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はじめに

女性エンジニアの方の多くはソフトウェア系だと思います。
難病持ちという状況的にもかなりめずらしい立場でしょう。
参考にならないかもしれませんが、何か参考になる部分もあると思って書いてみます。

女性エンジニアの困りごと

今の職場では、男女の違いはあまり感じないですし(正確には個体差のほうが大きい)、女性が少ないことで特に困ったことはありません。
大学時代から女性は少なかったので、慣れているのかもしれません。

どちらかというと、以前は女性コミュニティがなんとなく苦手でした。
今はエンジニアでいることで、ある程度の距離を取ることができ、うまくやれています。

あとは、現職ではありませんが、過去に同期に「女は結婚して家庭に入ればいいから楽でいいよな」と言われて、マジでふざけんなと思ったことがありますが、これはどんな立場でも言われそうですね…。

女性エンジニアが少ないからと、女性!女性!と言われるのが一番対応に困るかもしれません。
好きで女性に生まれたわけでもないですし、性別を理由にエンジニアになることを悩んだことはないです。
仕事で女性エンジニアを取り上げるような話が来る場合は、どの案件の工数とすればいいか、そもそもエンジニアとしての作業を疎かにしてまでやるべきか悩みますし…。

ですが、難病・女性・ハードウェアエンジニアというニッチな立場を鑑みて、いつかは何か書きたいと思っていたので、この機会に書かせていただきました。

女性エンジニアのいいところ

ちなみに、女友達と遊ぶとき、大体相手は理系ではないので、視点の違いがとても大きな刺激になります。
私が、ああ、耐久性が…とか、表面精度が…とか、このバネは鳴くね…、とか、返事に困ったときにコンパイルエラーです‥‥などとぼやいていると大体笑っていただけるので、相手もおそらくそうなのでしょう。

あと強いて言えば、夫と技術的会話が弾むこと、技術提供しあえること、お互いの開発の理解を得やすいことでしょうか。
最新の3Dプリンタを導入したとき、夫は「よく奥さんの理解を得られたね…」と言われたらしいです。(欲しかったのは私である)
家庭内でも技術から離れられないのはデメリットでもあるかもしれません。

プロフィール

  • ハードウェアエンジニア / インタラクションデザイナー
  • 理系院卒(ロボコン出身)
  • 超大手 → 休職 → ロボットベンチャー → 休職(難病判明&手術)→ 復職
  • 国指定の難病持ち(脳・内分泌系)
  • 週4勤務(出社メイン、リモート可、フレックス)
  • 趣味でもモノづくりする / イベント出展・主催する

昔からロボットが好きで、学生時代はロボコンをやっていました。
趣味でもロボットを作っていました。
現在は、ロボットベンチャーで、メカ・回路・組み込みソフト開発、インタラクションデザイン、など、ハードウェア寄りで多岐にわたる仕事をしています。
インタラクションデザイナーとは何ぞやというと、ロボットがどんなセンサからどんな入力を受けてどんなインターフェースでどんなふるまいをするか‥というロボットのコンセプトを設計するような仕事です。
インタラクションデザインから実装まで一通りやることもあります。

エンジニアのやりがい

自分の作ったモノが世に出る

アイデアが採用されたとき、それが形になったとき、開発メンバーと議論するとき、試作品ができたとき、プレスリリースが出たとき、工場試作品が出てきたとき、FWがFIXしたとき、量産が始まったとき、出荷されたとき…など、やりがいを感じる段階はたくさんあります。
発売後、グッドデザイン賞などの賞や、講演のお話を頂くこともあり、これもやりがいです。

ですが、私にとって一番嬉しいことは、心をめちゃくちゃに砕いて作ったプロダクトが、ユーザーさんの元に届き、その反応をそっと見守れることです。(ネガティブな反応も真摯に受け止めています。)

プロダクトは、私たちの手を離れた後、ユーザーさんの手元で新しい関係が築かれていきます。
私が開発していた家庭用のロボットならば、どんな風に過ごしているのか、どのタイミングでどんなふるまいが発現しているのか、どういう存在になっているのか…。
それを見守っていけることが、私にとっては、一番の開発の醍醐味です。
このふるまいがかわいい、このプロダクトのおかげで癒された、支えになっている、などと、ユーザーさんから声をいただけると、本当にエンジニアでよかったなと思えます。

他のエンジニアと話していると、頭の中にあるものがアウトプットできることにやりがいを感じる方や、手を動かして作ること自体にやりがいを感じ、納品後のことは気にしていないタイプの方や、プロダクトがたくさん売れることにやりがいを感じる方もいます。
やりがいを感じる場面は人それぞれですね。

ハードウェア系のやりがい

ハードウェアは、見た目、動きなど、個性が見える形で出やすいので、やりがいを感じやすいと思っています。
ハードウェアエンジニアでない人たちに対しても、オリジナリティが伝わりやすいです。

3Dプリントするだけでも進捗でます!!!
体調悪い時に3Dプリントしておけば、休んでいる間に印刷されて進捗が生まれるので、素晴らしいと思っています…。本当に…。
基板も発注したらあとは製造、場合によっては実装までやってくれますし!!

ただ、開発環境準備のハードルの高さ(場所、費用、音、家族の理解…)、材料費、開発に使うモノがモノによって異なる多様さ、どうしてもモノがないと話が進まないことから、フルリモートが難しいのですが‥‥。
私の会社には、博士号取得のため、リモート多めの方もいます。リモートできなくはない。

趣味と仕事が相互に活きる

趣味のエンジアリングと、会社でのエンジアリングが、相互的に活きることも魅力です。
イベントに出展、時には主催するので、そこで得た人脈や経験が、仕事に活きることもあります。

例えば、会社で学んだ回路設計の知識のおかげで、自分の作りたいロボットの回路が組めたり。
趣味で開発していたロボットが、仕事中に出たバグと同じバグを踏み、バグの解決ができたり。
プライベートで知り合ったエンジニアが会社に遊びに来てくださったり。
プライベートの時間でQiitaに書いた技術を、仕事で見返して使うこともあります。(割と多い)

手に職があることはいいことだ

私は難病のため、週5、8時間、出社必須、で働くことがかなり厳しい状況です。
休職・転職をしたのは難病が分かる前でしたが、理由の一つとして、体力が持たなかったことがあります。土日寝たきり状態。
最大の理由は、大好きなロボット作りができないから、でしたが‥‥。

新卒すぐの休職であり、体調的に復職も考えられず、絶望の淵に立たされましたが、趣味で作っていたロボットに興味を持っていただき、現在のロボットベンチャーに拾われました。

エンジニアのやりがいとは少しずれますが、大学でのロボコン経験と、趣味でもモノづくりで、自分の手を動かしてきたことが自分を救ってくれました。
難病は医療費も馬鹿になりませんが、これも同じく手に職があることに助けられています。
基本頭を使う仕事であり、体力仕事ではないので、そこも病気と相性はいいです。
体調不良の日や、平日の通院・役所手続きの日もありますが、週4勤務のおかげでうまく調整できています。

手術入院なども乗り越え、現在の会社で働き始めて6年目と、かなり安定して働けていると思います。
もちろん、そこに甘えず、色々なところにアンテナを張って学び続ける必要はあると思います。

おしまい。エンジニアはいいぞ。

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