TL;DR
- Vue.jsはHTMLをJavaScriptの中に書かなくて済むので、可読性が高いです
- Vue.jsは双方向バインディングをサポートしており、Reactみたいなsetter/getterみたいな無駄な作業は必要ありません
- Vue.jsはHTMLとCSSとJavaScriptを分けて記述することができるため、どこを修正すればいいか直感的です
- ReactはJSX内で
{}
と()
が大量に出現するため、可読性が低く、タイピングミスしたときのバグ探しが大変です
2025年、ReactとVue.jsどちらを選ぶべきか?
2025年、フロントエンド開発者にとってReactとVue.jsは引き続き主要な選択肢となっています。
1. ReactとVue.jsの基本的な違い
React
- 開発元: Meta(旧Facebook)
- アプローチ: ライブラリ(必要に応じて周辺ツールを追加)
- 学習曲線: 中程度から高い
- エコシステム: 極めて大規模、コミュニティが活発
- 特徴: JSXを使用したコンポーネントベースの開発。React RouterやReduxなどで機能を拡張可能
Vue.js
- 開発元: エバン・ユー(独立開発者とコミュニティ)
- アプローチ: フレームワーク(統合されたツールセット)
- 学習曲線: 比較的低い
- エコシステム: コンパクトだが必要なツールは揃っている
- 特徴: テンプレート構文が使いやすく、直感的。Vue RouterやVuexが公式にサポート
2. 2025年のトレンドと動向
Reactの最新動向
- Server Componentsの本格導入でSSR(サーバーサイドレンダリング)の体験が改善
- React 18以降の新しい並列レンダリング(Concurrent Rendering)が普及
- Viteとの統合や、新しいスタック(T3 Stackなど)での採用が拡大中
Vue.jsの最新動向
- Vue 3の完全移行がほぼ完了し、パフォーマンスと使いやすさが向上
- Pinia(Vuexの後継)がデフォルトとして定着
- Nuxt 3を中心としたエコシステムが強化され、フルスタック開発での選択肢が増加
3. 選択のポイント
比較項目 | React | Vue.js |
---|---|---|
学習コスト | 中程度から高い(JSXやツールの習得が必要) | 比較的低い(直感的なテンプレート構文) |
プロジェクト規模 | 大規模向け(エコシステムが広く柔軟性が高い) | 中小規模から大規模(拡張性はあるがコンパクト) |
パフォーマンス | 並列レンダリングで優れた応答性を実現 | Vue 3でReactとほぼ同等のパフォーマンス |
エコシステム | 世界最大のコミュニティとプラグインが存在 | 必要な機能が揃うがReactに比べると選択肢が少ない |
採用企業・コミュニティ | 大企業での採用例が多い(Meta、Airbnbなど) | スタートアップや中小企業で人気(Alibabaなど) |
4. ReactとVue.jsでのTodoアプリのコード比較
ReactとVueのコードを比較することで、具体的な違いを理解しましょう。それぞれで基本的なTodoアプリを実装してみます。
ReactでのTodoアプリ
import React, { useState } from "react";
const App = () => {
const [todos, setTodos] = useState([]);
const [inputValue, setInputValue] = useState("");
const addTodo = () => {
if (!inputValue.trim()) return;
setTodos([...todos, inputValue]);
setInputValue("");
};
const removeTodo = (index) => {
setTodos(todos.filter((_, i) => i !== index));
};
return (
<div>
<h1>Todo App (React)</h1>
<input
type="text"
value={inputValue}
onChange={(e) => setInputValue(e.target.value)}
/>
<button onClick={addTodo}>Add Todo</button>
<ul>
{todos.map((todo, index) => (
<li key={index}>
{todo} <button onClick={() => removeTodo(index)}>Delete</button>
</li>
))}
</ul>
</div>
);
};
export default App;
Reactの特徴
- JSXを使用して、JavaScriptとHTMLを組み合わせて記述
- 状態管理は基本的にuseStateフックを使用
- addTodo、removeTodo内で毎回配列を生成してsetTodosしており、非効率で可読性が低い
Vue.jsでのTodoアプリ
<template>
<div>
<h1>Todo App (Vue 3)</h1>
<input v-model="inputValue" type="text" />
<button @click="addTodo">Add Todo</button>
<ul>
<li v-for="(todo, index) in todos" :key="index">
{{ todo }}
<button @click="removeTodo(index)">Delete</button>
</li>
</ul>
</div>
</template>
<script>
import { ref } from "vue";
export default {
name: "App",
setup() {
const todos = ref([]);
const inputValue = ref("");
const addTodo = () => {
if (!inputValue.value.trim()) return;
todos.value.push(inputValue.value);
inputValue.value = "";
};
const removeTodo = (index) => {
todos.value.splice(index, 1);
};
return { todos, inputValue, addTodo, removeTodo };
},
};
</script>
Vue.jsの特徴
- テンプレート構文で直感的にUIを記述可能
-
Composition APIを利用し、
ref
でリアクティブな状態を定義
5. Reactはインデントの可読性が低い
ReactはJavaScriptの中にHTML記述するため、不必要なインデントが発生し、可読性が低いです。
React
return (
<div>
<ul>
{todos.map((todo, index) => (
<li key={index}>
Vue
<template>
<div>
<ul>
<li v-for="(todo, index) in todos" :key="index">
6. ユースケース別の選択ガイド
Reactを選ぶべき場合
- 大規模なプロジェクトで柔軟なアーキテクチャが必要
- 長期的な開発に耐えうるエコシステムとサポートを求める
- React Nativeを利用したモバイルアプリ開発を検討している
Vue.jsを選ぶべき場合
- 小規模〜中規模のプロジェクトで素早く開発を開始したい
- 開発者のスキルセットが限られているチーム
- Nuxtを活用してSSRやフルスタック開発を手軽に実現したい
まとめ
結論として、以下のように考えると良いでしょう:
- React: 大規模・複雑なプロジェクトやエンタープライズ向け
- Vue.js: 小規模・中規模プロジェクトや早期開発を求めるチーム
個人的にはVue.js一択だと思います。ReactとVue.jsはどちらも優れた選択肢であり、プロジェクトの要件やチームのスキルセットに応じて適切に選ぶことが重要です。2025年のトレンドを理解し、最適な技術を選択してください!
Vue.jsで開発環境を構築する方法は下記記事を参照してください