はじめに
2024年11月にアメリカのシカゴで開催のMicrosoft Ignite 2024に、初めて現地参加してきました!
既にIgniteのPre-dayについてレポート第一弾、Labについてレポート第二弾で紹介しました。
今回はレポート第三弾として、対面アクティビティが豊富な空間である Hub について紹介します。現地参加ならではの対面コミュニケーションを通して、Microsoft製品の最新情報を学べるチャンスとなります!
Hubの概要
Hubでは、広いホールの空間を使って様々な種類の対面アクティビティが行われていました。
例としては、以下のようなアクティビティがありました。
アクティビティ | 概要 |
---|---|
Meet with Experts | Microsoft製品ごとにブースが設けられており、Microsoftやパートナー企業の担当者と会話できる機会。 |
Community Hub | 小さめの空間で、50人程度の少人数に向けて行われるプレゼンテーション。 |
Community Roundtable | 最大10人程度が座れる円卓で行われる対話やディスカッション。 |
その他のFun activities | AI関連のお楽しみアクティビティ(気分転換になります)。 |
ちなみに、Hubで行われるアクティビティは録画されないものがほとんどです(これに対し、Breakoutセッションは後日録画を確認できます)。
現地参加したのであれば必ず立ち寄るべき場所だと思いました!
各アクティビティの紹介
ここでは、現地参加してみたHubのアクティビティのうち、一部を紹介します。
Meet with Experts
Microsoftの製品について直接担当者と話ができるチャンス。
担当者の職種はエンジニアだけではなかったようですが、特に技術的に詳しい方は「Expert」と書かれたバッジをつけていました。
実際、細かい話をするとExpertの方に交代していたケースが多かったです。
参考:ブースのカテゴリの例(クリックして展開)
Apps
- GitHub Copilot & Visual Studio
- GitHub
- Cloud Deployment Environment
- DevOps & Platform Engineering
- Intelligent Apps
- Azure App Service and .NET Web Apps
- Azure Kubernetes Service
- Serverless on Azure
- API Management and Integration Services
- Java and .NET App Modernization
AI
- Azure AI
- Azure AI Model Catalog
- Azure OpenAI Service
- Azure AI Agent Service
- Azure AI Foundryv
- Azure AI Services
- Trustworthy AI
- Azure AI Search
Data
- Microsoft Fabric
- Microsoft Power BI
- Microsoft OneLake
- Fabric Databases
- Azure SQL and SQL Server
- Azure Cosmos DB
- Azure Databases for PostgreSQL and MySQL
- Azure Managed Redis
Security
- Microsoft Security Copilot
- Microsoft Defender for Cloud
- Microsoft Defender XDR and Microsoft Sentinel
- Exposure Management
- Secure and Govern AI
- Microsoft Purview
- Microsoft Entra
- Microsoft Intelligent Security Association
- Microsoft Intune
聞いてみたこと
参考までに、具体的には、こんなことを聞けました。セッションで話されていた製品について気軽に聞ける、おすすめセッションを教えてくれる、などメリットがあります。
日本にいる同僚にチャットして「Meet with Expertsというコーナーがあり、聞きたいことありますか?」と質問を募集し、実際に質問したものもあります。
※以下は回答いただいた方の意見であって、Microsoftとしての公式見解と一致するとは限らないと思います。
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Microsoft Defender XDR and Microsoft Sentinel
- Q: Microsoft Sentinel相当の機能がMicrosoft Defender XDRにも備わっているように思いますが、違いは何でしょうか?
- A: 基本的に同じ機能であって、Microsoft Defender XDRからMicrosoft Sentinelと同じ機能を使えるようになっています。
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Microsoft Security Copilot
- Q: 何かセキュリティ上の問題が発生したときに、Security Copilotが自動的に対処してくれることはありますか?
- A: Security Copilotはあくまでも、人間の指示に基づいて動きます。Security Copilotが自律的に判断して動くことはありません。
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Trustworthy AI
- Q: Azure OpenAIではContent Filteringという機能でAIセキュリティ対策をしていますが、これ以外にもAIセキュリティ対策に使える機能はありますか?
- A: 研究段階ですが、PyRIT (Python Risk Identification Tool for generative AI)というツールをOSSとしてリリースしています。チェックしてみてください。
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Azure AI Agent Service
- Q: AutoGenやSemantic KernelなどAgentを作るためのフレームワークが存在しますが、それらとはどう違うのでしょうか?
