お題:「あたらしいせかい」
※お題の文字を文中に使用する必要はありません。新しい世界でも亜鱈椎セカイでも、それっぽい世界観でも可。
締め切りはとりあえず今月末頃。(27日ぐらい目途。まだ書いてるよーって人いたら、10月頭まで伸ばします)
『あたらしいせかい』
私はヒナ。コスプレデリヘルをやってる。
デリヘルっていうのは、店舗がなく、客のいる自宅やホテルなどに風俗嬢を派遣し性的サービスを行う業態である。Wikipediaより。で、うちのお店はそれにコスプレを組み合わせたのが売りになっている。
今日のお客さんはユズさん。割とよく指名してくれる上客だ。たぶん私とほとんど同い年ぐらいだと思う。色白で線が細くて、あんまりしゃべらないし性欲の鬼ってほどでもなさそうなのに、だけどなぜか月イチぐらいのペースで営業用のTwitterに姫予約のDMが来る。
風俗遊びなんてお金かかると思うのに、どっからお金出てるのかわからない。素性も知らない。DMでも日程の連絡しかしない。神である。
で、そんなユズさんにいつも通り60分のご指名をいただき、今日も衣装を片手にいつものホテルに向かっている。
ユズさんはプレイ中もあんまりしゃべらない。だから私も、ユズさんをどうやって満足させられるか、ということだけをストイックに追求していくことになる。
のだが。
いつものラブホの部屋の扉を開けたら、ベッドに座っているユズさんはいつものユズさんではなかった。
「ヒナちゃん」
とユズさんは言った。この人私の名前呼んだことあったっけ? 初めてなのでは?
「えっはい?」
そりゃ私もキョドるわ。
「今日、これやりたい」
そう言ってユズさんはなんかでかいボックスを持ち出した。なになになに大人のおもちゃか???
ユズさんはふたを開けた。違ったわ。
「お化粧…?」
私のつぶやきが口からだだ漏れなのだがそれはそうと、中から出てきたのは、大量のコスメだったのだ。だいたいプチプラだけど韓国のもデパコスもある。どうやって手に入れたんだ。
「今日、これやりたくて」
「ユズさん、お化粧するってこと?」
「うん」
「これ全部買ったんですか?」
「うん、メルカリで」
「やったことは?」
「ない。だから、やってほしくて」
「わわわ私が? きょう? いま??」
「うん」
デリヘルってだいぶいろんなことが起こるけど、まさかお客さんにメイクしてあげる日が来るとは思わなかった。
けど、ユズさん、私これね、脈がある気がする。素質あるよ、肌きれいだし。
やる気が湧いてきた私は、ユズさんに質問をしてみた。
「どんなテイストがいいとかあるの?」
そしたらこんな爆弾を持ち出してきやがる。
「実はこれがあって…」
登場したのはウィッグだ。黒髪ショートボブ。インナーカラーにメッシュが入ってる。
「えっ、それってもしかして、地雷系メイクってことでいいんですか?」
「うん、あたらしいせかいを、見てみたくて……」
あっ。私は俄然モチベが上がってくるのを感じた。これ、絶対楽しいやつだ。
「よし! 一丁やってやろうじゃないの!!」
* *
青髭の擬人化:「てやんでえ!! 一朝一夕ではそうそう美しさなど譲らねえぞ!」
わたし:「はっ! こやつは…青髭の擬人化…!! そしてこの展開は…バトルものを取り入れろという古のリクエストに答えたものだわ! 今回の投稿、作者にとっても『あたらしいせかい』だったのね!!」
青髭の擬人化「何をごちゃごちゃ言ってんだ! くらえ! 青髭の跡!!」
わたし:「うわっ、自分のメイクではこれまでに経験したことがないようなハードル…こんなときにはコンシーラー……はないのか。ユズさん、ちゃんとバランス考えて買ってくださいよ! ビューラーこんなにいらないでしょ目いくつあんの!」
ユズさん:「ビュー…?」
わたし:「いやもう大丈夫です、ええと…あっいいのあるじゃん! いけっ、BBクリーム!!」
青髭だった何か:「なんてことだ…肌にみるみる透明感が満ち溢れていく……降参だ……!!」
わたし:「やったわユズさん! 青髭の擬人化を倒した!」
ユズさん:「うん…(感情の上下が見えない人なので…)」
