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DelphiAdvent Calendar 2024

Day 6

【Delphi】Delphi 6 について

Last updated at Posted at 2024-12-05

はじめに

『Delphi 6』 についての概要です。

image.png

概要

製品概要です。

項目 説明
製品名 Delphi 6
コードネーム Iliad
発売年 2001
発売元 Borland Software Corporation
ビルドバージョン 6.0
コンパイラバージョン 14.0
BDS バージョン -
サポートプラットフォーム Windows (/ Linux)

前バージョンとの違い

  • マルチプラットフォーム用フレームワークとして CLX (Component Library for Cross Platform) が採用された
  • バリアント関連が Variants ユニットへ移動された
  • 列挙型に任意の値を割り当てられるようになった
  • 汎用的なインターフェイス型 (IInterface) が使えるようになった
  • {$If} コンパイラ指令が使えるようになった
  • CONDITIONALEXPRESSIONSCompilerVersion が使えるようになった
  • インラインアセンブラが MMX 等に対応した
  • 改行が LF のソースコードを扱えるようになった
  • テキスト形式 DFM が Unicode 対応となった。U+0080 以降のコードポイントの文字は 10 進数で表される UTF-16LE でエスケープされるようになった
  • バイナリ形式 DFM が Unicode 対応となった。U+0080 以降のコードポイントの文字は UTF-16LE で格納されるようになった
  • カスタム Variant が作れるようになった
  • 複素数計算用のユニット VarCmplx が追加された
  • 度量衡計算用のユニット ConvUtils が追加された
  • 文字列操作用のユニット StrUtils が追加された
  • BCD 演算用のユニット FmtBcd が追加された
  • XML をサポートした ([XML データバインディング]XMLDoc)
  • コンポーネントエディタ用インターフェイス (dsgnintf)の変更
  • WebBroker が強化された (Enterprise 版には WebSnap も追加された)
  • 生成した実行形式バイナリが Win32s で動作しなくなったと思われる (そもそも Delphi 2 ~ 5 で作った空のフォームのある VCL アプリケーションですら Win32s では動作しない)
  • IDE の強化 (コードエディタのタブの入れ替えなど)
  • Delphi 5 にあったデータモジュールデザイナが廃止され、左側ペインは [オブジェクトツリー]、[データダイアグラム]ページはコードエディタ下部の[ダイアグラム]ページへ移動した
  • ネットワークコンポーネントとして『Indy (Internet Direct)』が付属するようになった
  • 製品のアクティベーションが必須となった (従来はプロダクトキーのみ)

その他

  • 初のマルチプラットフォーム対応 Delphi
  • CLX アプリケーションは Windows 版を『Delphi 6』で、Linux 版を『Kylix』または『Kylix 2』でビルドする
  • 『Kylix』『Kylix 2』のコンパイラバージョンも 14.0
  • ヘルプが劣化している (恐らく CLX 対応でページ数が増えすぎた事による Windows 9x での制限)。
  • BDE (Borland Database Engine) の最終バージョン (ver5.2) が付属する
  • 以降、DBX (dbExpress) が付属するようになった
  • 無償版の『Delphi 6 Personal』が公開された
  • DFM の挙動を Delphi 5 に合わせるレジストリキーが存在するが、Delphi 7 以降には存在しないので使用しない方がいい
  • Synchronize() が DLL 内で動作しなくなった
  • TBitmap にバッファオーバーフローの脆弱性がある
  • W32/Induc-A に感染する
  • Borland を冠する社名に戻った
  • 前年の 2000 年に『Windows 2000』と『Windows Millennium Edition (Me)』が発売されています
  • 2001 年は『Windows XP』が発売された年です

image.png

コンポーネントエディタ用インターフェイスの変更

Delphi 5 までに存在した DsgnIntf は廃止されました。 多くの場合、DesignIntf, DesignEditors に置換すれば動作します。

設計時パッケージの requiers には DesignIDE.dcp を含める必要があります。

See also:

次に

『Kylix』 についても触れておく必要があると思います。

Kylix

Linux で動作する統合開発環境です。
CLX を使ったマルチプラットフォーム対応 (Windows / Linux) が可能です。

image.png

言語としては Object Pascal (Delphi) と C++ が使えます。「Kylix = Object Pascal」ではありません。

発売年 製品名 言語 コンパイラ
バージョン
対応する
Windows 環境
2001 Kylix Object Pascal 14.0 Delphi 6
2001 Kylix 2 Object Pascal 14.0 Delphi 6
2002 Kylix 3 Object Pascal
C++
15.0 Delphi 7
C++Builder 6
  • 『Delphi 7』には『Kylix 3』の Object Pascal 版だけが使える『Kylix 3 for Delphi』が付属しました
  • 『C++Builder 7』は発売されていませんので、Kylix 3 (C++) と C++Builder 6 には若干のミスマッチがあると思われます
  • 無償版である Open Edition もリリースされました

image.png

おわりに

『Delphi 6 Personal』のおかげで Delphi ユーザーが増えた印象があります。

  • 『Delphi 6 Personal』が CD-ROM に収録されている書籍は結構あります。
  • 『Kylix Open Edition』が CD-ROM に収録されている書籍も結構あります。
  • 現在、Embarcadero によるアクティベーションは受け付けられていないと思いますが、インストールさえできれば未登録のままでも動いたと思います。

See also:

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