私には難しすぎた
「TCP/IPとは、全世界共通の通信のためのプロトコル群のことで、コンピュータネットワークの基盤を支えているものです」
この説明では、私には難しすぎました。
そこで今回は、株式会社アンクの『TCP/IPの絵本』を読みながら、身近な具体例を通してTCP/IPへの理解を深めた過程をシェアします。
私たちの身の周りにあるネットワーク
「TCP/IPとは、全世界共通の通信のためのプロトコル群のことで、コンピュータネットワークの基盤を支えているものです」
この一文を理解するためには以下の3つの単語を理解する必要がありそうです。
- プロトコル
- コンピュータ
- ネットワーク
まず初めにネットワークから考えていきます。
「ネットワークとは何か。」
奥が深そうな問いです。
参考書籍の序章にて「ネットワークはIT用語以外にも使われる言葉」といった内容が示されています。
確かに人間界の用語で
- 地域ネットワーク
- 市民ネットワーク
といった言葉を耳にします。
ITを学んでいる方なら、勉強会に参加したりスクールに所属している人も多いと思いますが、これはある特定の目的を満たすために形成されたコミュニティであり、1つのネットワークという印象を受けます。
これらに共通しているのは、
ネットワークという網の中にいる人たちが、つながり、やり取りをし、さまざまな活動を行っているという点です。
ネットワークの本質
(1)ネットワークは資産をやり取りする
TCP/IPの絵本では、ネットワークを以下のように定義しています。
> 「情報や労働など、何らかの資産をお互いにやり取りできる状態」
やり取りする資産は、ネットワークによって多岐に渡ります。
書籍では市民ネットワークを例にボランティア活動が挙げられています。町内会のお祭り、清掃活動、地域の育児や介護サポートなどが挙げられそうですね。
IT学習コミュニティのネットワークであれば、LT会やハッカソン、もくもく会などを通して資産をやり取りしていると思います。
(2)ネットワークはルールを必要とする
有益な資産を円滑にやり取りするには、どうしたら良いでしょうか。
運営のルールがあると良さそうです。
参加人数が増えて、ネットワークが大規模になればなるほど、円滑に進めるためのしっかりとしたルールが必要になるイメージが湧きます。
ルールは可能な限りシンプルであって欲しいですが、1つでは心許ないので、複数のルールが必要そうです。
コンピュータ同士のネットワーク
コンピュータ同士のネットワークにも同じことが言えるようです。同じこと、とはつまり
- なんらかの有益な資産を互いにやり取りする
- そのためのルールを複数必要とする
ということです。
長くなりそうなので、「コンピュータってそもそも何?」という疑問はまた別記事で検討したいと思います。(記事が出来次第リンクを貼ります。)
TCP/IPを理解する上で必要なコンピュータに絞って考えてみると、
「コンピュータは、人間よりも厳格な指示を必要とする」
という点が重要だと感じます。
だから、コンピュータ同士のネットワークは、人間同士のネットワークに比べて厳格かつ長大なルールが必要になるようです。
TCP/IPとは何か
この厳格で長大なルールのまとまりこそが、TCP/IPです。
具体的には以下のような名前のルールがあります。
- HTTP ・・・ HyperText Transfer Protocol
- FTP・・・ File Transfer Protocol
- TCP・・・Transmission Control Protocol
- UDP・・・User Datagram Protocol
- IP・・・Internet Protocol
(ルールはこれ以外にもたくさんあるようです。今後、1つ1つ学んでいきたいです。)
なぜTCP/IPという名前なのでしょう?
「TCPとIPの組み合わせが基軸となるから」
と本に記載がありました。
中心的なルール名をとったのですね。
プロトコルとは何か
ネットワーク、コンピュータと進んできたので、残すはプロトコルです。
何度も登場するプロトコル(Protocol)とは一体なんでしょう。
薄々、ルールのことを言うのだな、とわかってきました。
プロトコルの言葉の意味は「議定書」だそうです。すごくお堅いイメージがあります。
実際、本当にお堅いことがわかりました。
以下は、IP(Internet Protocol)の原文です。(『プログラミング/システム』という書籍で、この原文の存在を知ることができました。参考文献は最後に記載。)
IPv4の仕様定義書
動作や構造に関する詳細な説明が含まれているそうです。
1つのプロトコルでこの分量とは、驚きました。
さっぱり理解できなかったTCP/IPのイメージが少し掴めてきました。
では、まとめます。
結論
TCP/IPとは
- 全世界共通の通信ルール
- コンピュータ同士が有益な資産を円滑にやり取りするための仕組み
- 厳格に記述された複数のルールの総称
TCP/IPがもたらした世界
TCP/IPの画期的なところは、全世界共通という部分にあるようです。
開発されたのは、1960年代のアメリカ。細かい歴史はまだ勉強が必要ですが
「LAN(ローカルエリアネットワーク)を越えたデータのやり取りができたらいいのに」
という研究者達の願いが、この画期的な技術を生んだようです。
全世界共通のルールであるTCP/IPは、異なる仕組みを持つコンピュータ間のやり取りを可能にしました。
これがのちに、全世界を結ぶ巨大なネットワーク、インターネットの実現をもたらすことになります。
コンピュータの仕組みが同じでなければ通信が行えない世界は、想像するだけでもとても不便に感じます。
知らない間に、TCP/IPの恩恵を受けてきたことを知りました。
有益な情報資産を互いにやり取りできるインターネットに感謝して、これから学んだことをQiitaに書いていきます。