剛毛の眉の擬(ry:「次はわたくしがお相手しましょう」
わたし:「出たな、2番目ぐらいに出てくる貴公子風敵キャラ! だけどよく見ると意外と剛毛の眉!! ユズさん、剃っていいですよね?」
ユズさん:「うん…」
わたし:(ラブホのアメニティのシェーバーを持ち出す)じょりじょり……
剛毛の眉:「ななななんという決断力…」
わたし:「次は“描き”だわ。ていねいていねていね~いに~」
ユズさん:「えがーくよー…」
わたし:「揺れたり震えたりした線で~~この歌詞の部分縁起悪いな。でもできた!! 完璧だわこれ~」
剛毛だった眉:「ご、剛毛のアイデンティティが…!! ばたんきゅー」
わたし:「やったねユズさん!!」
ユズさん:「うん……」
エラ出がちの骨格の擬(ry:「最後は俺が相手だ! 骨格はそうそう変えられまい!!」
わたし:「確かに…地雷系メイクが骨格ごつごつしてたらなんか似合わない…そんなときには…シェーディング! さっさっさっ」
エラ出がちの骨格:「うう…しかし! そんな小手先のテクでは俺様を倒せまい!」
わたし:「確かに…! まだ全然ユズみが抜けないわ…どうしよう……」
ユズさん:「ウィッグは?」
わたし:「そうだった! ウィッグかぶっちゃえば一発だわ! くらえーっ!!」
エラ出がちだった骨格:「くっ…俺のごつごつが髪の影に……これではどこからみても地雷系丸顔……俺の時代は、終わった…!!」
わたし:「やったーっ! ユズさん完全に“美”ですよこれ!!」
ユズさん:「うん……」
あとローズ系のリップと、そしてもちろんがっつりアイシャドウを入れる。
ほんとはカラコン欲しいところだけど今度自分で買ってみて。コスメこれだけ揃える行動力あるんだったらいけるっしょ。
* *
「かんせ~い!! ユズさんどうです? これは完璧地雷系女子来ましたよ!!」
「お……!」
ユズさんは相変わらずリアクション薄めだったけど、でも明らかに瞳がきらきらしてたから、思うところがあったんだろう。最後は結局モチベが自身を美しく見せるのだ。おっ、いまいいこと言ったな私。
写真撮りたい、とユズさんが言うので鏡の前で自撮り講習するなどした。服が普通だと女子感薄れるな…と思ったところで、そういえば、と思い出したことがあった。
私コスプレの衣装持ってるんだった。ユズさん細いし着れるのでは? しかもちょうど病みかわ黒ワンピだった。これ伏線だったのか。着なよ。
着た。完璧だった。てかなんなら私より着こなしてて草生え散らかした。
ツーショ撮りまくった。これでは完全にラブホ女子会である。
ここでアラームが鳴った。あっという間の60分だった。
普段に比べたらぜんぜん濃厚接触してないはずなのに、本日は大変いちゃちゃしなからふたりでホテルをあとにしたのだった。
他人にメイクするの、楽しいな。そういうお仕事ってあるのかな。BAさんか。
次のお客さんもメイクとか言わないかな。言うわけないか。
お金が貯まったらそういう学校に通ってみようかな。
帰り道はずっとそんなことを考えてた。
どうやら私にも「あたらしいせかい」、開いちゃったみたいだ。
「キタキタキタキター!!」
捜査三課のガラスドアを蹴破らんばかりに、鼻ゴジラこと和泉俊臣が駆け込んできた。
「どうした、事件か?」三課のお荷物の異名をとる、この俺、池田啓は義理で答えてやる。どうせくだらないことだろう。
「事件も事件。しかも遂に来たってやつだ」
あだ名通りに、野郎の鼻息が威勢よく咆哮を立てる。
課長の「おーい、遊んでないで仕事しろよー」のおざなりな注意を尻目に、鼻が数枚の写真を差し出した。
事件現場の鑑識写真のようだが、まさか。
「これどうやって手に入れた?」
写真に写る事件現場。どうやら殺人事件現場らしいが、ホトケさんの横には、血文字ではっきりと
『あたらしいせかい。』のダイイングメッセージが残されていた。
「鑑識のケイちゃんからの横流し品だが、細かいこと言うな。知ってるぞ、お前こういうのをやりたくて刑事になったんだろ?」
そのとおりだが何故知っている。
「さあさあお前の出番だ。このメッセージを解き明かせ。」