- A: Azure AI Agent ServiceはノーコードでAgentを作成することに特化したクラウドサービスです。AutoGenやSemantic KernelはプログラミングでAgentを定義する点で異なります。
-
Azure AI Foundry
- Q: 今朝のKeynoteでAzure AI StudioがAzure AI Foundryになるとのことでしたが、いつから変更されるのでしょうか?
- A: 実は、発表時点で既に変更になっています。ぜひAzureポータルを触って確認してください。
Community
Communityではまず、Microsoftが主体のコミュニティであるMicrosoft MVP (Most Valuable Professionals)や.NETコミュニティのセッションのほか、Microsoftが関わっている一般のコミュニティ (例:Global AI Community)に関するトークがありました。
その他、「信頼できるAI」や「AIでの品質保証」などのカテゴリ別のトークもありました。
ちなみに、Communityのエリアの入り口付近で、近くにいる担当者からどこから来たか聞かれるのですが、下図のようなモニターに地域を追加してもらえます(参加者の地域、という意味でのコミュニティですね)。
こう見ると、日本(特に東京近辺)からも、けっこう参加者がいたようですね。
Community Forum
Community Forumでは、AIのアクセシビリティ(障がいを持つ方々のAIによる支援)や、Trustworthy AI(信頼できるAI)の講演を聞きました。
いずれもBreakout Session(レコーディングされる長めのプレゼン)でも同じテーマの講演があったようです。ただ、Community Forumでは発表時間は短めで、聴講者からの質疑の時間を多めにとっていました。
講演後も、登壇者と聴講者の一部が話し合っていて、コネクションを作っているようでしたので、講演テーマごとのコミュニティを広げるのがねらいのようです。
Community Roundtable
Community ForumとCommunity Roundtableの会場は同じエリア内に隣り合わせで配置されていました。
以下のように円卓が並んでいるのですが、左奥にForumの会場が映りこんでいますね。
Roundtablesというだけに、テーマごとに円卓が複数あり、テーマのリーダー(Microsoftやパートナー企業の方)が1、2人つきます。注意点としては、自分がどの円卓に配置されるかは行ってみるまでわかりません。同様に、リーダー以外の参加者が誰になるかも事前にはわかりません。
昼のセッションはたくさん人が集まっていましたが、夕方以降だと人が少なかったです。状況に応じて別のアクティビティを見るように変更するなど、代替案を考えておくと良いかもしれません。
今回は、Global AI Communityという、世界中に支部がある一般のコミュニティのセッションに参加してみました。
AIなら基本的に活動対象になるというということで、支部ごとの興味に応じてビジネス、技術に関わらず様々なテーマで活動しているそうです。
Microsoftのエンジニアに登壇を依頼することもよくあるということで、今回Igniteの場でもRoundtableセッションを持つことにしたそうです。
日本を含むアジア地域にはまだ支部がないそうですので、アジアにも流れが広がってくると良いですね。
他のコミュニティと合同で活動することも可能ということなので、日本でAIコミュニティがあれば、連携すると面白いかもしれませんね。
Roundtableでは参加者との英語での議論を通して、上記のような情報が得られました。最初から話す内容が決まっているわけではなく、話題は議論の流れに左右されるので、運要素が強いです。
Fun activities
Coffee with Copilot
広いHubスペースの中央あたりにバーのような見た目のブースがあり、Coffee with Copilotというコーナーだけに「Copilotにコーヒーを淹れてもらえるのか!」とわくわくしていました。
実は、バーにあるCopilot PCでCopilotを使った検索をしたら、カウンターの方から缶コーヒーをもらえる、というオチでした。Copilotで検索するお題の紙を渡されて入力しましたが、入力内容はコーヒーとは無関係でした...。
缶コーヒーを頂けたのでありがたかったです。話題にもなりますし、企画担当の方はよく考えておられるなぁと思いました。
AI Postcard Station
同じくHubの中央付近では、AIが自分のオリジナルポストカードを作ってくれるAI Postcard Stationがありました。
私も試したかったのですが、いつ行ってみても列が長く、断念してしまいました。
会場の様子は下図のとおりです。
おわりに
今回はIgnite 2024 現地参加レポートの第三弾として、対面アクティビティが豊富なHubについて紹介しました。
現地参加ならではの体験ができるので、現地参加したなら、毎日通ってたくさん情報を入手したり、コミュニティとのつながりを作ったりしたいところです。
私のIgnite 2024のレポートはこれで最後としたいと思います。最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました!