はじめに
2024年10月から受けれるようになった 「AWS Certified AI Practitioner (AIF-C01)」 ですが私も2ヶ月後の12月に取得しました。普段からAWSもAIも触ってはいるのでCLF感覚で受けてしまって試験当日は思っていたより難易度が高く焦りました。
本記事はAIFの攻略法というより、AIFを取得しようか悩んでいる方向けに作成しています。
メリットをひたすらお伝えします!悩んでいる方、この記事を見終えた頃には迷わず学習を始めたくなるでしょう。
まず、このAIFですが
- AIを使いこなしたい
- 生成AIどこから勉強すればいいかわからない
という方にとてもおすすめです!!
いきなり本格的なAIプロジェクトのマネジメント/開発/運用するのはハードルが高い、と感じる方も多いでしょう。そこで一つの入り口としておすすめなのがこの資格です!
とはいえ、AIFを取得したからといって、すぐにAIプロジェクトのマネジメント/開発/運用が出来るというわけではありません。それでも、資格取得の勉強を通じて得られる AI/ML/LLMの基礎理解 と AWSでの実践的なノウハウ は、これからAIスキルを広げようとする人に大きなメリットがあるかと思います。さらに、AIFを“きっかけ”にして、後々 MLA や MLS といった上位資格を目指したり、生成AIやLLMの実装を深く学んだりする道が開ける点も魅力的です。
AI技術への最初の一歩を、AWSで踏み出してみるのはいかがでしょうか。
試験の基本情報
AIFは、AI/ML/LLM などの幅広い概念を、AWSを通じて体系的に学べる資格です。
下記の表を参考にして、まずは試験の概要をおさえましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
試験名 | AWS Certified AI Practitioner (AIF-C01) |
試験内容 | AI/ML、生成AIテクノロジー、関連AWSサービスとツールに関する総合的知識 |
試験時間 | 90分 |
問題数 | 65問 |
合格点 | 700点 / 1,000点 |
公式には「AWSを用いたAI/MLソリューションに最大6か月携わった方」が推奨対象とされていますが、AI開発の経験がなくても学習を始める価値は十分あります。実際、AIに興味はあるが、どこから手をつけていいのかわからない という悩みを解消してくれる資格がAIFなのです。
試験範囲の概要
ドメイン | 主な内容 |
---|---|
1. AI と ML の基本 | - 基本的な用語(教師あり学習、教師なし学習、深層学習など) - AI/MLがどのようにビジネス価値を創出するか |
2. 生成AI(Generative AI)の基礎 | - 大規模言語モデル(LLM)の概念 - 画像生成・テキスト生成を実現するモデルのユースケース - プロンプトエンジニアリングの考え方 |
3. 基盤モデルの応用 | - 事前トレーニング済みモデルの使い方 - ファインチューニングや転移学習、推論パラメータの調整方法 |
4. 責任あるAIに関するガイドライン | - AIモデルのバイアス検出や公平性 - データプライバシーや倫理、コンプライアンス |
5. セキュリティ・コンプライアンス・ガバナンス | - AWS上でAI/MLワークロードを運用する際のセキュリティ管理 - IAMやAmazon S3、AWS Key Management Service (KMS) などの基本的なベストプラクティス |
公式の試験概要PDF
AIFで得られるメリット
AIFを合格したからといって、すぐに高度なAI開発がこなせるようになるわけではありません。それでも、以下のようなメリットを得られるため、AI学習の “はじめの一歩” として非常に有用です。
1. AI/ML/DL/LLM (GenAI) の全体像を俯瞰できる
AIFの試験範囲には、教師あり/教師なし学習といった基本的なMLの概念だけでなく、生成AIや大規模言語モデル(LLM)といった最新トレンドも含まれます。その結果、AIという大きな領域を俯瞰し、学習全体の地図を描ける のが大きな利点です。
AWS Skill Builderで出てくるよくあるAIの図。初学者は知っておいた方がよさそうです。
2. AWSを使った実践スキルの入り口に
AI/MLの基礎理論を知っていても、実装面でつまずくケースは少なくありません。一方、AIFでは Amazon SageMaker や Amazon Rekognition など、AWSが提供する主要AIサービスを学ぶため、クラウドを前提としたAI開発の基礎 が身につきます。今後、実際にPoCを行ったり、小規模なAIプロジェクトを牽引したりする際にも活用できるでしょう。
3. 次のステップに繋がる“きっかけ”になる
AIFを一緒に受講した知人ですが「もっとAIを深く学習したくなった!」と発言しています。
AIFを取得すると、より実務的な運用方法を学べる MLA(Machine Learning Engineer – Associate) や、深層学習や大規模データ解析など高度な内容に踏み込む MLS(Machine Learning – Specialty) といった上位資格が視野に入ってきます。生成AIの分野を掘り下げたい方にとっても、AIFで得た下地を基にBedrockやLLMの学習を進める道が拓けるはずです。
試験勉強のポイント
1. 公式ドキュメントとホワイトペーパーを活用
AWS公式サイト には、AI/ML関連サービスの解説やホワイトペーパーが充実しています。いきなり難しい教材に手を出すよりも、まずは公式ドキュメントをざっと眺め、全体的なサービス内容やユースケースを把握しましょう。Skill Builderでの公式模擬問題もおすすめです。
2. ハンズオンでAIサービスに触れてみる
Amazon SageMakerでサンプルノートブックを動かしたり、Amazon Rekognitionで画像解析を試したりしてみましょう。実際に触れることで、机上の知識が具体的なイメージへと繋がり、試験問題にも対応しやすくなります。
AIFで身につく知識の具体例
AIFの学習を通じて身につけられる知識は下記の通りです。
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AI/MLの基礎
- 教師あり学習、教師なし学習、回帰、分類などのアルゴリズムと評価指標
-
生成AIの基礎
- LLMや拡散モデルなどの概要、プロンプトエンジニアリングの基本
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AWS AIサービスの概要
- Amazon Bedrocl、 Amazon Comprehend、Amazon Rekognition、Amazon SageMakerなどの利用場面とユースケース
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セキュリティ・ガバナンス
- IAMロールやデータ保護、責任あるAI運用の考え方
これらの概念に触れることで、AIプロジェクトの「何がわからないのか」が明確になり、次の学習やキャリアプランを立てやすくなるでしょう。
※参照: AWS Skill Bulder 「Fundamentals of Machine Learning and Artificial Intelligence (Japanese)」
まとめ
AWS Certified AI Practitioner (AIF-C01) は、AIスキルを本格的に身につけるための “きっかけ” として最適な資格です。AIF単体でAIを使いこなせるわけではありませんが、機械学習の基礎から生成AIトレンド、AWSクラウドの活用方法まで 幅広く学ぶことで、確かな導入準備が整います。
- AI/MLの全体像を把握し、クラウドによる実践的な環境を学べる
- 将来のMLA・MLSへのステップアップや、Bedrockを含む生成AI分野への展開が見えやすくなる
- 社内外でAIプロジェクトを推進する際、“何をすべきか” “どんなリソースが必要か” を具体的に議論できる
これからの時代、AIの活用はもはや避けて通れないテーマとなっていくでしょう。AIFを入り口に学習を始めて、より高度なAIエンジニアリングへ進みたい方は、この資格で得た知識を基盤に、さらなるチャレンジへと踏み出してみてください!
ちなみにこの様なAWS活用 AI/ML/LLMイベントも定期的に開催していますので開催していれば是非、ご参加ください!
AWSで学ぶAIの第一歩シリーズ