お宝を入手早々、人任せなのはさすがといえるだろう。
内心大よろこびなのをひた隠し、メッセージを睨めつけ、しばし長考に入る。
宗教色がプンプンすることばだよな。中二病っぽくもある。しかし、、。
職業柄、怪しいうわさが次々と入ってくる自分のところでも、これに類する語句の心当たりはない。
「この言葉自体に、意味がないとすれば、これはアナグラムだろうか」
「なんだその穴蔵?ってのは」
知らんのか?言葉を並べ替えて別の意味にする、まあ、一種の言葉遊びだな。
誰にでもわかるようにメッセージを残したらヤバイ場合とか、暗号のように使うことがある。
例えばお前の名前、<いずみとしおみ>を並び替えると、
「並び替えると?」
カツカツと手元のメモに走り書きする。
「『糸ミミズ推し』、になる。」
「てめえ、親からもらった俺の大事な名前をそんな風に思っていやがったのか。」
がなるな。俺なんか上から読んでも下から読んでも<イケダケイ>だ。
うちの親にも、もう少し多角的な視点で名付けてほしかった。
『火星らしい・・・』だめか
まてよ、この最後の丸、ひょっとすると句読点じゃなくて小さい『っ』か?
「そう見えなくもないが、だとするとなんだ?」
「『あたらしいせかいっ』並べ替えると、『愛した落花生』だ!!」
「おーい、おまえらいいかげん仕事しろよー」
人生の最期に残した、愛の言葉をよそに、課長の間延びした声が、今日も捜査三課に響き渡る。
「 あたらしいせかい 」というものは、
現代の人間は、見たことがなく知らないだけで、
見て知ってしまえば、それが当たり前のことになるのです。
人工知能と言うものは、未来において、
人間の脳と比較して、すべての面で優れているということはありません。
デジタル技術というものは、常に最良最高の技術というものではありません。
新しい世界において、真っ先に認識するべきことは、
どの時代においても、どの次元においても、どの階層においても、
孤立、対立、分断ではなく、自立、自律と協調、調和が、
最良で、効率良く、大切なことであるということです。
多様性というものは、何でもすべてよいということにはなりません。
デジタルの世界が究極に進んで行った先には、
進化したアナログの世界が待っています。
このことは、デジタルとアナログが、
完全に入れ替わってしまうということではありません。
どの時代においても、どの次元においても、どの階層においても、
デジタル的なものとアナログ的なものは、常時共存しているのです。
どちらか一方だけが注目されて、光が当たっているだけのことにすぎません。
以上のことを心得ていれば、新しい時代が到来したときに、
少しも困惑すること無く、正しい気持ちで受け入れて、
「 新しい世界 」を、生きていくことができるのです。
明日からあたらしいせかいが始まります。
幾つかの変更があるので注意して下さい。
政府広報
こんな広告が、突如として、ある日、全国一斉に流された。
俳優のにこやかな笑顔に彩られたチラシも多数配られ、国民全員に周知された・・・と行政側は判断したらしい。
あたらしいせかいの意味はエネルギーや資源の節約だった。
国民全員に一日に使用可能なエネルギーはカロリー単位で割り当てられる。
電気ならどれくらいとか、公共交通機関なら鉄道なら何百キロまで自家用車なら何十キロまでとか割り当てられ、営業用の車両も割り当てが決められて全ての登録車両にkillメーターが取り付けられ、あるいは個人にはカードが配られた。
割り当てを過ぎるとどうなるか・・・って言うと、自動車は止まる。
バスやタクシーや鉄道などではアラートが出て、係員がやってきて強制的に下車を強要される。
通勤途中にアラートが出ないよう転職や移住って言うのも多く発生した。
人気の職業が一変してしまい、首都圏は過疎に悩まされることになる。
航空機だと何百日分かのポイントを宣言して貯める事ができるとされたので、無理して貯めて後悔するやつも多い。
各家庭の配電盤やガスメーターなどには切断装置が取り付けられ、一定量を超えると電気もガスも来なくなる。
