環境で知り合った人は鮮明に記憶に残り、日本に帰国して、AWS のコミュニティである JAWS-UG や企業が開催する振り返りイベントで再会、その後 1 年、2 年と関係が続いていくということが多いです。
また、毎年東京と大阪では re:Invent 事前勉強会が開催されるので、そういった勉強会に参加して知り合いを作ってから現地に行くと、いざという時に re:Invent の歴戦の猛者たちを頼ることができると思います。
ただし、この人を頼るという点について、人によっては躊躇してしまうかと思います。
私自身も性格的に人を頼るのが苦手で 1 年目、2年目の参加時は事前に人を頼ることができませんでした。
そのため、現地で迷惑をかけたり、結局頼ってしまうことになったりと反省することが沢山ありました。
そのため今年はマインドを変え、思い切って人に頼り、re:Invent 歴戦の猛者たちの現地での立ち回りを学んで、来年以降に自分が誰かをサポートできるようになろうと、申し訳ないとは思いつつ、re:Invent に臨みました。
その結果、心に余裕ができたのか、今まで以上の現地体験が面白くなり、周りが見え、誰かのサポートもできたのではないかと思います。( 3 年目で慣れてきたとか他にも要因はあるとは思いますが)
3. 非日常から受ける刺激
正直、去年と今年、出発前は「今年で最後にしよう、来年は行かない」と思っていたのですが、帰国する頃には「来年もあれをやりたい」「うわっ...あれができなかった...来年はやろう」と思い、気づけば来年も参加したくなっていました。
12 月初めの短いようなで長いような re:Invent 期間を仲間と海外で過ごし、複数の会場に跨って開催される大規模なイベントで AWS に浸る日々。
単純な海外旅行でも日本国内の AWS 関連のイベントでも得られない、この経験や学び、刺激は私にとって re:Invent は他には代え難いものであり、この約 1 週間のために、来年も 1 年、辛いことや苦しいことにも耐えられると思ってます。(ただしこの考えは、仮に re:Invent に行けなくなった際の反動が大きく、諸刃の剣感があるのでオススメはしません)
おわりに
本記事では私の re:Invent に現地参加する理由や 3 回の現地参加を通して学んだことを一部抜粋してみました。
re:Invent に現地参加する理由は人それぞれだと思っており、私が記載している以外の理由をあげられる方もいるかと思います。
今年の re:Invent で Dr. Werner Vogels は「Share your Lessons」と言っていましたし、もし「re:Invent に参加する理由をアウトプットしても良い」という方がいれば、ぜひブログや登壇などでアウトプット、していただければと思います。
また、今年もしくは過去に re:Invent へ参加したことがあるものの、再度参加するか迷っている人がいれば、来年の re:Invent 参加を改めて検討してみてもらえればと思います。
↑ キーノートを生で見た際はあまり印象に残っていなかったが、一緒に現地参加した方があまりにも「Share your Lessons」を連呼するもので、今年のキーノートの中で一番印象に残ってしまいました