灯油や重油などの購入はポイント制で制限される。
水道の割り当てもあって、定期的な検針でオーバーしていたらオーバー分に応じた期間止水される。
物品の購入もポイント制でエネルギーと同様に制限される。
使いすぎて足りなくなってダイエットしたり衣服を節約したりする人も多くでる。
エネルギーのポイントとのバーターも家庭単位で認められていて、足りなくならないように総合的に判断することが求められた。
斯くして、日本は「地球環境の保全に関する条約(仮称)」をクリアしたのだった。
クリアできなかったらどうなったか?・・・っていうと、資源の割り当てを減らされて、アメリカなんかはそうなったんだが、ますます厳しい世界が待っていたって・・・何十年か後に来るかもしれない「あたらしいせかい」でした。
『あたらしいせかい』
私はヒナ。コスプレデリヘルをやってる。
デリヘルっていうのは、店舗がなく、客のいる自宅やホテルなどに風俗嬢を派遣し性的サービスを行う業態である。Wikipediaより。で、うちのお店はそれにコスプレを組み合わせたのが売りになっている。
今日のお客さんはユズさん。割とよく指名してくれる上客だ。たぶん私とほとんど同い年ぐらいだと思う。色白で線が細くて、あんまりしゃべらないし性欲の鬼ってほどでもなさそうなのに、だけどなぜか月イチぐらいのペースで営業用のTwitterに姫予約のDMが来る。
風俗遊びなんてお金かかると思うのに、どっからお金出てるのかわからない。素性も知らない。DMでも日程の連絡しかしない。神である。
で、そんなユズさんにいつも通り60分のご指名をいただき、今日も衣装を片手にいつものホテルに向かっている。
ユズさんはプレイ中もあんまりしゃべらない。だから私も、ユズさんをどうやって満足させられるか、ということだけをストイックに追求していくことになる。
のだが。
いつものラブホの部屋の扉を開けたら、ベッドに座っているユズさんはいつものユズさんではなかった。
「ヒナちゃん」
とユズさんは言った。この人私の名前呼んだことあったっけ? 初めてなのでは?
「えっはい?」
そりゃ私もキョドるわ。
「今日、これやりたい」
そう言ってユズさんはなんかでかいボックスを持ち出した。なになになに大人のおもちゃか???
ユズさんはふたを開けた。違ったわ。
「お化粧…?」
私のつぶやきが口からだだ漏れなのだがそれはそうと、中から出てきたのは、大量のコスメだったのだ。だいたいプチプラだけど韓国のもデパコスもある。どうやって手に入れたんだ。
「今日、これやりたくて」
「ユズさん、お化粧するってこと?」
「うん」
「これ全部買ったんですか?」
「うん、メルカリで」
「やったことは?」
「ない。だから、やってほしくて」
「わわわ私が? きょう? いま??」
「うん」
デリヘルってだいぶいろんなことが起こるけど、まさかお客さんにメイクしてあげる日が来るとは思わなかった。
けど、ユズさん、私これね、脈がある気がする。素質あるよ、肌きれいだし。
やる気が湧いてきた私は、ユズさんに質問をしてみた。
「どんなテイストがいいとかあるの?」
そしたらこんな爆弾を持ち出してきやがる。
「実はこれがあって…」
登場したのはウィッグだ。黒髪ショートボブ。インナーカラーにメッシュが入ってる。
「えっ、それってもしかして、地雷系メイクってことでいいんですか?」
「うん、あたらしいせかいを、見てみたくて……」
あっ。私は俄然モチベが上がってくるのを感じた。これ、絶対楽しいやつだ。
「よし! 一丁やってやろうじゃないの!!」
* *
青髭の擬人化:「てやんでえ!! 一朝一夕ではそうそう美しさなど譲らねえぞ!」
わたし:「はっ! こやつは…青髭の擬人化…!! そしてこの展開は…バトルものを取り入れろという古のリクエストに答えたものだわ! 今回の投稿、作者にとっても『あたらしいせかい』だったのね!!」
青髭の擬人化「何をごちゃごちゃ言ってんだ! くらえ! 青髭の跡!!」
わたし:「うわっ、自分のメイクではこれまでに経験したことがないようなハードル…こんなときにはコンシーラー……はないのか。ユズさん、ちゃんとバランス考えて買ってくださいよ! ビューラーこんなにいらないでしょ目いくつあんの!」
ユズさん:「ビュー…?」
わたし:「いやもう大丈夫です、ええと…あっいいのあるじゃん! いけっ、BBクリーム!!」
青髭だった何か:「なんてことだ…肌にみるみる透明感が満ち溢れていく……降参だ……!!」
わたし:「やったわユズさん! 青髭の擬人化を倒した!」
ユズさん:「うん…(感情の上下が見えない人なので…)」
剛毛の眉の擬(ry:「次はわたくしがお相手しましょう」
わたし:「出たな、2番目ぐらいに出てくる貴公子風敵キャラ! だけどよく見ると意外と剛毛の眉!! ユズさん、剃っていいですよね?」
ユズさん:「うん…」
わたし:(ラブホのアメニティのシェーバーを持ち出す)じょりじょり……
剛毛の眉:「ななななんという決断力…」
わたし:「次は“描き”だわ。ていねいていねていね~いに~」
ユズさん:「えがーくよー…」
わたし:「揺れたり震えたりした線で~~この歌詞の部分縁起悪いな。でもできた!! 完璧だわこれ~」
剛毛だった眉:「ご、剛毛のアイデンティティが…!! ばたんきゅー」
わたし:「やったねユズさん!!」
ユズさん:「うん……」
エラ出がちの骨格の擬(ry:「最後は俺が相手だ! 骨格はそうそう変えられまい!!」
わたし:「確かに…地雷系メイクが骨格ごつごつしてたらなんか似合わない…そんなときには…シェーディング! さっさっさっ」
エラ出がちの骨格:「うう…しかし! そんな小手先のテクでは俺様を倒せまい!」
わたし:「確かに…! まだ全然ユズみが抜けないわ…どうしよう……」
ユズさん:「ウィッグは?」
わたし:「そうだった! ウィッグかぶっちゃえば一発だわ! くらえーっ!!」
エラ出がちだった骨格:「くっ…俺のごつごつが髪の影に……これではどこからみても地雷系丸顔……俺の時代は、終わった…!!」
わたし:「やったーっ! ユズさん完全に“美”ですよこれ!!」
ユズさん:「うん……」
あとローズ系のリップと、そしてもちろんがっつりアイシャドウを入れる。
ほんとはカラコン欲しいところだけど今度自分で買ってみて。コスメこれだけ揃える行動力あるんだったらいけるっしょ。
* *
「かんせ~い!! ユズさんどうです? これは完璧地雷系女子来ましたよ!!」
「お……!」
ユズさんは相変わらずリアクション薄めだったけど、でも明らかに瞳がきらきらしてたから、思うところがあったんだろう。最後は結局モチベが自身を美しく見せるのだ。おっ、いまいいこと言ったな私。
写真撮りたい、とユズさんが言うので鏡の前で自撮り講習するなどした。服が普通だと女子感薄れるな…と思ったところで、そういえば、と思い出したことがあった。
私コスプレの衣装持ってるんだった。ユズさん細いし着れるのでは? しかもちょうど病みかわ黒ワンピだった。これ伏線だったのか。着なよ。
着た。完璧だった。てかなんなら私より着こなしてて草生え散らかした。
ツーショ撮りまくった。これでは完全にラブホ女子会である。
ここでアラームが鳴った。あっという間の60分だった。
普段に比べたらぜんぜん濃厚接触してないはずなのに、本日は大変いちゃちゃしなからふたりでホテルをあとにしたのだった。
他人にメイクするの、楽しいな。そういうお仕事ってあるのかな。BAさんか。
次のお客さんもメイクとか言わないかな。言うわけないか。
お金が貯まったらそういう学校に通ってみようかな。
帰り道はずっとそんなことを考えてた。
どうやら私にも「あたらしいせかい」、開いちゃったみたいだ。
コメント(6件)
場を乱しているようで申し訳ない。
それを言い出したら過去に一番場を見だしたのはおそらく私ですし笑
特に要望なければ、あと数日で締め切ります。
ポンパンポンミーン
よい子の皆さんはおうちに帰りましょう。
でもかきつばた賞いただけてうれしいです!
冒頭にインパクトある言葉が多すぎるせいで、回答履歴から見ると治安悪すぎて草www
講評いただけるんですよね! やった!!